☑︎手のひらの京/綿矢りさ
三人姉妹がそれぞれの未来に向かって、踏み出していく。京都を舞台に、流暢な京都弁で描かれる文体は読みやすく、思わず声に出して読みたくなった。
特に印象に残った話は、三女の上京までの過程を描いた場面だ。私自身、山陰を出たことがなく、ましてや東京など考えたことがなかったが、今、上京してみたいという思いが強い。一年だけ。地域や地元というある意味で守られている内にいることが時に窮屈に感じることがある。私の知らない東京という街、私の知らない関東という土地。何故、東京に行きたいのか。やりた