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【コロナで脱資本主義】エピローグ 六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ

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エピローグ 
六本木ヒルズ、大展望台にてⅡ


 エリカは、ボクの首に回した両手をほどきながら唇を離すと、踵を地面につけた。そして、ボクの瞳に映る自分の笑顔を確認しながら、自由になった唇を動かした。

「ねぇ、多喜二。マルクんの最後の講義から一週間が経ったけど、今、ここから夜景を見てどう思う? 一ヶ月前のあなたの誕生日のときと同じに見える?」

「うーん。難しい質問だな。なにせ、マルクんの講義は予想以上に刺激が強かったからな。正直、最後の講義が終わったときに覚えた脱力感は、これまでに経験のないものだったよ。

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3,119字
エピソード4までは無料でお読みいただけます。 これから私たちは、1929年の世界大恐慌に匹敵する誰もが経験したことのない経済不況に見舞われます。 新型コロナウィルスは単なるきっかけに過ぎません。企業の連鎖倒産、不動産バブルの崩壊などで、「その日、食べられれば御の字」というレベルの生活を強いられる可能性すらあります。 そうでなくとも、サラリーマンの給料は生活費と一致する、すなわち、生活費に消えてしまうように創られた経済制度が「資本主義」なのです。 この仕組みをぜひとも学んでください。

エピソード4までは無料でお読みいただけます。 「資本主義はもっとも優れた経済制度」と子どもの頃から刷り込まれ、それを疑うこともしない日本…

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