母というひと-071話

母はまとまった睡眠を取れなくなったようだった。
 家の中は明かりをつけても薄暗く、母の怨みが体から滲み出て空気を変質させているような陰を感じさせる。

 私もさすがに汚い言葉ばかりを選んで吐き続ける父に向けての悪口が聞くに耐えなくなりつつあった。
 どこへ連れ出しても、何を食べさせても、四六時中悪口ばかり。そしてそれは、とっくに出尽くしたものを繰り返し繰り返し最初に戻り、同じ話を繰り返すだけなのだ

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