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6/17金:遅刻による災難にはフードファイトを。

今日の午後は、研究打ち合わせのためにとある研究所に出張してきた。

本当は余裕を持って家を出て、ゆっくりお昼ご飯を食べてから電車に乗ろうと思ったのだが、考え事をしていたら出発が少し遅れてしまった。だから、途中の乗換駅で一旦降りて、短時間で昼食を食べてから再度電車に乗ることにした。

電車の時間を調べると、食事に使える時間が思いの外短いことがわかった。そこで、乗換駅に到着するまでの間に、どこで昼食を取るか、どのようなルートで行って戻って電車に乗るかを徹底的に脳内シミュレーションしてから臨んだ。

私は少食ではあるが、食べるのに時間がかかるタイプなので、いかにこの短時間で食事を終え、再度電車に乗車するかは重要案件なのである。電車を降りてから再度乗車するまでの間で、私にとって最も時間がかかるのは当然食事を摂取している間の時間なので、それ以外の時間をいかに短くできるかがカギだ。

だから、電車を降りたら、最短距離でまっすぐに食事処に向かい、なるべく早く食事を済ませた上で、再び最短距離でまっすぐ次の乗車口へ向かう算段だった。そして、食事処としては、注文してから食事が出てくるまでの時間が圧倒的に短い牛丼屋が最適だろう。

うん、これしかない。そうしていよいよ電車を降り、私は脳内シミュレーション通りのルートを得意の早歩きで進み、牛丼屋へと向かった。

しかし、そのルートを歩いている途中に、フードコートに通りかかった。

ここで、私の脳内に別のアイディアが現れた。

牛丼屋より近い今この場で即座に食事を注文し、席を探しやすいフードコート内で食事を取れば、より余裕を持って食事ができ、次の乗車口への歩行時間も短縮できるのではないか?

そこで急遽作戦を変更し、フードコート内のハンバーガー屋でハンバーガー1つとポテトSを注文した。

が、これが大いなる誤算だった。

ハンバーガー屋の受け取り口に近く、かつ次の乗車口へのルートにも近い席を確保してハンバーガーの完成を待っていたのだが、待てども待てども手元のブザーが鳴らない。

乗車予定時刻の13時27分に対して、時刻は既に13時15分に迫っていた。

ハンバーガーと言えど、私がそれを適切に体内に入れ込むには7分以上かかってしまうだろう。次の乗車口までは得意の早歩きを駆使しても4分はかかってしまう。これでは間に合わない、もし予定の電車に乗り遅れれば、大幅な遅刻で先方にご迷惑をおかけしてしまう(研究所が少し外れにあるから、電車の本数が少ないのだ)。

そうして焦っていたところへ、ようやく手元のブザーが鳴った。このとき、時刻は13時17分だった。残りの10分間でハンバーガーとポテトを体内に入れた上で電車に乗らなければならない。

ここから、私の人生においてもごく稀に見るフードファイトが始まった。作りたてで熱々のハンバーガーを、味わうこともできずに口の中に押し込む。

あぁ、本当はもっとおいしく食べたかったのに。途中まで戦ってみたものの、やはり私にはフードファイトは向いていない。どう頑張ってもポテトまで食べ切るのは不可能だ。この時点で、ハンバーガーに加えてポテトまで頼んだ当時の自分自身に腹が立った。

ハンバーガーを咀嚼する間も、最善策を取るために脳内をフル回転させ、とにかくハンバーガーだけは何とか完食してポテトはやむなく電車に持ち込むしかないと判断し、いち早く席を立てるように荷物を片付けた。

そうして何とかハンバーガーを食べ切った時点で13時23分であった。

ここまで頑張った自分を褒めてあげたい気持ちに浸る暇もなく、私は席を立って乗車口へと向かった。私はどんなに急いでいても絶対に走ることはしたくないという謎の美学を持っているのだが、このときばかりは走らざるを得なかった。

ポテトが入った小袋を片手に結構なスピードで走っているスーツの大人って、なんかダサいなぁと思う客観的な脳内の自分を頭の隅に追いやり、何とか乗車ホームについたとき、予定の電車が出発する直前であった。

そして、ドアが閉まる直前にギリギリで車内に滑り込み、事なきを得たのである。

こうして、思わずではあるが、自分の出発遅れから生み出された災難に対して、自分が勝手に決めた制約条件の範囲内で最適な行動を取るという、先日のブログに書いたことを久しぶりに実行した1日だった。

基本的にこうした災難は好きではないのだが、こうして頭を使って(大したことないが)状況を切り抜ける感覚は嫌いではない。

ちょっと応援したいな、と思ってくださったそこのあなた。その気持ちを私に届けてくれませんか。応援メッセージを、コメントかサポートにぜひよろしくお願いします。 これからも、より精神的に豊かで幸福感のある社会の一助になれるように挑戦していきます。