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小学校の先生の採用倍率が3倍を切っている件

▼小学校の教員の採用試験に限らず、倍率が3倍を切ったら、その合格者に求められる最低限のレベルが保てない。今まさに、日本の小学校がそういうレベルになっている、という話。以前も小誌で紹介したが、あらためて報道されたので、紹介する。

2021年3月26日付日本経済新聞から。

〈教員の採用倍率「危険水域」/小学校2.7倍過去最低、質に不安/35人学級で必要数増加〉

▼この記事は、この見出しで、ほぼすべてが語られている。とくにひどい例として、長崎県の例が挙げられている。

長崎県は、小学校教員の採用試験の倍率が、なんと1.4倍だった。47都道府県の中で最下位。

▼倍率が低くなった原因は、筆者としてはまず、給料が低い、ということを挙げておきたい。

働く環境が劣悪だ、ということも、もちろん原因の一つだ。

▼これは、学校の問題である、ということは、親の問題でもあり、つまり社会の問題である。

教師は、教育の技術者だが、それだけではない。学校教育は、偏差値を高めるための知識の切り売りの場だ、と見なす親が増えれば、現状は悪化するだろう。

コロナ禍で、学校教育が激変している。「教育者を尊敬する文化」をつくる取り組みが必要だ。

▼この問題については、小学校に限らないが、文部科学省が提唱してすっかり有名になった〈#教師のバトン〉をツイッターで検索するのがいい。文科省が想定していたものとまったく異なる声ばかりが殺到しており、とても興味深い現象になっている。

試みに、さっき検索したものをいくつか引用しておく。

〈メルモちゃん @Mermo_____ 4月11日 彼氏も教師ですが、昨日一緒に寝ていると夜中突然バッと起きておかしい様子だったから「どうした?!」って聞いたら「明日の部活行きたくない...」って泣きながらポロッと一言。 試合+審判で、審判の講習も自費、審判のための靴や服、小物まで自費。そして無給。 #教師のバトン

〈sts_jhst @007_U_Craig 4月10日 #教師のバトン  昨夜,隣の初任の先生が20時過ぎに突然泣き出した。「早く帰りたいのにやらなきゃいけないことが終わらなくて…」って。1時間かけて月曜日の流れをゆっくり確認した。21時半に帰った。こんな状況でも部活動の顧問を強要される。教職の魅力を伝えられない。〉

〈kaoru @kaoru13375786 4月10日 #教師のバトン  死産をした同僚。体も心もボロボロ。しばらく休んでほしいというのが人の心。でも管理職が言ったのは「赤ちゃんいないから、育休は使えないよね。産んだ?んだから早く復帰してもらわないといけない。かわりの講師はこない。」"心ない"とはまさにこのこと。怖い職場だと思った。〉

〈ゆ〜ひ @TAYPMnDPE8Qlce1 4月8日 この春、教員辞めました。残業100時間なんて、当たり前。それが当たり前だから、誰も改善しようなんて気づきもしない。夜7時から、自分の本当にやりたい明日の授業の準備が始め、深夜12時半、12時間後には給食食べてる時間やなー、と思いながら学校閉めて帰る…そんな日々#教師のバトン〉

〈みさわ妊婦@働き方を変えたい @chQDE4IUiGMLKi2 4月9日 ああ、もう疲れた、、、、夫は相変わらず22時すぎないと帰ってこないし、今日なんて23時すぎるって。でももうそれも仕方ないと理解できるくらい私の学校も忙しくて。昨日何時に帰った?と担任に聞くと0時です…って。どの学校ももう、こんな状況でしか学校回せないなんて狂ってる。#教師のバトン〉

(2021年4月15日)

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