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日記 4月1日

今日、去年の春と全く同じ時間割を組んで、講義名を見るだけで鬱へと潰れていった過程を思い出してしまい気分が悪くなった。環境に恵まれ意欲的に授業を受けれていたのが一転してドン底に落とされたあの感触、好奇心が突如としてただの重たい鉛色の義務感へと変わった虚しさ、どうしていいか分からないまま泣き続けて壊れていく日々、全部嘘であって欲しかった。生きている限りあの日々は二度と記憶から消えないのだと思うだけで死ぬのには十分過ぎる理由になると今でも思う。何も呑み込めず受け入れられず泣いて泣い

    • 日記

      夜寝る前に温かいお茶を飲んでみたり、風呂のお湯に浸かってみたり、いい匂いのする線香を焚いてみたり、アイマスクで目元を温めてみたり、お酒を飲まないように抗酒薬飲んだり、朝早く目が覚めたら健康のために散歩に出てみたり、そういう自分の体を大切にするような習慣を何ともなしに続けていくうちに、やっぱり自分はこのような生活なんて何一つ求めてなんかいないことを知る。春からの復学のことを思うとこのままの生活を続ければどうせまた潰れるんだろうなと思う。せめてそうならないための対策を少しでも試し

      • 日記

        「こうするしかなかったからそうした」の行き着いた先が今のこの旅だか逃避行だか街歩きだか文章だか写真だかよく分からない漠然とした趣味であって、「こうするしかなかった」と未だに自分に言い聞かせて曖昧にしているどうしようもないあれこれを、どうにか救済しては貰えないかと、いつもそう思って こんなもの手放して 早く楽になりたいだけなのにな 最近人に「お前に興味は無いけどお前の見ている世界には興味がある」と言われて、僕はずっと「自分には価値がないけど美しい風景には価値がある」と言い聞

        • 雨宿りの記憶

          朝早く通勤途中のサラリーマンと同じように最寄り駅の電車に乗り込み、見知った駅で乗り継ぎを繰り返す。境目なんて意識する間もなく、どこからかそんな日常の風景は非日常へと溶けていき、馴染みの無いローカル線で体だけぽつんと浮いたように存在していることに気づく。無人駅で降りたのち更に数十分バスに揺られると、ついさっきまで僅かにはあったはずの街の明るさは途端に消え去り、車窓は霧に包まれていた。 薄曇りの空は次第にその暗さを増していき、あぁ降るかなと心配したのもつかの間、大粒の雨が蝉時雨

          京都生活最後の一日

           下宿に帰るとアパートの前に引っ越しのトラックが止まっていた。もうそんな季節かと思い出す。京都の街を出てからもうすぐ一年になる。あの春ほど僕にとって象徴的な春というのはこれから先訪れるだろうか。出会いと別れの季節、あれほど胸が引きちぎられるような経験をしたのは初めてだったし、同時に認めたくないほど新生活に希望と期待を抱いていたのも本心だった。春の色は眩しい。その眩しさに耐えられず、京都を出るまでも出てからも、毎日のように泣いていた。あの時の感情の温度感まではもう霞がかかって思

          京都生活最後の一日

          終の日の入り

          初夢の内容は覚えていない。ただ夢の中で泣きじゃくっていた事だけ覚えていて、目が覚めた時も涙が流れていた。動悸も激しく、心臓の鼓動が落ち着くまで一時間ほどかかった。去年も一人で泣きながらカップ麺の年越しそばをすすって年を越したけど、今年も涙で始まったなと思った。去年の年末年始もとても精神状態が悪くてバイトの行き帰りはずっと泣いていたしバイト中も隣の部屋から聞こえてくるお客さんの笑い声を聞きながら布団を敷き、マスクの下で泣いていた。あの頃はこれより苦しい状態なんて存在しないと思っ

          終の日の入り