見出し画像

海外在住者が語る、ポーランドの男女平等と結婚観について

こんにちは、東欧です。明日は祝日(春分の日)なので、少し夜更かしをして記事を書いています。先週、ありがたいことに、山門文治という方に私の記事を特集していただきました。

https://note.com/sazakitoyomu/n/n8a7400a28f62?from=notice

大変嬉しく思います。これもひとえに皆様の日頃のご支援のおかげです、ありがとうございます。私の海外生活での経験が少しでも役に立てばと思います。

さて、今回は男女の平等についてのお話です。こんな記事を読みました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c05be3a5ed60352e7986d61df8f5c60d0f3c20c2

記事によると、男女の収入別で結婚のパターンが異なるということなのです。そして年収の高い女性と低い男性が結婚市場からあぶれがちである、とのことでした。

ちなみに同記事によると、私が住んでいたポーランドという東欧の国は、女性が自分よりも稼いでいない男性を配偶者に選ぶ確率が平均よりも高かった、とのことです。

このように、「結婚ができない社会」「欧米に比べて男女平等が遅れている」などのニュースが日本では溢れています。

じゃ、「実際に欧米はどうなのか?」「日本社会は希望がないならば、何が原因なのか?」というテーマについて、ヨーロッパにて8年間海外生活をした、私なりの視点で解説してゆきたいと思います。


1. 男性と女性の差別は「ほぼ」ない

日本では、コピーを取るとかお茶を汲むとか女性の仕事、女性の社員がやる、というものがあります。そしてバリバリ稼ぐ女性もいますが、特別枠として扱われがちです。実際に、年収が高すぎる女性は、男性から敬遠されてしまうという話を女性の知人から聞いたので、日本においてはよくあるシチュエーションなのでしょう。

冒頭に述べましたが、私が住んでいたポーランドでは、男女の平等は進んでいました。バスの運転手、電車の車掌さん、警察官など、日本では男性的と言われる職業にも半分くらいの割合で女性の姿を見ることができました。

女性の社会進出がしっかり実現できている国では、女性の年収がネックになるという社会問題を論じる風潮すら、ありませんでした。

2. 男性と女性の経済的自立について

ヨーロッパ全体で言えることですが、専業主婦という概念はあまりありません。銀行の出世コースにいる男性や地元の有志などであれば、女性が家庭に入るというケースは見てきましたが、あくまで少数派です。

昔、イギリスに留学していた時に、スペイン人の女性のクラスメートに「東欧は、結婚する気はあるのか?」と聞かれて、私は「あまり自信がない。しっかり稼いで養っていくのはまだ早いかな」と答えました。すると彼女は、「私は、男性がお家で掃除や料理をしてくれれば、それで充分だけど、な」と言いました。

彼女は、「男性に養ってもらおう」という観念が初めからなかったのか、と驚いた記憶があります。

しかし今振り返れば、誘い水だったのかもしれませんね。彼女は今、フランス輸出向けのエスカルゴ農園を営んでいるそうです。「もしかしたら、日本酒を注ぐのではなく、カタツムリを育てる世界線もあったのかな」とニューシネマパラダイスの主人公よろしく、少し懐かしい気持ちになります。

3. お会計時のマナー

元々、私は男性が支払う派でした。そんなに高級な場所には行きませんでしたが、お支払いはこちらがするのがマナーと考えていたからです。

しかしイギリス留学中、イギリス女性とご飯に行った際、お会計の際に、相手の女性に「割り勘にしましょう」とキッパリ言われました。ポーランドでもパートナーがいましたが、あくまで半々で支払っていました。

日本人の海外生活系のブログでよく巷で言われるのは、「奢ろうとすると断られると脈なし」ということですが、迷信です。割り勘でもその方は好意を寄せてくれていました。

私は、日本に帰ってもご飯をご馳走することはありません。一緒にいる時間が楽しいから、話す内容が共感できるから、時間を過ごすのです。このお会計問題は、男性のプライドが根本にある気がします。

4. カソリックの価値観

ポーランドについての男女の結婚への意識はなかなか興味深いです。

まず、両者とも結婚についての意識は日本よりも高いです。日本の場合、収入や生活の安定やキャリアなどを待ってから、家庭を築くというステップを踏みますが、ポーランドの方は女性なら25歳、男性なら30歳までに結婚していたいという思いが皆さんありました。

私は郊外にも首都にも住んでいました。郊外に住んでいたときは、独身の男同士で遊びに行っても、いつかは結婚するから今の内に楽しもう、という刹那的な面もありました。一方、都市部はその点はマイルドですが、プライベートはパートナーと一緒に時間を過ごすことが最上の幸せという考えから、結婚はしないけど配偶者のようなカップルを何人も見てきました。

5. 日本の問題点について

欧米と日本の違いとして、宗教観が大きくあると思います。またこういっては元も子もないのですが、欧米の女性は体格がいいです。175cmの方がいくらでもいます。体力的にも恵まれているので、やはり馬力が出ます。フィジカルな面も日本人の女性と欧米の女性は違うな、と感じることがありました。

それでも日本はこのままでいるのがいいのか?ということのついては勿論NOです。我々の親世代にとって、結婚というのはできて当たり前の世界でした。それをしないという選択肢は個人の自由としてあってもいいですが、ハードルが高すぎてできない日本の現代社会は、私の目には異様に映ります。

若い人への優遇措置もありません。家族や経済的にサポートしてくれる人が居なければ、ラットレースに乗り続けなければいけないのは、幸福度という概念からかけ離れています。

インフレになり、日経株価も1000円値上がりしましたが、それでも我々庶民の生活にはあまり好影響をもたらしてるとは言えません。

元在住で、男女共に結婚の選択が比較的自由だった環境にいた身としては、「もう少し生きやすい世の中にならないだろうか」と考えさせれます。

本日は以上となります。お読みいただきありがとうございます。よろしければ、いいね、フォローをよろしくお願いします。(画像:ウクライナ、オデッサのオペラ劇場)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?