☑︎地域ではたらく「風の人」という新しい選択

私には何冊か、読むとお腹が痛くなる本がある。それはお話の中に入り込み過ぎて、怒りや悔しさが腹の底から煮えくりかえるかのような痛みと、衝撃や感動(いや、動揺に近いかもしれない)で手先が震え出す痛みの二種類がある。

何気なく図書館で手に取ったこの本は、そのどちらでもない焦りと安堵の入り混じったなんとも言えない気持ち悪さを残してくれたような。

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あまりFacebookで本の話題を出すことがないのですが、たまたまお名前を知っている方の本だったが故に、何気なく手にとってしまったが最後、ますます吐き気をもようしております。
それは教科書で読んだ夏目漱石先生の神経衰弱に近い、精神的な痛みからくるもののような気がしてやみません。

それは何故か。答えは薄々感づいております。
私がこれからぶつかるであろう壁を先に見せられたような気がしたからです。

私が今でも時間を割いて会いたいと思う人は殆どが島根で出会った人たちです。
全く興味のない看護に入って、ずっと見えない何かに縛られながら、「私は教育の仕事に就きたい」そう当時のだっぴプロジェクトでの新入生歓迎会で話したそのすぐ後のこと。「自分も島根の出身で、こんな面白い人がいて、ぺらちゃんのやりたいことに近い人がいるんだけどどう?」そんな声をかけてくれた先輩がいました。周りはみんな頑張って!と言ってくれる中、その先輩だけは「一緒に頑張ろ。自分も協力するよ」そう言ってくれました。
それからも校内で会えば、ぺらちゃん!最近どう?と声をかけてくれ、看護大変じゃない?と気にかけてくれ、もう死にかけ寸前だった時にも、はい!と思わず言ってしまっていました。

成人式にも行かず、前撮りもせず、とにかく地元の人間に会いたくないと思っていた時も、「また出雲に帰るから、呑んでだらだら話しましょうよ」そうメッセージをくれたのも、県外に出た幼稚園からの地元の友達でした。

大学一年生の時に参加した岡山での教育だっぴで出会った、のちのしまねだっぴメンバーもそういえば島根出身だったり、ルーツがあったりしちゃっています。(今だから言えるのだけれど、あのメンバーに初めて会った時、直感でこの人たちとはきっと、ずっと一緒に何かしめしめと密かな企みを続けるんやろうなと感じた。むしろ、イベントよりもその時のワクワクの方が印象に残っておる。)

私は明石に生まれ、出雲で育ちました。兵庫県の中の都会と、島根の中の都会で育って、田んぼや畑よりもビルや明かりに触れて育ちました。だから、今でもビルや明かりに囲まれていると安心します。
深くまで関わらなくてもそれなりに関係が保ててしまう環境が時に心地良くも感じます。
早く私の知らない大きな街に飛び込みたいと感じることも多々あります。
そんなことなので、正直、地元愛があるかと言われたら、何とも言えません。
けれど、確かに言えることは島根で出会った人のことはきっとこれからも好きでい続けるのかなぁということです。
(地元って自元でもあるのかもね)

少なくとも私はそんな風に思っていようかなと思います。
田舎が好きなら田舎で暮らせばいいし、都会が好きなら都会で暮らせばいい。
合う合わない、好き嫌いはその人が考えて、決めることなのかな…と。
地元に残って!地元を好きになって!一見、その人の視野を広げているように見えて、確信犯的な大人の策略的エゴ意識を感じると、うーん、となってしまうのは、そんな思いが私の中にあるからなのかなと思います。

そうそう、話が変わって、そんでもってどうでもいいのだけれど、先生のキッザニア的な職業体験があったらおもしろいんじゃない?とここ最近、はっ!と思いました。先生のキャリア的なね。
でも、普通のキッザニアと違って、名のなき職業にも就けちゃうみたいな。
「〇〇ができる仕事」とか、「こんな自分になれる仕事」みたいな感じ。先生も普段とは違う仕事で面白い!って思えたら、その体験を聞いた子どもたちがまた、なんかおもろそうやん!って思えたりしたら。なんや、おもろそうやないか。

「価値なきものに価値を」
「輪郭なきものに輪郭を」
私が写真を撮る時に、ちょっと意識しちゃったりしているものです。
輪郭が無いものに、輪郭を浮き上がらせられるような感性を磨き続けたいと思います。

これから自分の中の優先順位パズルを迷い迷いはめ込んでいくのだと思います。その場所が東京なのか島根なのかは今のところ分かりません。
けれど、この間、一年生の時から私を知っている先輩たちと久しぶりに話していて、猪の如く猪突猛進していた私のツノがなくなって、丸く穏やかに成長したとのお言葉をいただきましたので、丸く穏やかに(これや!と思ったら、またツノは生えるで!)関西弁をマスターしようと思います。結局、オチはようわかりませんが、人の手をお借りして、ご縁の力を信じて、自分の直感を信じて、選べたらいいなと思います。そんなこんなでした。


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