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アーサー王伝説


アーサー王伝説

 英国のアーサー王伝説を紹介した本です。

 アーサー王にまつわる伝説は、膨大にあります。細かいものまで拾っていたら、きりがありません。
 本書は、有名な伝説ばかりを、まとめて紹介しています。アーサー王伝説の初心者に、優しい作りですね。

 ただ、本書の論の展開には、強引なところがあります。すべて肯定できる論の立て方では、ありません。

 例えば、本書は、「アーサー王実在説」を、強力に推しています。
 けれども、誰もが納得できる証拠が挙げられているかといえば、まったく、そんなことはありません。

 アーサー王の実在について、二〇一二年現在では、はなはだ怪しいとされています。
 本書の日本語版が出たのは、一九八三年です。この頃に比べれば、アーサー王伝説の研究は、進んでいます。
 一九八三年当時では、仕方ない部分もあります。

 そういった部分を差し置けば、本書は、アーサー王伝説の入門書に良いでしょう(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はしがき

I ブリテン王アーサー
  実在のアーサー
  ケルト伝説のアーサー
  コーンウォルの猪

II アーサー王と円卓の騎士
  石にささった剣
  円卓とその騎士たち
  ランスロット、ガウェイン、トリストラム
  マーリンとモーガン・ル・フェイ

III 聖杯の探求
  漁夫王の城
  アリマテアのヨセフ
  パーシヴァルと聖杯
  ギャラハッドの勝利
  グラストンベリー伝説

IV アーサーの死
  ランスロットとギネヴィア王妃
  モルドレッドの裏切り
  終幕 アーサーの死

付録I 「ブリテンの話」
付録II ウェストン女史とA・E・ウェイト
原注
参考文献
訳者解説 中世の森と城のロマンス



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