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わざわざICEでベルリンに行く


ベルリン、ドイツの首都でドイツなのにドイツっぽくない街。
個人的にはそう感じています。今回は友達と会うために、そんな不思議な街までICE(ドイツの高速鉄道)で行った話をしたいと思います。

少し私事ですが、電車に乗る時は音楽を聴きながら車窓を眺めているのが好きで、この道中でも例に漏れずポケ〜と過ごしていました。今回はもっぱら車窓を眺めながら、のんびりひと息をついたり、食堂車でお腹を満たしたりというただひたすらにまったりとした記事となります。

そうだ、ベルリンまで電車で行こう!

GoogleMapより抜粋

私の住んでいるフライブルクからベルリンに行く方法は電車かバス、飛行機の三つです。ただ、どれも絶妙なことにバスは10時間もかかるし、ICEは9時間、飛行機は高く、空港までもが絶妙に遠いです。
ちなみにフライブルクからベルリンまでは800kmほどで、だいたい東京青森間の距離と同じくらいです。

今回はICE(Inter City Express)というドイツの高速特急を利用してベルリンへ向かうわけですが、やはり日本の新幹線と比べると遅く感じてしまいます。
もちろん一部区間は300km/hで走行するようなものはありますが、到着駅付近の線路は在来線と共用であったり、進行方向を切り替えて走り直したりとなかなかにボトルネックがあるため新幹線のような速さは実現が不可能なのが現状です。
実際に東京青森は東北新幹線で最速3時間なのに対して、それに相当するフライブルク・ベルリン間は7時間です。ハンブルク・ミュンヘンのように高速線がある路線でも6時間となります。
やはりそうなるとICEはドイツの”新幹線”というよりは”在来線特急”に思えてしまいます。


早朝発のICEしか安くない……

フライブルク5:42発のICEということもあり、この購入当時の値段は35.9€とかなりお買い得でした。ちなみにこの1時間後に出発するICEは60€と一気に値段が跳ね上がります。おそらくビジネス需要とかそんな理由なのでしょう。にしても2倍は流石に気が引けます。

個人的にこのダイナミックプライシングは好きではあるのですが、こういう差額を見ると日本の新幹線のように需要に左右されない定額の切符というのは絶対的な安心があるので、少し悩ましいところではありますね。(繁忙期の増額は高が知れているので省略)
ただ、安い値段に慣れてしまうと定価の切符を買った時に少し損をした気分になる弊害もありますが……


さて当日は、朝の4時に起きて駅まで向かうことに。

私の家はフライブルクの郊外の街なため、駅までは自転車で来ました。
本来は30分ほどで着きますが、道中ではドイツの秋特有の霧が出ていて徐行したため40分ほどかかりました。初めて自転車にもフォグライトが欲しいと感じました。

写真はありませんが、霧の中を自転車で走ると少し異世界に来たというか、少し不安な世界に飛び込んだ感じになります。途中ハリネズミを轢きそうになるなどのハプニングはありましたが、無事に駅に着きます。

Freiburg (Im Breisgau) Hbf

Freiburg Hbf構内

夏とかであれば、すでに明るいですがもう6時を超えないと周りは明るくなりません。それにもかかわらず、こんな朝早くからたくさんの人がいるんですね。
ハンブルクであれば一本で行ける夜行電車もあるのですが、ベルリン行きはないため、必然的にこの時間に集まるのでしょうか。

ちなみにこのハンブルクに行く夜行列車はナイトジェットという寝台列車とドイツ鉄道のICが連結した変態編成であり、ICには寝台は無いというなかなかに攻めた運用です。
この百鬼夜行のような夜行ICのことを個人的に”ドイツの急行はなます”といて言っています。

ナイトジェット、ちなみにこの客車は最高速度200km/hも出せるアホ仕様

ナイトジェット(Night Jet)
ÖBB(Österreich Bundes Bahn /オーストリア国鉄)の運営する夜行寝台列車の名称。チューリッヒ・ハンブルク間のようにオーストリアを経由していないものもあるが、基本はウィーンまたはグラーツを中心に寝台列車網を築く。基本的には日本でいうA寝台、B寝台に値する寝台車両に加えて6人コンパーメントタイプの部屋を装備する。

自分の記憶の要約

急行はなます
北海道新幹線が開通するまで青函連絡船の深夜便代わりとして青森札幌間を結んでいた寝台急行。一部の車両にはB寝台は付くものの、大半は座り席というのもあり、多くの人にはそのイメージが強い。
この夜行ICというのは座り席しかなく、長時間かけてスイスはバーゼルからハンブルクまで走破することから、個人的にドイツの急行はなますと呼んでいる。

個人的解釈の要約

ものすごく蛇足した気がしますが、要はベルリンに行くためには朝早く電車に乗るか、ちょっと遅くても飛行機に乗ってちゃっちゃと向かうかが楽ということです。

といってもこのフライブルク駅から約7時間の鉄道旅となるため正直少し遅く起きて飛行機でも良かったのではないかなどと思いますが……

朝イチの便で

今日の長距離便の始発が今回乗るICE474

そうこうしている間に自分の乗るICEの接近放送がかかります。自分の予約した席は進行方向向かって一番前の号車にあるため、そこに向かいます。

上の掲示板にありますが、自分の乗る号車と駅のA、Bなどの乗車目標を照らし合わせると、難なく乗ることができます。
今回は1号車のため、乗車目標Aに向かいます。

左上のCの看板のような形で表示され、乗車目標付近にたむろするのがドイツスタイル


ICE474入線

入線、ICE4での運用

ここフライブルク近郊では最近はもっぱらICE4以外を見ることが少なくなりました。正直これが一番綺麗で快適なので文句はありません。
というのも新しければ、トイレや空調などの設備はそうそう壊れていないだろうという憶測があるためです。


トイレが壊れているという張り紙

ICE4は新しめのモデルなため、例えばですが上のようなトイレが壊れているというようなことには遭遇しにくいため、個人的にはラッキー機種と思っています。と言っても、先日別の便でICE4に乗った際はトイレの洗面所の蛇口から水が出ませんでしたが……(100%何かしらから避けられるわけではないので……)

加えて速度は265km/hまでのため少し遅いのが玉に瑕ですが、このフライブルク・ベルリン間はほぼ在来線のためほぼ関係ないです。
300km/hを出せるICE3に比べて快適性は良くなっているので、正直今回のようなまったりとした道中であればICE4の方が嬉しいです。


エアフルト付近、ドイツっぽいのっぺりとした風景

この日は朝4時起きということもあり、フランクフルトを折り返したあたりで一度昼寝をすることにしました。まぁ、この昼寝がいいんですよね。
もちろん外は明るいので寝づらいのですが、列車特有の揺れというか走行音みたいなのが心地よいというものです。
何回か起きましたが、この前日は仕事もあったため3度寝をすること2時間ほどでエアフルト近郊で空腹感を覚え目が覚めます。

腹が減った、ブランチだ!!

起きたらエアフルト近郊を走行していました。朝ごはんは軽くパンをつまみましたが、やはり昼も近づいているのでお腹が空きます。
今回はケチらず座席を指定したので、食堂車に行くことにします。
ICEなどドイツの鉄道では指定席でないのであれば誰でも座ることができるという座席となります。そのため、指定席券を持っていない状態で、一度席を外した際に誰かに座られた場合は、もう何もすることができません。
もちろん、友達や隣の人にお願いして座席を確保してもらう方法がありますが、今回はそんな心配もなく食堂車に向かいます。

いざ、食堂車

食堂車、Speisekarteはメニューという意味

実は今回初めて食堂車を利用しました。
日本でもトワイライトエクスプレスを一度利用したこともありますが、直江津で乗って、洞爺湖で降りるという日程だったため、食堂車を使うことは出来ませんでした。
加えてドイツ国内でも、こんな長時間乗ることは今までに数回しか無く、基本は駅のスーパーで買い物をしているため使用していませんでした。

そんなこんなで初めて食堂車でご飯をいただくことにします。

とりあえずご飯とビール!!

カレーブルスト(Curry Wurst)とビール(Helles)

正直ビールが無いとやってられません。決してアル中ではありませんが、結局はビールも水なのでカレーブルスト(カレーソーセージ)と一緒に食べることにします。
ちょうどこの時Hellesというビールの種類のものがセール中だったので通常よりも1€くらい安かったので今回はこれにしました。
このセールみたいなのはICEのWi-Fiで確認することもできますし、DBのWebでも確認することができるので事前にチェックすると良いかもしれません。

食後のもう一杯

もう一杯

セール中というのもあったのでもう一本に手を出してしまいました。
基本的にはPilsというビールの種類しか飲まない私ですが、これを機にHellesのビールを何本か試してみましたが、割と美味しいですね。

言われてみればミュンヘンのオクトバーフェストのビールもHellesを使っていたような気もするので、美味しいに決まってますね。

もうライプチッヒに到着

ライプチッヒ付近にて

ビールを飲みながら車窓を眺めていたら、ライプチッヒ中央駅に入線してしまいます。あと40分ほどでベルリン中央駅に着くということなのでここらへんで切り上げて自分の席に戻ることにします。

帰りがけに食堂車に併設されている売店でビールを一本買って、自分の座席でチビチビと飲んで時間を潰します。

Berlin Hbfに到着

berlin Hbf (Tief)、地階の駅


今回はTief(ドイツ語では深いという意味)に到着。
その名の通り、地下にホームがあるというものです。ベルリン中央駅は1日遊べるほど大きいと聞いていたのですが、パッと見、そんなに大きくはなさそうに見えます。

どことなく大宮駅の川越線・埼京線ホームを空見してしまう

なんかこの上の光景を見ると大宮駅の地下ホームに見えるんですよね。埼京線の新宿方面の先にはこんな感じでトンネルの出口が見えるので、この駅に着いてまず初めに思ったことは大宮駅に似てるなぁーでした。

ただ、友達と会うためにエスカレーターを乗って上の階に行く時このベルリン中央駅の大きさに驚愕します。

はへ??待ってなんかでかい

デカくないか????

Tiefからエスカレーターで一階あがり地階の1階、2階が吹き抜けなのに気づきます。加えてその周りには空き店舗はなく、終いには地階にマックが押し寄せられています。そして左側に見える光に吸い寄せられるように向かいます。

あびゃびゃびゃびゃ??!!!?!?

なんだこれ

下にも電車が通っていて、上にも電車がいて、しかも立体交差してんじゃん!!!
というなんかすごい頭の悪い感想しか出てきません。
そして何よりもびっくりするのはこの人の量です。もちろん新宿とかと比べると圧倒的に少ないですが、ドイツ国内では屈指の人口密度かと思うほど駅に人が溢れていました。

次の電車は5分後に来ます

Sバーンのホームにて

?!?!!?!?!?!??!?!?!?!

次の電車来るの早すぎませんか???????

山手線か??????

正直、度肝を抜かれました。東京では当たり前のように見ていた光景なのに、ドイツでこの光景を見るとこんなにカルチャーショックのようなものを受けるのかと思いました。

もちろんこのSバーン(近郊電車)は行き先が同じものだと10分後とかで、それぞれ違う行き先の電車がひっきりなしに来ているのはわかるのですが、それでも運行本数が異常です。やはり大都市というものはこう、電車の本数も含めて人の流れが活性化しているのだなと感じました。

なんなんだこの駅は

いや、でかいよ

電車の駅でこんな縦(Y軸上)に遠近感がある写真が撮れるのってすごいですね。本当に意味わからんよ。


ALSTOM!!!!

ドイツの駅には良くある広告ですが、ベルリンはALSTOMでした。目下にはSIEMENSの電車が走っているというのに……

そうこうしているうちに友達と合流することができました。
友達も東京みたいな街だと言っていたのでほぼ東京です。リトル東京です。

ということでキリがいいので今回はここで終わりにしようと思います。
ベルリンの観光は酒しか飲んで無いので、割愛して、帰りの話を次回書こうと思います。

ではまた。

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