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8.【神社公園】

【アッチノ世界】では、我が家を中心に様々な場所へ繋がっている。
これは感覚的にアタシがそう思っているだけなので、確かではないけれど。

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そんな我が家の周りには、大きく分けて三本の分かれ道が伸びている。
配置図だと、夕暮れの六丁目の周りにある矢印。
その中の左側にある道を歩いていくと、大きな木が見えてくる。
そのまま木を目指して進んでいくと、道が砂利道に変わっていって、神社と公園が合体したような場所に辿り着く。

そこは現実の世界にもある小さな古い公園で、近所では【神社公園】と呼ばれている。
でも、アッチノ世界では、やっぱり普通じゃなかった。

ある日の夢では――
アタシは神社公園の近くの道に立っていた。
早朝なのか、辺りが見えないぐらい朝靄が広がっていた。
見渡していると、神社公園の方から子供の笑う声と何かが聴こえる。
声のする方へ向かうと、神社公園の前に広がるちょっとした広場に子供の姿が見えた。
笑い声と一緒に聴こえていたのは、ラジオ体操の音楽。
音は聴こえるのに、ラジオや音を流すモノはどこにも見当たらない。

子供達は全く気にならないのか、音楽に合わせて楽しそうに体操をしている。
なぜかみんな不思議なお面をつけていた。
白い長方形のお面には、赤い墨で描かれた笑い顔。
それぞれ異なる笑顔。

アタシは離れたところでボーっと見ていたら、手に何かが触れて下を向くと、小さな子供がアタシの手を握っていた。
その子供だけ白い狐のようなお面をつけていた。

「狐?」

思わずそう問いかけた。
子供は何も答えず、アタシの顔を見上げながら首を傾げた瞬間、目が覚めた。



また違うある日の夢では――

やっぱり神社公園の近くに立っていた。
今度は朝ではなく夜だった。
ガヤガヤとした人の話し声と太鼓の音が鳴り響いていて、神社公園の辺りが明るく光っている。

気になってそっちへ向ってみると、子供達が体操をしていた広場と神社公園の間にある砂利道に、縁日の屋台が並んでいた。
屋台の前にはたくさんの子供や大人がいて、ゆらゆらと残像を残しながらゆっくりと動いている。
どの人の顔にも、やっぱりあの不思議なお面がつけられていた。

ラジオ体操の時と同じように、太鼓の音はするのに太鼓は見当たらない。
現実の世界では、 砂利道を真っ直ぐ向かった先でお祭りが開かれる。
良いのか悪いのか、その場所は円形の墓地の中。

太鼓はそこにあるのかもしれない。

そう思って墓地の方へ向かってみた。
徐々に近づいて見えてきたモノ。
それは丸い墓地ではなく、森のようにも見えるたくさんの木だった。

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あるはずの場所には、見たことの無い下りの坂道が続いていた。
トンネルのように木に囲まれている。
先がどうなっているのかも見えない坂道を下りようとした瞬間、後ろから鈴の音が聴こえて、振り返ると目が覚めた。

あの時、そのまま坂道を下りていたら、
どうなっていたんだろう。

そんな夢でした。


別サイト初回掲載日:2010年 11月05日


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