見出し画像

図説 アーサー王伝説物語


図説 アーサー王伝説物語

 英国のアーサー王伝説について、解説した本です。
 類書は、多いですね。その中でも、本書は、よく整理されたほうだと思います(^^)

 アーサー王伝説は、とても入り組んだ伝説の集まりです。そのために、全貌を理解するのが難しいです。
 本書は、そんなアーサー王伝説を読み解くのに、たいへん役に立ちます(^^)

 物語としてのアーサー王伝説を読みたい方は、本書ではなく、別の本を選ぶべきですね。
 本書は、物語を紹介してはいますが、あくまで解説書です。「アーサー王伝説を、いくらか聞いたことはあるものの、詳しくは知らない」くらいの人が、ちょうどいい対象だと思います。

 本書は、アーサー王実在説に立っています。
 とはいえ、「伝説のとおりのアーサー王が、実在した」と主張しているわけではありません。「モデルになった人物がいた」と主張しています。

 本書によれば、アーサー王のモデルになった人物は、複数いました。
 その主張が妥当かどうかは、読み手の判断に任されています。私は、比較的、妥当ではないかと感じました。

 しかし、アーサー王伝説は、実在のモデルをはるかに超えて、発展してゆきます。
 本書を読めば、アーサー王伝説が「成長」してゆくさまを、見ることができるでしょう。
 アーサー王ばかりでなく、魔術師マーリン、妖姫モルガン、王妃グウィネヴィア、円卓の騎士たちなどの登場人物も、どのように伝説の中に入り込み、どのように広がりを持ったのか、わかります(^^)

 本書の魅力は、わかりやすい解説だけではありません。
 アーサー王伝説に関わる図版を、たっぷり見ることができます。多くのページに、美しいカラーの図版があり、伝説の世界に、浸ることができます(^^)

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき  テリー・ジョーンズ

第1章 アーサー王の登場
第2章 戦いの王アーサー
第3章 竜の王国
第4章 石の中の剣
第5章 国王アーサー
第6章 魔術師マーリン
第7章 妖姫モルガン
第8章 湖の姫
第9章 エクスカリバー
第10章 カメロットと円卓
第11章 グウィネヴィアとラーンスロット
第12章 聖杯の探究
第13章 最後の戦い
第14章 アヴァロンの島
第15章 かつての王、そして未来の王

訳者あとがき
アーサー王関係年表+参考文献
索引



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?