開催中の個展「幾星霜」（会期：2024年1月17日(水) – 1月28日(日)）出展作品について、作者のTAGさんにお聞きしました。

本展の作品の半分は、TAGさんが「生まれ変わったらなりたいもの」を考えて制作しています。
もう半分は、TAGさんが家族や友人に「生まれ変わったらなりたいもの」を聞き、そこから出てきた言葉を基に制作。

「私が生まれ変わったらなりたいものは何だろう」そんなことを考えながら本記事や会場でTAGさんの作品鑑賞をお楽しみいただけたら幸いです！

TAGさんについて知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください！

赤子

TAG「赤ちゃんのりんごのようなぷっくりとしたほっぺを色で、そして丸みのある形は大切に抱っこされている手のひらに沿うように造形しました。丁寧に磨いた表面はしっとりとした赤ちゃんの肌をイメージしています」

猫

TAG「赤ちゃんのそばで眠る猫をイメージした作品です。のんびりとマイペースに生きながらも、本能的に守る対象を理解していると思わせる行動が愛らしい猫。丸まって眠る猫の、形がよくわからなくなってしまっている（いわゆる溶けている）状態を造形で表現しました」

豆

TAG「ひとりっ子で育った私が、兄弟がいたらどんな感じなのかなと想像しながら選んだお豆の兄弟です。仲良し三姉妹かもしれないし、そっくりな三つ子かもしれません」

雲丹

TAG「砂浜に上がった漂着物のウニ殻です。トゲの中は放射状の美しい模様が隠れていることをご存じでしょうか。 ウニは生を全うしないと、この姿になることはできません。そこに私は、なんだか心が惹かれるのです」

磯巾着（イソギンチャク）

TAG「海の中に広がる鮮やかな美しい花。波に揺られ何も考えず漂い、きらきらときらめく水面を仰いでまったりと過ごす日々。かわいらしいちいさな魚たちのおうちになれるのも、イソギンチャクの特権です」

巻貝

TAG「貝にはロマンがたくさんつまっています。大人になってから浜辺で貝ひろいをしていたら、いろんな貝殻を見つけてウキウキしました。 もしも私が貝だったら…生を全うしてもなお、自分の殻をこんなにも楽しんでくれる人がいるのだと思うと、嬉しくてたまりません」

貝

TAG「貝が2つあることに違和感を覚えましたか？貝にはとんでもなくたくさんの種類があります。私は、ひとつに絞ることが出来なかったのです」

星

TAG「初めて満天の星空を見た冬の夜。絵本の中の世界のように幻想的で、夢中で星を見つめました。 薄い雲のレースと深い紺色の夜空をまとって瞬く星は、あまりにも綺麗でした。」

霊

TAG「あの世に行く前に一度経験してみたいのが、『霊』という存在です。そちら側から世界はどのように見えていて、どのように干渉しているのだろう。見えない・感じないから知りたくなってしまう。私にはとても魅力的な存在です。 手に持つ花は鎮魂の意味を込めています。花は差し替えが出来るようになっているので、あなたのお好きな花を持たせることが出来ます」

切株

TAG「私が最終的になりたいものは『木』です。 何百年もかけて大きな木になって、生き物や世界の行く末を見守りたいです。時には、生き物たちが私の茂った木の葉の下で雨宿りをしたり、枝の上で星を見たり、私の枝で暖をとったりするかもしれません。 建材として使ってもらってもよいですし、残った切株には旅人が腰を掛けて休んでくれたらいいなぁなんて思います。 大地に根を張り、ゆっくりのんびりと過ごしたいのです」

マナの木

TAG「マナの木（超自然力を持つ想像上の植物）になりたいという彼女は、マナの木になって人々を見守りたいと言っていました。優しく朗らかで、繊細だけれども強い彼女をこの作品に落とし込みました」

ドングリ

TAG「大きなドングリになりたい！という少年。その突拍子もない答えに、私も思わず笑顔になってしまいました。 小さいものが大きくなるというのは、シンプルで夢にあふれた発想です」

ふくろう

TAG「理系で知的で夜型の彼女は、フクロウに生まれ変わりたいと言っていました。彼女の雰囲気を作品に込めて制作しました。私が木に生まれ変わることができたら、今みたいに夜な夜な話が出来たらいいなと思います」

青い鳥

TAG「何に生まれ変わりたい？と聞くと、彼は『鳥かな？』と言いました。バイク乗りの彼は山林を走るのが好きで、あたたかい季節になると羽を伸ばしに山へ出かけます」

たぬき

TAG「タヌキに生まれ変わりたいという彼女は、巣穴にこもって木の実を食べながらのんびりまったりと過ごしたいと言っていました。巣穴からひょっこり顔を出すかわいらしい姿をイメージして制作しました」

イルカ

TAG「海が好きな彼女は、イルカになりたいと言っていました。たくさんの困難を抱えながらも毎日を強く歩んでいる彼女を応援したい。そんな想いを、力強く進もうとする尾ヒレに込めました」

ウーパールーパー

TAG「のほほんと浮かんでいたり、ぽかんとどこかを見つめている、そんな自由気ままなウーパールーパーになりたい彼。すやすやと気持ちよさそうに眠る、無防備なかわいらしい姿を表現しました」

亀の木

TAG「『亀…そうだ、亀になりたい。のっしのっし陸を歩きながら…。あ！木の生えた亀になりたい！』そのように話していた彼の思いを形にしました。生まれ変わりの『木』を甲羅に生やして、生まれ変わっても一緒にいよう」

風

TAG「『ちょっとキザなことを言ってもいい？風になりたい』と、彼女は言いました。目に見えない風を表現するのは、容易ではありません。見えないのならば感じればいい。そのように考え、風に揺れる木の葉や巻き上げられる小石や苔（コケ）を使い、表現しました」

なにものでもないもの

TAG「『何かになりたいというよりは、消滅したいかも。跡形もなくなって、全く別のものが生まれてほしい！』そう言う彼女の思いを形にするにはどうしたらよいのか、とても悩みました。形にすること自体が違うのではないか、とも思いました。そして考えたのが、消滅している途中の姿。このあとどうなるかは誰も知らなくてよいのです」

桃色の花弁

こちらの作品は、石粉粘土で原型を制作し、シリコンで型取り後、レジンキャストという樹脂で複製、気泡埋めや表面処理を行いエアブラシで一枚一枚塗装されています。

TAG「『亡くなった人のことを思うと、天国でその人の周りに花が舞う』という話から着想を得て、制作しました。お祝いや晴れの日のイメージしています」

水色の花弁

TAG「水色の花弁は、ネモフィラがモチーフの花びら。鎮魂や祈りのイメージで制作しました」

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TAGさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどの作品が心に残りましたか？ぜひコメント欄に感想をお寄せください。TAGさんの作品実物を一堂に鑑賞できる今回の機会、どうぞお見逃しなく。皆さまのお越しを、お待ちしております。

TAG 個展「幾星霜」

〈会期〉2024年1月17日(水) – 1月28日(日)

〈詳細〉https://picaresquejpn.com/tag_exhibition_2024/

〈TAG 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/tagu_san
Instagram https://www.instagram.com/riesesgarden
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【基本営業日時】
*営業　水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休　毎週月火
*会場　Picaresque Gallery
*住所　東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話　070-5273-9561

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■開催中＆過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/

■開催＆開催予定の展示一覧
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