オノケン(太田則宏)

鹿児島の建築事務所主宰 http://onoken-web.com/ 折り紙も折って…

オノケン(太田則宏)

鹿児島の建築事務所主宰 http://onoken-web.com/ 折り紙も折ってます http://onoken-web.com/oriken/

マガジン

  • 読書記録

    読書記録。 順序はバラバラになりますが、事務所のブログの記事も最近のものからピックアップして上げていく予定。

  • VECTORWORKS 覚え書き

    VECTORWORKSをFUNDAMENTALSからArchitectに変え、BIM化へと試行錯誤した内容のメモ。

  • [rhino+grasshopper] 覚え書き

    [rhino+grasshopper] を導入して環境シミュレーションに挑戦中。

  • 畑日記

    吹上町与倉の事務所の近くで小さな畑をやってみる。

  • Encounters 出会う建築

    姉妹版の『Deliciousness おいしい知覚』をなるべく簡易な言葉に置き換えてみたものです。

最近の記事

  • 固定された記事

プラグイン等置き場

作成したプラグイン等を置いておきます。 もしかしたら、バグが残っていたりするかもしれませんが、ご了承ください。 感想等いただけるとありがたいです。 置き場置き場はGithubに移行しました。 下記より適宜ダウンロードしてください。 https://github.com/onokennote/VectorworksTools プラグインの入れ方ダウンロードした.vsoファイル又は.vsmファイルをVectorworksのPlug-insフォルダに入れます。 その後、

    • 探索者であること 『トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題』(ローズ ジョージ)

      環境を意識しだしてから、なかなか読む勇気が持てなかった最後の砦、トイレ問題。 いつかは目を向けなければいけないと、重い腰を上げて読んでみた。 本書は装丁からは想像もしなかったほどのボリュームでヘビーな問題がぎっしりと、そして軽快な文章で詰め込まれている。 世界65億人が抱える大問題 まず、トイレ、つまり排泄物の問題について自分は何も知らなかったことが分かる。 世界の人々の4人に1人はトイレを持たず、野原や道端で排泄し、それが様々な感染症などの原因になっている。 途上国

      • 流れの宿命を引き受けるには 『生物と無生物のあいだ』(福岡 伸一)

        てっきり読んだものと思い込んでいたけれども、未読だった。(読んだ内容を忘れてるのかとも考えたけれど、前回のシュレーディンガーについても本書に詳しく書かれていたのでやはり読んでいなかったようだ。) そして、さすがに面白かった。 生命とは何か? 本書は、著者が大学の時に出会った問いに対する著者なりの返答なのだろう。 著者は、いくつもエピソードを交えながら、生命とは何かを描いていく。 「生命とは自己複製するもの」とよく言われる。 遺伝子の複製によって、ミクロにもマクロにも

        • 建築において遺伝子に相当するものは何か 『生命とは何か: 物理的にみた生細胞』(シュレーディンガー)

          本書は1943年にダブリンの高級学術研究で行われた講演をもとに出版されたもの。日本語の翻訳版は1951年、1975年、2008年と三度出版されている。 上記の本で、エントロピーと生命の関係を知れたことは大きな前進だったのだが、本書を読んだのは、その発端となったシュレーディンガーの「生物体は「負エントロピー」を食べて生きている」という記述を追っておきたい、という軽い気持ちからであった。しかし、本書はそれにとどまらない。 他領域をまたぐ入門書的名著物理学者であるシュレーディン

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        記事

          選択の幅を拡げ持っておく 『テクテクノロジ-革命: 非電化とスロ-ビジネスが未来をひらく』(藤村 靖之)

          少々古い本だけども、著者の考え方に触れるための一冊目として読んでみた。 選択の幅を広げ持っておく 辻氏の、実際に破綻するまでほとんどの人は動かないけど、行き着くとこまで行くしかないのか?という問いかけに対し、藤村氏はこう答える。 また、非電化の発想はどこから出てくるのか、という問いかけには、 と答える。 本書の中に、代替策や選択の幅という言葉が何度か出てきたけれども、選択の幅を拡げ持っておく、ということの重要性を再認識させられた気がする。 それはなにも、行きつくと

          選択の幅を拡げ持っておく 『テクテクノロジ-革命: 非電化とスロ-ビジネスが未来をひらく』(藤村 靖之)

          農的暮らしという未来 『地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザイン』(四井真治)

          前回の本で著者のことが紹介されていて、以前から興味もあったので購入してみた。 気持ちとしては技術書のようなものを期待していたけれども、どちらかというと思想に関わるものだった。しかし、いろいろと得るものがあったように思う。 エコロジーの原理 著者はパーマカルチャーに触れつつも、その原理が何か分からず長い期間をかけて考えたようだ。 実践の期間は比べ物にならないけれども、原理的なことを理解したいという意識には共感する。 これは、言葉は違えど、ここ数年で私が辿り着いた感覚に近

          農的暮らしという未来 『地球再生型生活記 ー土を作り、いのちを巡らす、パーマカルチャーライフデザイン』(四井真治)

          大地の再生ワークショップに参加してきました

          テンダーさんにお誘いいただき、 ・2/12 大地の再生の映画「杜人」上映会 @日日nova ・2/17 大地の再生ワークショップ @テンダーさんちの裏山(日置市吹上町与倉) ・2/18 大地の再生ワークショップ @ 森のようちえんのフィールド(鹿児島市唐湊) と立て続けに参加させていただきました。 思えば、2022年の12月、日置の事務所となる家を手に入れた時には、土中環境や大地の再生と言った環境再生技術に興味を持ちつつも、土や植物との関わりに対して実感を持つことができ

          大地の再生ワークショップに参加してきました

          遠回りも無駄ではなかった 『線(せん)と管(かん)をつながない 好文×全作の小屋づくり』(中村 好文,吉田 全作)

          この本は発売してすぐに購入していたけれども、まだ読むタイミングではない気がして、ずっとそのままにしていたもの。 そろそろ、読んでも良いタイミングかと思い手に取ってみた。 タイトル通り、線つまり電気と、管つまり公共的な給水管と排水管とをつながない、いわゆるオフグリッドな小屋についてお二方が交互に語るような内容。 線と管をつながないとは、すなわちエネルギーや水、栄養素などの循環について自ら考えるということである。 この中で、パーマカルチャーデザイナーの四井真司氏の言葉を引いた

          遠回りも無駄ではなかった 『線(せん)と管(かん)をつながない 好文×全作の小屋づくり』(中村 好文,吉田 全作)

          生命、循環とエントロピー 『エントロピーから読み解く生物学: めぐりめぐむ わきあがる生命』(佐藤 直樹)

          循環をエントロピーの視点から捉えたかったのと、生物の循環に対するシステムに大きなヒントがあるはずと考えていたため、本屋で関連がありそうな本を探して見つけたもの。 循環のイメージをよりクリアにしたい、とのことで本書を読み始めたけれども、前半はエントロピーという言葉はほとんど出てこず、生物学的な基本的な構造の説明が主だったため、門外漢の私にはなかなか入り込めなかった。 これは買う本を間違えたかな、と少し思いつつも読み進めると、後半、前半で読んだことが一気につながって、最後には

          生命、循環とエントロピー 『エントロピーから読み解く生物学: めぐりめぐむ わきあがる生命』(佐藤 直樹)

          車輪の再発明とリアリティ 『空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙』(前川淳)

          珠玉の数理エッセイ集 著名な折紙作家であり、天文観測のエンジニアでもある著者によるエッセイ集。 折り紙と幾何学にまつわるすばらしいエッセイが詰まっていて、あと数篇未読のものがあるが読み終わるのがもったいない。 著者の引き出しは折り紙と天文学のみならず歴史や文学、絵画など幅広く好奇心に満ち、教養の深さを感じさせるが、それでいて謙虚で落ち着いた人柄を感じさせる文章。このような本を純粋に読み物として楽しむのは久しぶりかもしれない。 車輪の再発明とリアリティ この本は昨年の

          車輪の再発明とリアリティ 『空想の補助線――幾何学、折り紙、ときどき宇宙』(前川淳)

          青少年のための科学の祭典 日置市大会

          青少年のための科学の祭典 日置市大会に出展してきました。 →オノケン│太田則宏建築事務所 » 青少年のための科学の祭典 日置市大会(1/20)に出展します。 小中学生が来場予定とのことで、小学校の高学年以上の子を想定して、折り紙と幾何学の面白さを伝える資料をみっちり作ったのですが、実際は幼児から小学校低学年くらいの子が多かったです。 折り紙の難易度は少し高めでしたが、それでも何とか皆さん完成できました。何かしら持ち帰ってもらえてたら嬉しいです。 今回の展示用に製作した

          青少年のための科学の祭典 日置市大会

          青少年のための科学の祭典 日置市大会(1/20)に出展します。

          来週の土曜日(1月20日)に青少年のための科学の祭典 日置市大会に出展します。 開催日時 : 1月20日(土)9:30~15:30 会場   : 日置市中央公民館 (日置市伊集院町郡1丁目100番地) テンダーさんにお誘いいただいての共同出展で、テンダーさんは「ドームと幾何学」、私は「折り紙と幾何学」をテーマにして準備中。 全力投球しすぎた気もしますが、折り紙や数学に興味を持って、それを生きる力にしてくれる子が一人でもいてくれたらいいな。 お子さんと一緒に是非いらして

          青少年のための科学の祭典 日置市大会(1/20)に出展します。

          あらゆる循環を司るもの 『エントロピー (FOR BEGINNERSシリーズ 29) 』(藤田 祐幸,槌田 敦,村上 寛人)

          こちらも少し前にテンダーさんにお借りしたもの。 若い頃に読んだ同シリーズの本がうまく読めなかったことと、なんとなくエントロピーという概念の射程距離を掴みそこねていたこと(エクセルギーの本を読んで分かっていたはずなのに!)もあって、しばらく手をつけていなかったのだけど、読んでみたらまぎれもない名著だった。 昨日、大きめの本屋に行って、エントロピー関連の本を一通り開いてみたけれども、これを超える本は見当たらなかった(それでも2冊ほど購入)。 ある部分において理解の深まる本だっ

          あらゆる循環を司るもの 『エントロピー (FOR BEGINNERSシリーズ 29) 』(藤田 祐幸,槌田 敦,村上 寛人)

          2023年まとめと2024年の指針 遊ぶように生き、遊ぶようにつくるを実践する

          少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 昨年に引き続き、昨年1年間で考えたことを1枚の紙にまとめてみました。 →昨年の2022年振り返り記事 →2023matome,pdf 2023年振り返り 昨年の行動指針は「遊ぶように生き、遊ぶようにつくる」でした。 また、考えることとして ・環境という言葉に対し、足場となるような自分の言葉を見つけ、思想、理論、技術、直感のサイクルをまわすこと。 ・これまで考えてきたことと、環境に対する考え方の接点を見出し、統合する

          2023年まとめと2024年の指針 遊ぶように生き、遊ぶようにつくるを実践する

          個人のテーマをどこに絞るべきか 『世界を壊す金融資本主義』(ジャン・ペイルルヴァッド)

          現在のテーマに沿って図書館で借りてきたもの。 資本主義とは何か?をテーマに設定してから間もないが、早くもこのテーマ事態に限界を感じつつある。 私たちはこの資本主義に対しては無力すぎるのではないか。テーマが大きすぎるのではないか。 仮にそうだとするならば、それでも自分たちにはどんなスタンスをとりうるのか、というところにテーマを絞らざるを得ないのではないか。 今回は、自分が資本主義に対して無知であり、かつ無力である、というところから率直に感じたことを書いてみたい。 (そんなこ

          個人のテーマをどこに絞るべきか 『世界を壊す金融資本主義』(ジャン・ペイルルヴァッド)

          資本主義を使いこなすことは可能か 『資本主義の中心で、資本主義を変える』(清水 大吾)

          資本主義を知るためには、資本主義の中心にいる人の考えも知る必要があると思い、本屋でタイトル買いしたもの。 著者は外資系証券会社であるゴールドマン・サックスで16年間勤め、その内部で資本主義を変えることに奔走した方で、資本主義の現在地を知るためにはうってつけの著書かもしれない。 結論を先に書くと、ある部分での解像度は上がったと思うが、「成長せねばならないという前提がどこから来ているか」「資本主義を使いこなすことは可能か」という問いに関してはもやもやとしたものが残ってしまった

          資本主義を使いこなすことは可能か 『資本主義の中心で、資本主義を変える』(清水 大吾)