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「女の子」はIT業界で働こうと思うのに「女性」はIT業界で働かない件

▼これまでIT関係で働こうと思ったことがなかったからか、まったく気づかなかったのだが、IT業界は深刻な男社会のようだ。

それは、必ずしも「IT社会」の問題ではなく、「日本社会」の問題である、という仕組みについて、2020年10月18日付の朝日新聞を読んで考えさせられた。

ITで女子が社会変える/いま子どもたちは テックガールズ1〉三島あずさ記者。

〈9月末の日曜日。パソコンの画面越しに、女子高校生4人と、20~40代の女性5人が集まった。

 IT分野におけるジェンダー格差解消をめざす一般社団法人「Waffle(ワッフル)」が、女子中高生に、ホームページ作成に必要なHTMLやCSSなどのコードの書き方を教えるオンライン講座「ワッフルキャンプ」だ。

 Waffle代表の田中沙弥果さん(29)は、「戦闘ゲームの血は派手に描かれるのに、生理の血はなぜタブー視されるのか」と疑問を抱いた米国の少女2人が、タブーを打ち破ろうと、敵をタンポンで撃退するゲームを作ったエピソードを紹介。「彼女たちのように、テクノロジーで社会の何かを変えたいという思いをカタチにしていこう」と呼びかけ、5時間のキャンプが始まった。〉

▼面白い冒頭だ。この記事には解説記事が付いていて、それを読んで考えさせられた。

ジェンダー格差 技術社会に悪影響〉という見出しで、各種データを列挙している。

文部科学省の学校基本調査(2019年度)によると、大学(学部)の学生数は女性が45.4%を占めるが、工学系の学科では15.4%にとどまる。

 また、経済協力開発機構(OECD)の15歳を対象にした18年の学習到達度調査で、数学的・科学的リテラシーの習熟度レベル上位層のうち「30歳で技術者や科学者として働いていること」を期待する女子は約30人に1人だった(男子は約10人に1人)

 こうした傾向は日本に限らない。米国の団体「Girls Who Code」によると、コンピューターサイエンスに興味のある女子は、小学生では60%を超えるのに、中高生で半減。大学生になると割合が1桁にまで落ち込むという。〉

▼知らなかった。Waffle代表の田中沙弥果氏いわく「メディアや周りの大人の『ITは男性のもの』という固定観念が、10代女性の選択に影響し、女性の志望が減るという社会的な問題が背景にある。経済や行政などあらゆる分野でテクノロジーは切り離せず、このままでは社会の基盤を男性中心でつくる状況が続く」という。

▼アメリカの調査が重要だ。小学生の女の子の6割がコンピューターサイエンスに興味があるのに、大学生になると1割を切るというのだ。なぜ?

メディアや周りの大人の『ITは男性のもの』という固定観念が、10代女性の選択に影響し、女性の志望が減るという社会的な問題」そのものが、これまで問題視されてきたのか。筆者が意識していなかっただけか。

政治家とか、社長とか、管理職とか、医学生とかの男女の割合に加えて、IT業界の男女の割合も筆者の視界に入った。この「社会的な問題」について、もっとくわしく知りたいと思った。

(2020年11月4日)

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