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【採用担当者に届け】エージェントコントロールってなに?を考える。

こんにちは、ペルソナ株式会社の見崎です。

本日はキャリア採用に関わる人事の方は少なくとも一度は聞いたことがあるであろう”エージェントコントロール”について書いていこうと思います。

転職で未経験から人事になった
社内異動で人事になった

そんな方々が4月からの採用活動において苦労しないように、失敗事例を踏まえながらエージェントとどのように付き合うといいのか参考になる読み物になれたら幸いです。


はじめに


いきなりですが、私は”エージェントコントロール”という言葉を使っている人があまり好きではありません。
(会社ではなく、あくまで私の意見)

言葉尻で揚げ足をとりたいわけではないのですが、今から採用を学ぶ採用担当の方々に対して、ぜひ再現性あるエージェントとの良好な関係を築いてもらえたらと思います。

先に私の経歴サマリを記載します。

・大手総合人材紹介会社で法人担当(RA)
・新卒紹介会社での法人担当(RA)
・両面型エージェント事業の立ち上げ(事業立上)
・中小規模の両面型サーチエージェントでのコンサルタント(両面)
・自社の採用活動で人材紹介経験者200名弱との面接経験(採用)
・コンサルタントとして企業側でエージェント商談月十数件(コンサル)

上記のような経験から大手分業型から社長一人だけのエージェントまで
様々な立場から自分で経験・ヒアリングしてきました。その経験をもとに以下を記載しています。


そもそもですが、エージェントコントロールとは人事のどんな業務のことを意味するのでしょうか。

一般的には採用活動における人材紹介会社との取引を活性化させるための行動を指します。

「コントロール」と言うだけあって

  • エージェントの実績管理

  • コミットメントの要求

  • 定期的なレポーティングの指示

など、企業側からエージェントに対しての強いコミュニケーション施策だと考えている人事の方が多い印象です。

エージェントコントロールという主従関係、発注者・受託者の構図を連想させる単語を使っている時点で、私としては短期目線の施策に走っている印象を持ちます。

▼一過性の採用キャンペーンに走ってしまう
期間限定でFeeUPをして、一時的に母集団形成ができたが、その後FeeUPが終わってからまた以前のように推薦が来なくなった。

▼定例MTGをセットしたが、担当者同士が仲良くなっただけ
数字のレポーティングや最新情報を伝える場を設けたつもりが定期的に時間を浪費するだけになっている。

▼紹介数へのコミットメントを要求したが、数字の変化が少ない
人事やRPOが取引エージェントに定期的に本来表に出さない活動履歴の数字のレポートや、デッドラインを引いて紹介数にコミットするように強く要求するが、大手エージェント以外はそこまで数字に変化がない。

上記のようなお話はよく聞きますし、実際目にします。

せっかく時間を割いて取引先とコミュニケーションをはかっているのになぜこのようなことが起きるのでしょうか。

エージェントもビジネスである、そして人である


エージェント側の目線で見てみましょう。

まずエージェントもビジネスを行う営利企業です。
そして成功報酬という特殊な契約形態を取ります。
(※一部着手金からスタートすることもありますが、今回は抜かします)

この成功報酬というのが肝になります。

エージェントは候補者の転職活動の支援、そして入社に至るまでは大袈裟に言えばタダ働きです。

だからこそ

  • 自社の得意領域でご支援のイメージを持てるのか

  • 候補者支援にあたっての十分な情報を開示してもらえるか

  • 候補者が転職したいと思う魅力点はあるのか

といった目線で求人を見ています。

管理部門が得意で、それ以外の職種の候補者とお会いする機会が少ない、会社としても管理部門以外は注力していないエージェントに対して、ひたすらに営業職の推薦を要求しても紹介は見込めません。

さらに、管理部門が得意なエージェントに営業職の求人に関する定例の打ち合わせを設定する、いつまでに何名の方を紹介するか約束を取り付けるようなことをしても、効果は見込めません。

エージェントからすれば企業はお客様。
要望されると完全に断りきれないことも多々あります。

「上司からはその求人に対応するなと言われているけど・・・」
「そんなに言われても紹介できないものは紹介できないんだが・・・」
「会社の評判が悪いのに払拭する情報がないから候補者に話せない・・・」

など、本音ではできない、やれない、やりたくない理由があってもお客様から言われれば断ることをせず双方が無駄な時間を割くことになってしまうのです。

人事からすれば

  • 契約しているんだからやるのが当たり前

  • 困ってるんだから協力してくれるのが普通

  • こんなに魅力的な求人なのになぜやってくれないんだ

  • 商談のときに「頑張ります」と言っていたじゃないか

そう思う気持ちも十分わかります。

自分の苦手領域をちゃんと伝えないエージェントにも非がありますし、職業紹介関連の決まり上、依頼を受けた案件を対応するのはエージェントの責任でもあります。

ただ、【エージェントをコントロールする】スタンスで
コミュニケーションをとる人事だと、上記にあるようなエージェントに対しての不信感を募らせながら強い要求を繰り返すことしかできず、手詰まりになるシーンもたくさん見てきました。

このようなシーンは

  • 自社のセールスでプッシュ型の営業が得意だった人事

  • 大手エージェントから転職してきた人事

  • ネームバリューがある企業からベンチャーに転職した人事

の方々でお見受けすることがあります。

セールスだった方の場合、取引先に対しても強いコミットメントや自社の魅力を語るものの、企業側が伝えたい内容に終始し、候補者の知りたい情報をなかなか伝えることができないパターンで苦しむケースを見てきました。

大手エージェントから転職し人事に転身された方の場合、大手はどんな顧客のどんな職種でも候補者を大量に抱えているため全て対応してきた経験を持ちます。そのため中堅、中小、ブティックのエージェントに対しても大手エージェントと同じ感覚でコミットメントを要求してしまう。
しかし大手以外の人材紹介会社の内情や組織、社内業務フローを理解していないため相手方の事情を加味しないコミュニケーションが目立ち徐々にエージェントが離れていく。

人事経験を持っていても人気企業からベンチャーにきた人事の場合、人気企業はエージェント各社もこぞって対応します。
なぜなら候補者も応募したいと思う企業なので、集客が容易で企業に紹介しやすいからです。そのような人気企業で人事をしていると、エージェントが注力してくれること、紹介が来ることが当たり前になってしまいます。
結果、競合との差別化を図るための施策や情報提供ができないで一方通行のコミュニケーションになっているケースを多々見受けてきました。

コントロールではなく、マネジメントが必要


ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、求人広告、などなど採用手法はいくつもあります。

それでも、人材紹介を完全に排除することは難しいのも現実です。
そして、人事から見たときに一番途中経過がわからない、何をしたらいいのかわからないのも人材紹介だと思います。

どのエージェントも候補者の紹介をしてくれない”塩漬け”にされてしまった求人はありませんか?その場合、必ず理由があります。

その理由の多くが、以下に集約されます。
【自社に合ったエージェントに出会えてない】
【自社に合ったエージェントがどこだか分かっていない】
【エージェント毎に必要な情報を必要なタイミングで渡せていない】

  • エージェントごとにコミュニケーションの記録を残せていますか?

  • 取引先の得意領域を答えられますか?

意外にもエージェントの実績は取りまとめていても、エージェントの得意領域や、打合せの際のネクストアクションの合意内容をちゃんと管理できている人事は少ないのではないでしょうか。

まずは、エージェントの正しい把握から前に進めてみましょう。

エージェントとの打合せでは、

  • 求人要件を説明する

  • 求人内容をヒアリングされて答える

場面が多いと思います。

つまり、人事からエージェントに対して
・どんな求人が一番得意なのか?
・特徴は?
・欲しい情報は?
などのエージェントに関わる詳細な情報を聞く場面は少ないのではないでしょうか。

エージェントの仕組みも同じくです。
商談の場に出ている方が自分で候補者と話すのか、社内の別のコンサルタントが候補者に話すのか、理解できていないケースがほとんどです。

エージェント毎の得意ゾーン・サービスのあり方を理解した上で、双方がメリットのある求人を、相手にとって必要な情報を、必要なタイミングで渡せるように準備する必要があります。

だからこそ、人事は紹介会社の特徴を理解できるように情報を収集し、人事同士でいつでも見れるようにストックしておきましょう。

このように、エージェントコントロールではなくその手前で、エージェントマネジメントが必要です。
マネジメントするのに、相手の情報は必須ですよね。
相手の情報を理解した上で、要求一辺倒のコミュニケーションではなく自社のパートナーを見つけ出し適切に関係を築くことが大事になります。

相手を知らずして、コントロールしようと思っても意味を成さないだけではなく逆効果です。

では、エージェントの情報をどのような観点で整理するのか、エージェント毎にどのようなコミュニケーションが必要なのか、自社に合ったエージェントの探し方とはなど、また機会があれば書いていこうと思います。

本日は以上です。

最後に


ペルソナは、課長〜本部長レイヤーで、人事、内部監査、経理、法務、総務、情報システム部門などの管理系職種を得意とします。

残念ながら時には私の力不足で打合せの場で期待値調整することもありますが、お受けした案件は責任を持ってアプローチしてまいります。

お困りの案件ございましたら貴社にあったエージェントになれますようご支援いたしますのでぜひご連絡下さいませ!

ペルソナ株式会社 見﨑

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#5【中編】ペルソナのカルチャーと人
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