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福岡を拠点に、歴史学と郷土史を発信しています。

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    福岡在住の光山忠良が連載する、福岡市の過去・現在・未来。

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    光山忠良の旅行記です。

最近の記事

長崎・大阪、活版印刷の旅

2024年4月18日に長崎市、19日に大阪市に仕事で行ったのだが、どさくさに紛れて博物館めぐりもしてしまった。題して「長崎・大阪、活版印刷の旅」です。 長崎市編福岡市天神からバスで2時間あまり、長崎駅前に着いた。そこから徒歩15分ほどで長崎歴史文化博物館に着く。長崎奉行所をイメージしているのだろうか、近世城郭を思わせるつくりだ。 エントランスホールにはでっかく坂本龍馬像。亀山社中をつくった坂本龍馬をたたえたいには分かるが、長崎を代表する人物が、土佐の坂本龍馬というのもなん

    • ヨーロッパの「魔女狩り」の誤解

      私は一応西洋史を専攻したが、「魔女狩り」に対してとんでもない誤解をしていた。今回は池上俊一『魔女狩りのヨーロッパ史』に基づいて、私の先入観を解いていこうと思う。 魔女狩りというと暗黒の中世期に起こったと思われがちであるが、魔女狩りが蔓延したのは、16世紀後半~17世紀前半である。近世の幕開けともいえる宗教改革、活版印刷の普及、世俗国家権力の勃興などは、魔女という迷信を打ち消したのではなく、むしろ流布し、強化し、制度化したのである。この時期に5~6万人が魔女として処刑された。

      • 讃岐高松・丸亀の旅

        展示会取材前日の4月4日、先乗りして讃岐高松と丸亀に乗り込んだゾ。 高松朝7時半に博多駅を出発、岡山から特急で瀬戸大橋を渡り、午前中には四国高松に着いた。 実は私は小学校2年から4年まで高松に住んでいた。当時は岡山から宇野まで電車で、そこから高松築港まで連絡船で行っていたものじゃった。松本清張の小説みたい。今は瀬戸大橋で10分もすれば四国へ渡れる。 高松駅から徒歩数分で高松城に着く。こんな一人旅にやさしい観光地って、ほかにあるだろうか。 高松城は玉藻城とも言われていて

        • 久留米歴史散策

          本日はお日柄もよく、ふらっと久留米まで行ってきたよ。 最寄りの大橋駅から西鉄大牟田線特急でわずか2駅24分、西鉄久留米駅からJR久留米駅までもバスで10分程度。あっというまに筑後の国・久留米にやってきた。 JR久留米駅水天宮口っていうんだから、水天宮まで徒歩数分、これまたすぐに目的地の水天宮に着く。 東京では地下鉄水天宮前駅チカにある水天宮が有名で、「情け有馬の水天宮」なんて洒落が江戸時代からあるのだけれども、総本宮はここ久留米の水天宮で、江戸の水天宮は、あまりに総本宮に

        長崎・大阪、活版印刷の旅

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          国会図書館に行ってきた

          私は図書館が好きだ。 村上春樹の小説のようにメタファーとして図書館が好きなのではなくて、単に数多くの本に出会え、探している情報を仕入れられるからだ。 とはいえ市民図書館は児童書や一般書ばかりなので、本気で資料を漁るときは、東京にいた時は広尾の都立中央図書館、福岡の時は福岡市総合図書館を利用している。印刷業界に関しては東京・新富の印刷図書館である。 ところが今回、「月刊マーチャンダイジング」という雑誌を探すことになったのだが、どこにもない。というわけで今回、上京した機会に、思い

          国会図書館に行ってきた

          インド概説

          中国は日本の歴史に深いかかわりを持ってきたがゆえに、その近現代史についても比較的学んだ記憶がある。国共内戦とか文化革命とか天安門事件とか。しかしインドについてはよう知らん。というわけで、ざっくりインドの現代史をみなさんと学ぼうと思う。 インドはアーリア人が原住民のドラヴィダ人を駆逐したと学んだような気がするが、現代のインドは南インドに追いやられたドラヴィダ系インド人の方が教育水準が高く、治安もよく、バンガロールやハイデラバードなどのIT集積地も擁している。 よく知られている

          インド概説

          今さらながらのミラン・クンデラ追悼

          チェコの作家ミラン・クンデラが亡くなったのを、最近、小さな書店の書評コーナーで知った。大型書店でもそんなに大きな扱いではなかったのかもしれない。それとも私が文学に無頓着になったからかもしれない。おそらく両方だろう。 クンデラといえば『存在の耐えられない軽さ』で有名であり、私が文学部に在籍していた頃はジュリエット・ビノシュ主演の映画とともにとても持て囃されていた。私も同作は読んだし、デビュー作の『冗談』から比較的最近の『無意味の祝祭』までを読んだ。しかし記憶が朧げなのは、私にと

          今さらながらのミラン・クンデラ追悼

          キンドル出版の今昔

          キンドル・ダイレクト・パブリッシング(KDP)で3冊のペーパーバックを2023年6月に出版して4カ月、ようやく銀行口座に最初のロイヤリティが入金された。数万円であるがまあほっとしたし、嬉しかった。 入金までに4カ月もたったのは紆余曲折がある。そもそもキンドル・ダイレクト・パブリッシングは月末締め翌々月末払いであり、最短でも売上が発生してから60日後にしか入金されない。そんなことも調べもしないで、毎月末銀行に記帳に行って「おかしいな、入金されてないな」ともやもやしていたのである

          キンドル出版の今昔

          ビートルズのアビイ・ロードについて

          私は音楽は好きですが、機微のある方ではなく、ポピュラーな曲を特にこだわりもなく聴いています。10代はBOOWYとかユニコーン、20代は小沢健二などの渋谷系の一方でNIRVANAなどのグランジロックにはまったこともありましたが、今では気紛れにspotifyに溜めた曲を聴くくらいです。米津玄師とか、斉藤和義とか。 例外はビートルズかなあ。特に彼らの事実上最後のアルバム、「アビイ・ロード」は熱心に聴いてきたし、聴いてます。私は音楽通でもないし、彼らのバックグラウンドなんてまるで知ら

          ビートルズのアビイ・ロードについて

          なぜ印刷会社がコーヒー牛乳を作っているのか

          解説しよう!紙製で筒状の飲料容器を見たことがあるとしたら、それはほぼ間違いなく、トッパングループの千葉県袖ケ浦工場で作られている。紙製で筒状の飲料容器「カートカン」はトッパンの日本国内の専売特許だからだ。なんで飲料容器を印刷会社が作っているのという素朴なご質問についてお答えすると、もちろん容器の外装の印刷を行っていることもあるが、それ以上に内側のバリアフィルムというフィルムを製造、貼り合わせしているからだ。バリアフィルムを内側に貼らなければ、中身の飲料はあっという間に腐ってし

          なぜ印刷会社がコーヒー牛乳を作っているのか

          キンドルで本を出版したところ講演依頼が来た話

          私は2004年から15年間、印刷業界新聞記者やフリーライターをしていた過去があるが、現在はしがない一事業主である。それでも書きたいことが次々と思い浮かび、「note」にて執筆活動を継続してきた。そしてある程度原稿がたまったところで、キンドル出版(KDP)にてペーパーバックを出版してきた。『愛ゆえの福岡市』 『とりとめのない歴史』などがそれである。 ところが、売れない。郷土史家としても歴史ライターとしてもまったく無名の私の本を、親戚や友人以外に誰が買ってくれるだろうか。いや、

          キンドルで本を出版したところ講演依頼が来た話

          らたいがしぶいぶしがいたら(回文)『またたび浴びたタマ』(村上春樹)より。回文だけで本を書くところが、ふざけた作家と思われるところなんでしょうな。ハルキストより。

          らたいがしぶいぶしがいたら(回文)『またたび浴びたタマ』(村上春樹)より。回文だけで本を書くところが、ふざけた作家と思われるところなんでしょうな。ハルキストより。

          2年前に中古車売ったのだが、やっぱりビッグモーター怪しかったな。と言ってもどこもかしこも怪しげだったが。。。https://note.com/oyamadak/n/na4618ca31ab3

          2年前に中古車売ったのだが、やっぱりビッグモーター怪しかったな。と言ってもどこもかしこも怪しげだったが。。。https://note.com/oyamadak/n/na4618ca31ab3

          幻の「大坂幕府」構想

          それは綱渡りの勝利だった。 徳川秀忠隊3万8000余の遅参により、関ケ原における東軍の前線部隊3万強のうち、徳川の主力部隊は6000余人しかいなかった。 結果的には勝ったのだからよかったではないかと言われると、そうではない。戦後処理において西軍の諸大名から没収した632万石のうち、実に80%強にあたる520万石を関ケ原で活躍した豊臣系大名に与えなければならなかったのである。例えば福島正則には安芸・備後約50万石という破格の厚遇を用意したのだが、それでも家康側は不服に思われ

          幻の「大坂幕府」構想

          日帰り兵庫県の旅

          今まで生真面目に歴史エッセイを書いてきましたが、今後はブログ的にnoteを使おうかなと思います。そういったユーザさんがほとんどのようですし。 私は右翼でも過激思想家でもないのですが、3月に「尊王攘夷の旅」を行った際、行きそびれてしまった神戸市の湊川神社に行こうと思い立ち、今日日帰りで行ってきました。湊川の戦いで自害した楠木正成公の墓があり、明治になって神社になった地ですが、水戸学の祖とも言える徳川光圀公が、半ば強引に楠公の墓を立てたのですな。 博多駅から新神戸駅に降り立ち

          日帰り兵庫県の旅

          【暴露系noter?】有名人の思い出

          私は業界紙の記者だったこともあり、いろんな有名人にお目にかかりもした。オフレコに抵触しない限りで、有名人とのエピソードを話したいと思う。(敬称略、肩書は当時。小池栄子編、宮崎あおい編、青山真治編、柴田元幸編はリンクの通り) 浜田幸一(コメンテーター) 大学1年生のころ東大の本郷キャンパス近くの歩道を歩いていたところ、ボディガード付きの浜田幸一に出くわした。テレビ映りどおりの人相だったので、思わず指を指して「あっハマコーだ」と叫んだら、「よう、東大生」といって腹を殴られた。こ

          【暴露系noter?】有名人の思い出