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新品の悪さ、中古の良さ


新品の靴が嫌いだ。普段ふれることの少ない皮膚の薄いところがスリスリされて数分で靴擦れするかもしれない予感と、新しすぎるシューズが着なれた服に合わなすぎて浮いている。

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そして、新品なものの多くは、第一印象が100点過ぎる人と同じように、減点方式で、「あっ、汚れた」「あっ、傷ついた」「あっ」「あっ」と、新品を保とうとする私がショックを受ける。


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中古のものはその点、上手く髪をカットしてもらえた次の日のように最初から馴染んでいて「これ買ったんだ!いいでしょ」感がない。そんなの持ってたっけ感。「アイツ意外と良いやつなんだってさー」感。「髪切った?」とタモさん的に、切ってても、切ってなくても、どうでもいいゆるい感じで聞かれるくらいだ。


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じゃぁ、中古の新品ってなんかあんのかな?って、思った時にアートってのは、それに近いかもしれない。誰かのハンドメイド&新品だからいいって訳でも、古いからいいってわけでもない世界。だけど、それが中古みたいな感じで扱われることはそんなにない。そしたら職人だってそーじゃんかって感じだけど、職人のは完璧が壊れてしまえば中古感がする。アートも壊れてしまうけど、それすらアートならば「だってアートだもん。」と、言えそうな気がする。デュシャンの大ガラスも、割れてしまったことでもっと良くなったんだもんね。

食べ物だけは中古っぽかったらやばいっすね、センパイ。マジ、卍。ペットボトルのキャップはそのためにあると聞くから、人間ってのはひどく面白いもんだ。




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