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人口減少、都市化の流れの中で、新設大学の意義を考える

福島原発事故によって。
コロナによって。
都度、地域移住に注目がされたけど、
結局、みんな都市に集まってしまう。
都市の働きにストレスを感じつつも、
東京に来てしまうのが、人間の性。

松本総務大臣は、「みんなー!地方を支えて!!」って叫んでるけど

「もし地方が衰退すると、東京も含めて日本全体の力に関わることになると認識していて、地方をしっかりと支えて、活力を取り戻すことは重要な課題だ。」

NHKニュース

都市で生活している人々は、どこまで、地方衰退の危機意識があるのだろうか?
真面目に語ったところで、意識変化は無理ゲーだし、人間は、目の前のことに精一杯だ。
ふるさと納税だって、大半は地域の為というより、自分のため。でも、それでいいと思うんです。
いいというか、人間とは、そういうもんだと理解して、自分の至らなさも理解して、どう考えるかが大事かなと。

進む人口減少。進む都市化。
地域も色々考えていて、最近のニュースで、
佐賀県が、大学進学による若者の人口流出を防ごうと、県立大学構想みたいな話がありました。

若者の流出が起こるのは、
佐賀県に大学が少ないからで、佐賀県にもっと大学があれば、若者の人口流出が防げる!!はず!
という論理だと思うのですが、果たして本当に、近くに大学があれば、課題解決になるのか?
県民からも疑問の声が多く出ていそうですが、

あえて、大学新設で地域の魅力を向上させる説。
にのっかって、佐賀で大学新設する場合を考えてみます。


①デジタル活用し、校舎をもたない、地域大学


参考にするのは、今やハーバードやオックスフォードと別の選択肢を実現してるミネルバ大学。世界の優秀な若者がどんどんミネルバ大学に興味をもっているらしい。

詳しくは上記noteを読んでもらいたいのだが、
「自律した学びにむけて、教師と経営陣が徹底した準備する大学」と僕は捉えていて、
その為に、「校舎無し」「世界数カ所に寮」「移動しながら学ぶ」「オンライン授業」「90分授業で教師が話す時間上限10分」「授業内容のデータ分析」などを今は行っている。全ては、未来をつくる為の自律した人間を育成するために。

日本の大学には、授業のオンライン比率みたいなルールがあるようだけど、学生の成長に徹底的にこだわることに、大人は目を背けてはいけない。
知事の若者流出防止の考えとは、真逆な考えになるけど、徹底的にオンラインの良い部分を活用し、佐賀内にこだわらず、東京や大阪にもサテライトを設置したり、優秀な学生との出会いをつくりだし、また外を知るからこそ、生まれ育った自分たちの街の課題に絶対向きあえる。

②大学の専門領域は、「寝かせるテクノロジー」


僕が唐津に住んで気付いた事の一つが、「寝かせる」大切さ。

唐津焼の土づくり。
醤油や酒の発酵/醸造。
ヤキモノが盛んな街には、酒蔵醤油蔵があり、
酒蔵醤油蔵がある街には、ヤキモノがある。
「器」と「食」と離れたモノに見えるが、
実はどちらも、「寝かせる」ことで、土に粘り気がでたり、バランスよい発酵が進んだりと、
"つくるプロセス"がかなり近いところにある。
同じ思考性のプロダクトがあることで、
昔は、同じベクトルで世界を見ていた住民同士が街の文化をつくりだしてたんじゃないかな。

佐賀には、多くの酒蔵や、醤油蔵が存在し、また、特色あるヤキモノ文化が存在している、彼らがものづくりで培っている「寝かせる」大切さは、発酵醸造科学、睡眠科学、循環型プロダクト開発、などの学問と連携できると思うし、思考やクリエイティブにおける、脳内「寝かせるテクノロジー」にも、もちろん、つながる。

③シャッター商店街大学

唐津にも、商店街あるけど、かなりの比率のシャッター度。せっかくアーケード商店街になってるんだから、誰かに、貸せばいいじゃんと思うんだけど、2階とかに住んでいたり、代々お店やってるから他には売らないとか、色々根深い問題はあるんです。
シャッター商店街。

大型スーパーが生まれる前の社会には戻れないし、モノはネットデ買えるし、若者街にいないし、地方商店街の未来は、八方塞りに見えるけど、商店街を大学にしたり、大学寮にしたら、人の動きを人為的に作れそう。 しかも、若者の人流。

実際に、福知山公立大学はシャッター商店街をサテライトキャンパスとして活用していて、商店街の活性化を自分事化しながら、学生自身が試行錯誤のプロセスを歩めている。都市、地方にかかわらず、今、イキイキしている商店街は、大型スーパーやecの波の中、そこには無い価値を生み出しているはずである。佐賀だけにこだわらす、東京郊外の商店街など、都市の商店街にもサテライトキャンパスやシェアハウス型寮を展開することは、現代社会の隙間にある人と人の交流を生み出す課題に目を向けるチャンスを若者に提供することになるだろう。

あ。なんか、できそう。


地域で大学新設なんて、無理ゲーかと思ったけど、なんかできそう。いや。できる。
でも、大学新設にあたり、課題認識を「若者流出が課題」として捉えると、佐賀の高校生にとっても、どうでもいい話だし、県外の高校生なら、なおさらどうでもいい話。もっと課題認識の視野を広げ、今の大学教育や、若者の将来への不安などの課題に徹底的に向きあえると、それは地方大学にしかできない価値提供ができると確信に変わった。

渋谷恵比寿で、おむすびバーをやろうと思ったのも、単に最近おにぎりブームってわけじゃなく、社会や地域の課題認識が、僕なりにあって、そのへんは、またお話したいと思います。

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