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ぐっと来た小説3選

・余命10年
ある日突然、謎の病にかかった茉莉。主治医に余命は10年と告げられた。
絶望で生きる気力もなくなっていたが、ある人との出会いによってこの世界に愛おしいと感じるようになる。

普段、生活している分には無限にあるように感じる時間。その時間がいかに貴重なものであるかということを感じることのできる作品でした。命の尊さを感じることのできる作品です。

・流浪の月
若い男が家出した少女を受け入れた。しかし、世の中は許さなかった。15年後、24歳になった彼女は思わぬ形で文と再会を果たす。

更紗と世間の事件への捉え方にズレがあり、それをなかなか認めてもらえず、拒絶されている姿がとても痛々しかったです。もちろん、犯罪者をかばうという面で問題であるとも思わなくもないですが、これは彼女自身の問題だから、彼女が決めるべきことだと思います。

人はいつも解釈がバラバラということ。良かれと思って気遣ったことが、実は相手に傷を付けてしまうことを忘れてはいけないと思いました。

・イノセントデイズ
幸乃は放火によって死刑を宣告された。彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……。筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長編ミステリー。

「『自分で死ぬのは恥だ』と元恋人に言われ、『自分で死ぬ』という選択肢を奪われたと思った幸乃」、「再審のために証拠を探す翔に、嫌がる幸乃。」など、それぞれの傲慢さが原因で、複雑に絡まりあう様子が描かれていました。

自分が正しいと思っていても、他の人から見ると傲慢で、時にそれを否定されたことで、カッとなって、争ったりするということを感じました。


ひとことメモ
どれも救いようがなくかわいそうな人を描いた小説を選んで書いてみました。こういう悲しい人たちばかりなので、読むときは覚悟がいるでしょう。実際にもこういった人たちがいるということを感じ、自分たちがどれだけ恵まれているか感じることができる作品だと思います。

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