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ポジティブな未来を想像しよう

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P.F.ドラッカーの「すでに起こった未来」という言葉に準えながら、テクノロジーの進化について綴っています。主に生成AIで遊ぶマガジンです。
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記事一覧

振り子は必ず揺り戻す

山口アーツ&クラフツ2024に行ってきました。 山口アーツ&クラフツは、山口在住のクラフトアーティストを中心に2006年から継続的に開催されている老舗イベントです。毎年この時期になると150組以上のクラフト、アート作家が全国から山口市へ集まります。 量販店はお目にかかれない、独特の個性を持ったモノたちと出会える機会として、毎年とても楽しみにしています。 アーツ&クラフツのルーツであるデザイン運動アーツ&クラフツのルーツとなっているアーツ・アンド・クラフツ運動(Arts

わかりあえなさを受け入れる

先週あたりから、生成AIが物理領域に進出しつつあるという記事が、立て続けにリリースされるようになりました。 「まさかの」と見出しが付けられていますが、これは既定路線でしょう。 ソフトウェアの分野で生成AIが発展すれば、プログラムで動作するハードウェアに生成AIが組み込まれるようになるのは「すでに起こった未来」です。 ロボット側から見る生成AI活用のメリットロボットの制御にはプログラムが利用されています。 ロボットに行動を教えるためのロボットティーチングは、以下の4パタ

在りて無ければ

前回の投稿で、Midjourneyの絵柄が一致しない問題は改善されつつあるが、まだあまりうまく機能していないと書きました。 なんとその2日後に、同一人物が生成できる新機能「Character Reference」がリリースされました。ありがとう、君を待ってた! 以下概要です。 早速試してみましょう。 Character Referenceを試してみたまずは、前回の投稿に掲載した「扱いがむずかしい後輩」のイメージを使ってテストしてみます。 -‐cw の効果を確認するた

未来のヒントは過去にある

立春を過ぎて、ほのかに春の気配が感じられ始めました。 中国の戦国時代(紀元前4世紀)に発明された二十四節気(にじゅうしせっき)では、季節を春夏秋冬で4等分に仕分けをし、1年を12の「節気」と12の「中気」に分類します。 立春の前日は「季節を分ける」という意味で節分と呼ばれ、季節の変わり目に生じる邪気(鬼)を追い払うための行事が恒例となっています。 世界は180年周期で繰り返すという思想多くの人は年始に1年の計画を立てることでしょう。企業は3~10年スパンで中長期経営計画

クリエイティブの無人化

大晦日です。 進化したMidjourney v6は年越しそばも生成できるようになりました。 v5.2と比較すると、目覚ましい進歩です。 2023年元旦の投稿で、誰もがデジタルクリエイターになれる時代が到来したと書きました。今年最後の投稿となる今回は、この一年を通してクリエイティブ界隈がどれだけ変化したのかを書いてみます。 誰もが無料でクリエイターになれるまずは、無料で使えるグラフィックデザインツールCanvaの台頭について。 2019年から2023年までのCanva

自分のなかの多様性

Midjourney v6モデルのアルファ版が公開されました。 v6はどのような点が進化したのでしょうか? より長いプロンプトを正確にフォロー 一貫性とモデルの知識の向上 画像プロンプトとリミックスモードの改善 軽度のテキスト描画能力(テキストを「引用符」で記述) アップスケーラー(解像度が2倍になる)が改良され「繊細(Subtle)」モードと「クリエイティブ(Sreative)」モードの2種類が追加 分かりやすく大きなアップデートは、テキストが描画できるように

作業は自動化できる

「Content Marketing Day 2023」開催中です! すっかり告知が遅くなり、会期は今日の23:59までですがまだ間に合います! 「学び、育ち、つながり、新しい冒険をAIと。~AI時代のコンテンツマーケティング~」と題されているとおり、ライブ配信を含めて全セッションのうち82%でAIに関するテーマが掲げられていて、マーケティング業界にも生成AIが大きなインパクトを与えていることが分かります。 マーケティング業界での生成AI活用事例マーケティング業界のなか

永遠には続かない

良いことも、悪いことも、それが永遠に続くことはありません。 ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。変わらないように見えても変化しないものなど何ひとつなく、すべては常に変化していて、やがて滅んでいく。無常という仏教の根本思想です。 ですが、人はつい現在と同じ状況がこれから先もずっと続くと考えてしまいがちです。そんなことがあるはずはないと分かっていながら、現在の延長で将来を考えている人は多いのではないでしょうか。 人間には変化を嫌う性質があるわたしたち人間の心

無意味だからこそ価値がある

相変わらず毎日TikTokを定点観測しているのですが、最近は科目三というダンスにハマっています。 誇張なく100回以上は再生したと思います。 中毒性がすごい笑 广西科目三が気になり過ぎて調べてみた#科目三 #科目三舞蹈 などのハッシュタグを付けて投稿されているこれらのダンスの起源は、广西科目三というインターネット・ミームらしいです。 中国の広西チワン族自治区で行われた、とあるカップルの結婚式の動画がインターネット上で共有されたことが事の始まりです。広西の結婚式では、新郎

雷に打たれる日は来ない

前回紹介した、ガートナー社の2023年のハイプ・サイクルの記事のなかに、創発的AI(emergent AI)という気になるキーワードが登場します。 創発(emergence)とは、部分の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることです。複数の相互作用が複雑に重なり合い、個別の要素からは予測できないような全体像を構築することを指します。 シロアリの塚は、自然界における創発の一例です。一匹のアリはとても小さく、意志を持って計画的に行動することはできません。しかし、複数

プロンプト時代の波に乗れ

コネチカット州スタンフォードを拠点として、IT分野の調査・助言を提供するガートナー社は、新技術に対する市場の評価をハイプ・サイクルという独自の図表を用いて発表しています。 ハイプ・サイクルとは、新しいテクノロジーの登場によって生じる過度の興奮や誇張(hype、ハイプ)、そしてそれに続く失望を、下記のようなグラフで表したものです。 ハイプ・サイクルの仕組みハイプ・サイクルには5つのフェーズがあります。 多くのテクノロジーは過度な期待を持って迎えられ、期待以上の成果が得られ

誰も雇われない時代

デジハリのライブ授業のために、リモートワークに関する最近の動向を調べてみたのですが、いろいろ考えさせられました。 出社という形態をとらず、遠隔で仕事をすることを指して、リモートワークやテレワークと呼ばれることが多いです。ノマドワークなんて言葉も一時期流行りましたが、今はあまり使われなくなった気がします。 テレワークという言葉の出自は意外と古く、南カルフォニア大学のIT研究者であるジャック・ニールズが1973年に作った造語だそうです。 リモートワークとテレワークはほぼ同義

どうしたって時間がかかる

夏季休暇です。 お正月以来でしょうか、何の予定もない三連休を迎えて、さてどう過ごそうかと考えています。 仕事をしているときは「休みが欲しい!」と切実に思っていたはずが、いざ何をしてもよい時間ができると、何をしたらよいか分からなくなるという、典型的な仕事人間です。 ただ、最近は画像生成AIという新しい趣味ができたので、Midjourneyの沼にどっぷりハマって遊ぼうと思います。生成するぞー。 好きなものが分からない人たち先日、大学の先生が「自分が好きなものが分からない、

生成!生成!また生成!

ジェネレーティブAIのセミナー依頼が増えてきました。 6月・7月と2ヶ月連続でChatGPTのセミナーを実施し、今は画像生成AIのセミナー資料を作成中です。セミナー後に参加者から個別研修を依頼されるケースもあり、関心度の高さが感じ取れます。 とはいえ、社会実装されてまだ1年足らずのサービスです。私もまだまだ手探りで、皆さんと一緒に勉強しているという状態です。 AIは対話ができる優秀なアシスタントChatGPTのセミナーでは、今のところ「始めかた」「使い方と活用事例」「使