大村あつし@作家、ITライター

作家。総売上部数202万部。IT書籍で「日本一」とご評価を頂いた後に『エブリリトルシン…

大村あつし@作家、ITライター

作家。総売上部数202万部。IT書籍で「日本一」とご評価を頂いた後に『エブリリトルシング』が20万部、2回舞台化(井上和香・内山理名)。最新作は『しおんは、ボクにおせっかい』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046046392/

マガジン

  • 趣味の音楽(スキが大量に消えてしまいました(T_T)

    20代の頃に4トラックで録音していた素人丸出しの自作・自演曲を、要望がありましたので、アルバムにまとめることにしました。 楽曲はアクセス順に並んでいます。 本業は作家ですので、そちらのご批判は甘んじて受けますが、こちらは趣味ですので、ご批判は勘弁してくださいm(_ _;)m

  • 短編集

    5分ほどで読める短編集です。ぜひ、お楽しみください。

  • 雑感・エッセイ

    小説ではない雑感やエッセイです

  • コロナで脱資本主義・サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?

    エピソード4までは無料でお読みいただけます。 「資本主義はもっとも優れた経済制度」と子どもの頃から刷り込まれ、それを疑うこともしない日本人。 その資本主義がどれほど不平等なシステムであるかを中学生でも理解できるように小説風に解説します。 現在の国際金融資本主義は「庶民は富裕層の奴隷として老いるまで働け」というものです。 だからこそ、このコロナ禍に「資本主義」について真剣に学んでみませんかか?

  • 篤があつしに変わるまで(自己啓発実話小説)

    「日本で一番、VBAの本を売ったライター」と過分な評価をいただいている私こと大村あつしですが、当然ですが最初からITライターだったわけではありません。そこに至るまでの七転八倒の「実話」を連載します。微力ながらも、「人生を変えたい」と願う方のお力になれればと思っています。綺麗ごとではなく、「一人でもお力になれれば」と思っていますので、フォロワー数とか気にせずに連載していきます。

最近の記事

愛犬との死別

 星新一の小説に「目を閉じると眠れない」という物語があったが、今の僕がその状態だ。  午前4時22分。  2時間前にベッドに入ったのに、目を閉じると愛犬との想い出ばかり浮かんで一睡もできない。  2020年9月29日、時刻は午前5時30分。  僕の愛犬トム(都夢)が永眠した。  予兆はあった。  次は、トムの死の2週間前、僕の9月16日のtwitterである。  以下、親バカをご容赦願いたいが、トムは本当に頭の良い、そして優しい子だった。  どんなに甘えたくても

    • NiziUの底なし沼から出られない

       僕は今、底なし沼から出られずにいます。  でも、人生で数回しか経験のないレベルの快楽を与えてくれる底なし沼なので、しばらくは出られなくてもいいと思っています。  その底なし沼の名前は「NiziU」  実は、緊急事態宣言が出ていた頃だと思いますが、20代の友達から「スッキリですごいオーディション番組をやっているから、大村さんも観たほうがいいですよ」と言われたのですが、テレビは一切観ない僕はスルー。  その後、「オーディションの結果が出ましたよ。NiziUって名前でYo

      • 【コロナで脱資本主義】あとがきに代えて ~ゼロサムゲーム、そして……、イマジン~

        ← プロローグへ あとがきに代えて  ~ゼロサムゲーム、そして……、イマジン~  資本主義は「ゼロサムゲーム」です。ご存じない方のために補足させてください。  ゼロサムゲームとは、別名「有限和」ともいわれ、限られたパイを相互に奪い合う状況、そして、結果的に全体の損得を合算するとゼロになる事象のことです。  経済行為とはいえませんが、一番わかりやすいのが麻雀です。麻雀は、四人全員が二万五千点ずつ、合計十万点でスタートし、ゲームの過程で各自の得点が増えたり減ったりしますが

        • 【コロナで脱資本主義】経済学をもっと学びたい人のための雑学

          ← プロローグへ 経済学をもっと学びたい人のための雑学 雑学1 「交換とは、異なる使用目的を持つ同価値の商品間においてのみ成立しうる経済行為である」は、実は嘘?  エピソード3で、のっけからみなさまを驚かせたであろう次のフレーズ。 交換とは、異なる使用目的を持つ同価値の商品間においてのみ成立しうる経済行為である  これを、経済学的に正確に言い換えると、実は次のようになる。 交換とは、異なる使用価値を持つ同じ交換価値の商品間においてのみ成立しうる経済行為である  

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        • 趣味の音楽(スキが大量に消えてしまいました(T_T)
          35本
        • 短編集
          2本
        • 雑感・エッセイ
          23本
        • コロナで脱資本主義・サラリーマンだから貧乏ですが、なにか?
          42本
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        記事

          【コロナで脱資本主義】エピローグ 六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ

          ← プロローグへ エピローグ  六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ  エリカは、ボクの首に回した両手をほどきながら唇を離すと、踵を地面につけた。そして、ボクの瞳に映る自分の笑顔を確認しながら、自由になった唇を動かした。 「ねぇ、多喜二。マルクんの最後の講義から一週間が経ったけど、今、ここから夜景を見てどう思う? 一ヶ月前のあなたの誕生日のときと同じに見える?」 「うーん。難しい質問だな。なにせ、マルクんの講義は予想以上に刺激が強かったからな。正直、最後の講義が終わったときに

          【コロナで脱資本主義】エピローグ 六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ

          【コロナで脱資本主義】エピソード11 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅱ

          ← プロローグへ  マルクんの講義の翌日、仕事を終えたアタシは長澤(ながさわ)という女性と食事をしていた。  アタシは、自動車の部品メーカーの東京本社で社長秘書をしている。長澤は私の前任者であったが、夫の地方転勤に伴って会社を辞めたために、アタシがその後釜に座った。  その日、長澤は所用で上京し、挨拶に立ち寄った古巣の社長室でアタシと対面し、アタシをレストランに誘い出した。  互いに面識はなかったが、仕事をバトンタッチした者同士という連帯感、それにワインの助けもあって

          【コロナで脱資本主義】エピソード11 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅱ

          【コロナで脱資本主義】エピソード10 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅰ

          ← プロローグへ 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅰ

          【コロナで脱資本主義】エピソード10 本当にサラリーマンは不幸なのか?Ⅰ

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(3)

          ← プロローグへ エピソード9  なぜ、資本家は金持ちなのか?(3)  すると、エリカが黒板の前に立って図を書いた。

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(3)

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(2)

          ← プロローグへ エピソード9  なぜ、資本家は金持ちなのか?(2)  さて、私は先に次のように述べた。  たとえただ働きでも、『労働』というのは、この世界を豊かにする。  すなわち、働くという行為は、価値を生み出すのである。  ところがである。今の技術力・生産力を考えると、生きていく上で必要な生活物資は、個々に見ると違いはあるが、全社会的な平均で見れば、日に三時間も働けば生産が可能であることはマクロ経済学や統計学などの見地から証明されている

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(2)

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(1)

          ← プロローグへ エピソード9  なぜ、資本家は金持ちなのか?(1) 「さて、ついに最後の講義となりました」  九回目の講義は、マルクんのこの一言で始まった。 「今日のテーマはずばり、『なぜ、資本家は金持ちなのか?』です」  エリカが唾を飲み込む音が聞こえた。 「そして、その謎を解くカギは、『労働』にあります。エピソード8でお話ししたとおり、流通というのは『等価交換』です。ですから、流通から利潤は生まれません。では、なぜ利潤が生まれるのか? そして、その利潤はどこへ

          【コロナで脱資本主義】エピソード9 なぜ、資本家は金持ちなのか?(1)

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(4)

          ← プロローグへ エピソード8  サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(4) 「さて、二人が相当なショック状態であることはわかりますが、次回の私の最後の講義の前に、前回の疑問を解決しておかなければなりません」

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(4)

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(3)

          ← プロローグへ エピソード8  サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(3)  では、もう一つ。労働力の「使用目的」を検証しなければならない。なぜなら、労働力に「使用目的」がなければ、労働力は「商品ではない」という結論になってしまうからだ。  さて、今から述べることは、経済学史上、最大の発見と言っても過言ではない。この講義も、本当に山場に差し掛かっている。

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(3)

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(2)

          ← プロローグへ エピソード8  サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(2)  しかし、どうだろう。ここまで検証しても、まだどうにも、「本当に、私たちが働くことって『商品』なのだろうか。実感が湧かない」というのが本音ではないだろうか。  また、このように疑心暗鬼になってしまうのは、逆に言えば、すでに「商品とはなにか?」を理解していることの証拠とも言える。

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(2)

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(1)

          ← プロローグへ エピソード8  サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(1)  どうやら、マルクんは指輪の痛手から立ち直ったようだ。その証拠に、教室に入るなり、鼻歌交じりにサクサクと例の矛盾に満ちた図式を書いた。 (A) <貨幣> - <商品の消費> - <減少した貨幣>                ↓ (B) <貨幣> - <商品の消費> - <増加した貨幣>  「さーて、お二人さん。今日は能書きなしで本題に入りますよ」 「あ、はい」と二人で口を揃える。

          【コロナで脱資本主義】エピソード8 サラリーマンは資本家から見たら商品なのか?(1)

          【コロナで脱資本主義】エピソード7 サラリーマンは現代の奴隷か?(7)

          ← プロローグへ エピソード7  サラリーマンは現代の奴隷か?(7) (A) <貨幣> - <商品の消費> - <減少した貨幣>               ↓ (B) <貨幣> - <商品の消費> - <増加した貨幣> 「ほら、プレミアだよ」 「どういうこと?」  エリカが質問する側に回るなんて、なんと気分のいいことか。ボクは、空咳をすると、自信満々に口を開いた。 「たとえば、ビートルズがデビュー前になけなしのお金で買った楽器も、ビートルズが消費することでプレミア

          【コロナで脱資本主義】エピソード7 サラリーマンは現代の奴隷か?(7)

          【コロナで脱資本主義】エピソード7 サラリーマンは現代の奴隷か?(6)

          ← プロローグへ エピソード7  サラリーマンは現代の奴隷か?(6)  もう一度、先ほどの図を掲示しよう。 <貨幣> - <商品の消費> - <増加した貨幣>  ※※※※※※※※※※  そう言って図を書くと、なぜかマルクんは遠い目になった。 「どうしたの? マルクん?」とエリカが訊く。 「あ、ちょっと思い出してしまって……」 「なにを?」と今度はボクが問う。 「……。わかりました。二人のために、私のあの辛い思い出を話しましょう。そうだ。ちなみに二人はビートル

          【コロナで脱資本主義】エピソード7 サラリーマンは現代の奴隷か?(6)