見出し画像

新いろは歌 | 今日の短歌

新いろは歌


いくとせも
ろつゆにぬれし
はをみるも
にほひかぐわし
ほしひかるよる

幾年も|露つゆに濡れし|葉を見るも|匂ひ香し|星光る夜

へいおんな
としをきたいし
ちんもくす
りろせいぜんも
ぬきさしならぬ

平穏な|年を期待し|沈黙す|理路整然も|抜き差しならぬ

るすちゅうに
をんなひとりに
わかれつぐ
かすかにしらむ
よあけまえかな

留守中に|女一人に|別れ告ぐ|微かに白む|夜明け前かな

たそかれに
れんらくありき
そっとしる
つみのいしきが
ねつをおびるも

誰そ彼に|連絡ありき|そっと知る|罪の意識が|熱を帯びるも

なつかしむ
らせんかいだん
むちゃをして
うえへしたへと
ゐかはりながら

懐かしむ|螺旋階段|無茶をして|上へ下へと|居替わりながら

のどかなり
おくのやまみち
くれるとき
やはりいきたい
まがさしただけ

のどかなり|奥の山道|暮れる時|やはり生きたい|魔が差しただけ

けふもまた
ふねんのままで
こうさする
えんもゆかりも
てんのはいざい

今日もまた|不燃のままで|交差する|縁もゆかりも|天の配剤

あんどなく
さらわれてゆき
きぼうきえ
ゆめもうつつも
めそめそなかむ

安堵なく|拐われてゆき|希望消え|夢も現も|めそめそ泣かむ

みえみえの
しがらむうそを
ゑびすさま
ひとりほほえむ
ものをもうさず

見え見えの|しがらむ嘘を|ゑびす様|一人微笑む|物を申さず

せかいなど あたまのなかに
すっぽりと はいってしまう
んんんそうだね

世界など|頭の中に|すっぽりと|入ってしまう|んんんそうだね


この記事が参加している募集

私の作品紹介

今日の短歌

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします