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【陶芸から生まれたきのこ星人】ミカヅキ印 器 製作工房 インタビュー


ミカヅキ印 器 製作工房さんの展示会を、2024年1月31日(水) – 2月12日(月・祝) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、ミカヅキ印 器 製作工房さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


ー 自己紹介をお願いします。

子どものころから絵を描いたり、工作が好きだったので、高校は美術科のある学校に進学して、デッサンやデザイン、油絵、日本画、彫刻などの基本を学びました。伝統的な事柄に興味があり日本画を専攻していましたが、授業の一環で陶芸の時間があって、立体物を作る楽しさに魅力を感じ、何となく将来は窯元に弟子入りしてみたいと思っていました。

美術短大のクラフトデザイン科に進学し、陶芸や染色、金工などを学びましたが、ますます陶芸の楽しさに夢中になり、卒業後、当時非常勤講師で来られてた鮎川 裕樹先生(裕翠窯 ※)の元に弟子入りし、5年ほど修行させていただきました。

その後はアルバイトなどしながら独立して、福岡県久留米市に自分の工房を立ち上げました。今年で12年目になります。

※ 1984年、白石焼(しらいしやき)で有名な佐賀県三養基郡みやき町に、鮎川 裕樹先生が開窯

ー 現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

「器(うつわ)製作工房」と名乗ってるので、最初は食器中心で作っていました。いろいろな場所で作品展をしたり、テーマを決めてグループ展をしたりしているうちに、インテリアとして飾って楽しめるものや、外に飾れるものを作るようになり、世界観が広がりました。

きのこは、最初は私が飾りたくて、売れなくてもいいから欲しいものを作ってみようと思ったのがきっかけです。鍾乳洞で展示会をしたとき、きのこをリアルに作ったら本物に間違えられて嬉しかったです。


△2024年2月に開催の作品展の様子

ー 現在使用している素材で作品をつくる理由を教えてください。

土は自分の頭の中に思い描いてるものを表現するのに、とても最適な役割をしてくれます。きのこや動物を作るときは、信楽(しがらき)の土を使うことが多いです。素朴で温かみが感じられますし、ヒビなどのリスクがほかの粘土に比べたら少ないような気がするので重宝しています。

ケーキなどの白くて滑らかな質感を出したいときは、半磁器粘土(磁器土と陶土を合わせた粘土)を使っています。ヒビなどのリスクは高いですが、頑丈でカッチリした作品に仕上がります。

ー 普段、何からインスピレーションを受けていますか?

いつもアンテナを張り巡らせています。時と場合によるので説明がむずかしいのですが、天から降りてくるようなときもあれば、音楽からイメージが膨らむときもあるし、風景や自然のものなどからインスピレーションをもらうことも多いです。
古いものも好きで、骨董市に行ったり、古い建物やレトロなデザインからアイデアを膨らますこともあります。

ー 影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

子どもの頃に好きだったおもちゃや、郷土玩具の素朴な風合いから影響を受けていると思います。幼い頃にテレビで観ていた人形劇やアニメや歌も、懐かしさの中に新しさも垣間見ることができて、今でも大好きです。

また、「たま」というバンドに出会ってから、こういう大人になりたいと強く憧れを抱いて、自分の好きなものを貫く大切さを学びました。彼らに出会っていなかったら、陶芸の道に進む勇気が無かったかもしれません。

ーバンド「たま」のイチオシ曲を教えてください

【一曲目「らんちう」】
この曲は、たまを好きになったきっかけの曲で、たまのギターの知久さんの曲です。ソロになってからも知久さんのライブでは毎回歌われてます。

【二曲目「鐘の歌」】
これも知久さんの曲ですが歌詞が大好きです。選びに選んでこの二曲になりました。

ー これからどんな作品を作りたいですか?

食器などの生活の役に立つものから、オブジェなどの飾りやアクセサリーなども含めて、日常が少しでも楽しく幸せな気持ちになれるような作品が作れたらと思っております。

特に食器は、使いやすさや厚み、形などが重要になってくるので、その中で自分の持ち味が生かせるような、自分だけにしかできないような作品をつくれるように精進したいと思います。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

「きのこの2階建てのおうちランプ」

きのこをテーマに、毎年個展をしています。その中で「きのこ星人」というキャラクターが誕生し、きのこ星人のおうちを作りはじめたところ、どんどん進化して、二階建てのおうちが出来ました。

きのこ星人は二種類います。きのこを食べたら耳がきのこになっちゃった「うさきのこ星人」と、きのこを食べたらしっぽがきのこになっちゃった「りすきのこ星人」です。指人形になってるので、指にはめて遊べるようになっています。

「きのこのおうちランプ 昭和のお茶の間」

いろいろな「きのこのおうち」をつくりましたが、昭和のお茶の間をイメージしたおうちがいちばん人気物件です。オーダーでも、何個かつくらせていただきました。
鮭をくわえた木彫りの熊は、祖父母の家の木製テレビの上に鎮座していたもので、どうしても再現したいと思っていました。ほかにも、黒電話やちゃぶ台、湯のみ、どら焼きなど、昭和の雰囲気を大切にしてつくりました。

「月の一輪挿し」

「きのこの森の夜空」をテーマに個展をしたときの作品です。うさきのこ星人のふるさとをイメージしました。
月もよくモチーフとして使ってるので、そこにプラスアルファできのこを生やしたり、アクセサリーで使うパーツを取り入れてお星様をぶら下げたりしました。作りながらどんどんアイデアが湧いてきた作品です。
月は空洞になっているので、お花を生けることができます。

ー お客さま、ご来場予定の皆さまにメッセージをお願いします。

このたびは、ミカヅキ印 器 製作工房の作品をご覧いただきありがとうございます。普段は一人でこつこつ、古い小さな小屋で黙々と制作しているので、こんな大都会のキラキラした空間で作品をお披露目できる機会をいただけるなんて夢のようです。

自分が普段作品をつくるときの楽しい気持ちが少しでも伝わり、観ている方もワクワクした楽しい気持ちになっていただけたら幸いです。

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ミカヅキ印 器 製作工房さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは、「きのこ星人」の誕生秘話がお気に入りです。立派なおうちをつくってもらえて、お友達もいて、指人形としてみんなに遊んでもらえる「きのこ星人」たちは、きっと幸せでいっぱいでしょう。

ミカヅキ印 器 製作工房さんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

ミカヅキ印 器 製作工房 展示会

〈会期〉2024年1月31日(水) – 2月12日(月・祝)

〈ミカヅキ印 器 製作工房 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/mikazukijirusi
Instagram https://www.instagram.com/mikazukijirushi

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/

■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/

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