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私はモラトリアムブラックホールにいる

これは2023年の年末に書いた内容であり、地球に存在するブラックホールから出られなくなったのは数年前からである。

2021年3月。私は大学を卒業した。
専攻は心理学だった。小さい頃から人間関係を構築することが苦手で、多動でじっとしていることが難しかった自分にとって大学は最高の環境だった。
小さい頃から擬態していたし、早く義務教育が終わることを願いながら過ごす子どもだった。人の気持ちを理解することが難しかったから理解したくて心理学部を選んだ。

このままずっと、大学生だったら良いなと思い続けるほど大学生活に心底惚れ込んでいた私だったが、大学3年生の6月にその淡くて愚かな考えが淘汰された。

就職活動時期がやってきた。
大学は就職予備校という人がいるが、私は学問の大冒険を求めて大学に入学した。多くの大学生が感じることだが、就職などしたくはなかった。

その当時、就職とウィルスから逃げるように旅をした。コロナウィルスが猛威を振るって、製薬会社がこぞってワクチンの開発をしようと躍起になっていた頃、私は沖縄や岡山、大阪と日本中を旅していた。

                                 静岡でのバックパッカー旅

疎開するように田舎に行って、リモートで授業を受けて好きな時間に寝て好きな時間に起きる。そんな非日常生活を楽しみながら、なあなあのオンライン就職活動をした。

大学4年になって、面接回数が100回を超えようとした頃にある会社から内定をいただいた。私が通っていた大学では経団連が決めた就活ルール通り卒業年度から就職活動をする人が多かったから、学部の中では内定獲得はかなり早かった方だと思う。

内定をもらって残りの学生生活を楽しもうとしていた時、ふと就職活動をしていた時に出会った人事と自己分析をした時の話を思い出した。

その人事は、私が就職を望んでいないことを見抜いていたし、私が本当はずっと大学生で居たい、こどものような幼い私の心を把握してた。ここまで私の心の裏を正確に読む人物には会ったことがなかったし、とんでもなく印象に残るお兄さんだった。

そのお兄さんと話をして少し経ったある日
内定をもらった会社に連絡して内定辞退をした。

当時は23歳になったばかりでフレッシュだったし、行きつけの美容師さんに映画:リアリティバイツを勧められて観ても洒落てる映画だなとしか思わなかったし、選んだ道を正解にしてやると変な野心すら持っていた。

最近、26歳になってリアリティバイツを見た。
当時はイーサンホークが「人生に必要なのは、タバコとコーヒーと、ちょっとした会話。君と僕と5ドルがあればそれでいい。」と主人公の女性に言っているセリフにキュンキュンして、定職につかないどうしようもない大人になりたくないと思っていたのに、そんなどうしようもない大人に片足を突っ込んでる自分がこの映画に深く共感していた。

主人公のリレイナは、ドキュメンタリー作家を目指す女性。大学を卒業後、夢を追いながら地方TV局でADとして働いているが、我の強さから周囲と度々衝突を繰り返す。そんな主人公が大学の友人達とシェアハウスを始める。グダグダで洒落た奴らの話。モラトリアムを延長した奴らの拗れた話。

私はこの数年でこの映画を他人事と思えなくなった。勢いと脱構築で決断した過去は、私の人生計画を狂わせ、マイノリティとマジョリティの溝から抜け出すことを阻む。

私は26歳になったけど、心はまだ23歳。
心は別の次元。大学で哲学の講義を聞きながら、教授がどうしてこんなに博識なんだろうと考えてる23歳春の場所いる。

東京に住んでいて外国人が沢山やってくるホテルで働きながら、同時にブラックホールにいる。

最近、22歳の大学生がアルバイトで職場にやってきて、教育をすることになった。心と同じ次元の人に出会った。

そろそろ、ブラックホールから出る方法を真剣に考えたい。夢はブラックホールから抜け出すこと。



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