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社会的ニーズが低い事務職に人気が集まる日本社会の不思議

私は全く理解できないのですが、日本社会においては事務職のニーズがかなり高い。
確かにどの企業にも一定数事務職は必要だと思います。接客対応や資料の提出など事務職がやるべき仕事はそれなりにある。
けれども、今は企業全体として業務のIT化が進んでおり、事務職の需要は低くなっています。
これからも、テクノロジーによって人間がやる仕事、特にマニュアル化された仕事は減っていくでしょうから、事務職のニーズは落ちていくでしょう。

事務職の社会的ニーズは落ちている。
それにもかかわらず、日本社会においてはいまだに根強い人気を誇っています。
冒頭でも述べましたが、私にはまったく理解できない。
高倍率の中、事務職として採用されたとしても、これからの社会的需要が落ちていく以上、給料が上がることはありません。
需要がない職種である以上、将来的に会社のコストカットの対象にされる可能性も高いです。

事務職をこなしていく過程で簿記の勉強をして経理の知識が身についたり、パソコンに触れているうちにエクセルでVBAを使いこなせるようになった、とかなら話は別ですが、基本的に毎日「事務」の仕事をしていても状況が好転することはありません。

事務職はIT化が進んだ現代社会においては絶滅の危機(絶滅はしないでしょうが)の危機にある仕事なんですよね。

おそらく、事務職が「とりあえず菓子を食いながらパソコンをいじり、電話や来客があればたまに対応し、そして定時に帰ることができる。ゆるい」的なイメージ(SNSを見ているとそういう考えの人が多い)があるから人気なのだと思いますが、既に述べた通り事務職は衰退していく一方です。
だから、「菓子を食いながらパソコンをいじり仕事をする」かどうかは知りませんが、そのような状態は長く続かないのは厳然たる事実でしょう。

社会的ニーズが低い事務職が人気になる一方で、物流業界、介護、農業、漁業系など私たちの生活に必要不可欠な仕事は人手不足が深刻な状態にあります。
将来的に激減するであろう仕事に人が集まり、将来的に維持しなくてはいけない仕事に人が集まらない。
このままだと、「トラック運転手がいないので商品が届かない、高齢者は誰も介護しない、畑なんてほったらかし、魚!?そんなもん自分で釣れ!」という秩序が崩壊した社会に日本はなるでしょう。
そういう意味では真に自給自足的な社会だと言えますが、その一方でなんだかよくわからない仕事をたくさんの人がやっている(事務職に限らず。胡散臭いコンサルとかJTCの窓際族とか)という歪な状態になる可能性があります。

私としては事務職やわけのわからない仕事を会社に雇われてやるぐらいだったら、起業して自分の好きなことでビジネスをしたほうがいいと思のですが。
しかし、「ラクしたい。でも雇われて安定した生活を送りたい」という姑息な考えをする大日本人が多いがゆえ、事務職始めよくわからない仕事をする人が会社に雇われ、今日も今日とて働いているのが今日の日本。

事務職は一定数必要だと思います。
けれども数自体は減っていくので、社会的ニーズのあるスキル(経理やIT)をつけたり、物流業界や農業、漁業、介護の仕事をしたほうが国全体としては良いでしょう。

社会的ニーズが低い仕事に人が集まるのは良い状態ではありません。
この状況が早く変わることを願うばかりです。





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