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キスまでは友達という言葉に流されて男友達とキスしてしまった話


拝啓、12歳の頃の私へ。
今好きな人いるよね?
8年後私はその人にその日だけ愛されます。


追伸、その人とは別で彼氏がいます。

この話は1年前の話。2022年最後にさすがに成仏させたい話。 



その日は当時の彼氏ととあるライブに行った。
彼氏とライブに行くのは二度目で、でも新鮮で面白かったし楽しかった。
駅で合流してから手つないで新宿で買い物をした。彼氏とは付き合って一か月くらいだったかな。
その買い物で彼氏の好みの服とか彼女にしてほしい服装とかいろいろ知れて楽しかった。
あいにく私の好きな系統と違っていた。でも、今の私をもっと好きになってもらおうと強く思った。彼氏の好みに近づくんじゃなくて私が彼氏の好みになろうと。
自分でも何言っているか分からない。
買い物の途中に彼氏が「俺の親、〇〇(私)に会いたいなって言ってた」と唐突に放った。私はめちゃくちゃ嬉しくて心の中でサンバ踊ってた。
彼氏ができるなんて5、6年ぶりだし、前に彼氏いたの中二だし。恋愛の仕方なんて分からないし。ライブも終始楽しかったし。
最高のデートだった。



彼氏との別れ際、地元の仲のいい男女5人組のグループLINEが動いた。

〔今から○○の家で呑む。全員集合。〕

いつだって急な招集。
これはジモティーというやつだ。
この5人の仲は話すと長くなるが話そう。
この5人は高2の時、同じクラスで文化祭の準備で主体的に動いていたメンバー。確かに、高2の文化祭が人生で一番楽しかった。なんにせよ、確かのに準備が楽しかった。5人で買い出し入ったり、ブルゾンちえみの黒板アート書いてTwitterに載せたら本人からいいねきて5人でバカみたいにはしゃいだり、写真も腐るほど撮った。私だけが楽しんでたのかなって思う日もあったからこの5人でまた集まると聞いたときは嬉しかった。
個人的には中一の時に思いを寄せていた人がこの男3人の中にいたから高揚感とまじか、やば。で心はいっぱいだったからかもしれない。

初めての招集は去年の冬。オールでラウワン。
2度目は今年の春にディズニー。
3度目は初夏に深夜ドライブで横浜へ。
4度目はこの日。
いつも急だ。
その日のよる九時くらいに決まる。もっと遅いかも。さすがにディズニーは違うよ。
毎回楽しいから次の日が学校でもバイトでも行った。



グループLINEの通知が鳴るとすぐに5人の中の唯一の女の子からdmが止まらなくなった。

〔来て、絶対来て。マジで。楽しいから。〕

帰り際によればいいかな。の感覚で了解の返事をした。

彼氏と分かれてから彼氏に行先は伝えずに自宅とは違う方向の電車に飛び乗った。
雨が降っていた。
私は雨が大嫌いだ。
足元が悪い。
靴や靴下が濡れるとすこぶる機嫌が悪くなる。
でも、その日は早く4人に会いたくてそんなこと忘れて歩いた。最寄り駅に着くと待っててくれた奴がいた。久しぶりで会えて嬉しかった。

家に着くと四分の三出来上がっていた。私は次の日昼からバイトだった。
でもそんなこと忘れて呑んだ。バカみたいなゲームしてバカみたいに呑んだ。
止められるくらい呑んだ。
どんな流れだったか覚えてないがキスする流れになった。

私は戸惑った。

この4人には彼氏がいることを伝えている。しかも一人のメンズは彼女がいる。童貞だけど。戸惑っている私に1人が魔法の言葉を放った。

「キスまでは友達だよ」

なんか、言葉に乗せられて。
その場の流れだった。
明日になれば忘れる。
自分に都合のいい言葉があふれ出した。
そこからは自分を止めることはできなかった。
舌を絡ませ、深いキスもした。 

「ディ―プも友達だから」

中一の時に思いを寄せていた彼と深いキスを何度もした。彼は童貞で、私はヤリモクTinderくそ男と致してからはセカンドバージン状態。童貞でディープ経験ないのに完璧だった。キスをしてから彼は私の手を一向に離さない。
大きくて白くてきれいな指。
そいえば高校の時、俺の手好き?って聞かれたことあるな。なんて昔の思い出が蘇ってきた。
彼の手に包まれている時間、いつまでも続けばいいのにとさえ思ってしまった。
その家の子が部屋を貸してくれた。
彼と二人きりに。
何度も深いキスをして、彼は私から離れなかった。
違う、私が彼から離れなかったのかもしれない。
彼は「彼氏いるんだよね。」と寂しそうな声で何度も私に言った。
もし、私に彼氏がいなかったらどうなっていたんだろう。
もっと早くいってほしかった。
彼はいつも私をからかう。「俺たち付きあおっか」と皆の前で言ったり、「40までに相手いなかったら一緒になろう」とか。
全部乗りだと思ってた。
ディズニーに行った時も恋人ごっこして、横浜行った時も恋人ごっこで手つないでバックハグされて。
私の心はもたなかった。
それを全部彼に言った。
彼が言ったのは「可愛い」その一言だった。
彼の腕の中は心地よかった。
本当に続いてほしかった。
深いキスをして、抱き合ってそれ以上のことはなかった。

これが世の中の20歳なのかな。

私たちはこれからも仲良しな5人でいれるよね。

君のために彼氏と別れることは出来ないな。

もっと早くいってくれればよかったのに。

私の心の中に君がいなかったわけじゃないんだよ。君でいっぱいにしてほしかったな。


でも、私の性根は腐っているので、やれよ!ディープしたらGoのサインだろ。にしても、顔がいい。顔がとてつもなくいい。身長も大きくて最高だ。大学生だし。甘え方が可愛い。いい匂いがする。いい匂いだねっていうと照れるの好き。あ、やばいやばい。好きって言っちゃったよ。手をすりすりしてくるのが可愛すぎる。耳噛んでくるところいいよな。キスまの付け方分からないの可愛い。好きになりかけるからやめてくれ。あれから3週間くらい経ってるのに忘れてないんだよ。明日になれば忘れるとか言いながら忘れてないんだわ。



これがリアルなマカロニえんぴつの恋人ごっこ。

半年くらいは忘れないと思う。

濃密で濃厚な20歳の夏だった。

12歳の頃の私へ。
こんなことして地獄に落ちると思った。もう幸せになれないと思った。もう、みんなで楽しく会えないと思った。だけど、大丈夫だよ。こんな事があったけど、何も無かったように誘ってもらえるし、楽しく遊んでるよ。これ以降キスすることはないよ。でも、車の中で気づかれないように手を繋いだり、宅飲みで川の字で寝た時抱きつかれたりする。でもね、大丈夫。今はもっと素敵な人を見つけて幸せな時間を過ごしてる。たまに思い出しちゃうこともあるけど、仕方ないよ。大好きだった人だったんだもん。それよりももっともっと楽しくて幸せで大好きな人を見つけるから。これは素敵な思い出として残しておくね。

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