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【詩】 右心房


生きている私だからこそ
好きなものは尽きないのです

毎日真新しい 鮮明な目覚めが訪れる
今日には今日の歌があるように
この指先が撫でるものは
小さなアトリエには収まりきらない

生きている私だからこそ
生きた悲しみをも味わわねばならない
こうして時間が通り過ぎるうちに
いろんな涙に出会えている
ずぶ濡れで 扉の前に佇む睫毛
おかえりの言葉をかけるのは
昨日までの私でしょう

私は 生きている
青く透ける血管を通うものがある
ドクンと打った心臓から
噴き出す 私が息を綴る

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