美の奇跡
美というものはまったく奇跡を生み出すものである。美しい女のもつすべての精神的欠陥は、嫌悪の情をもよおさせるかわりに、なにか非常に魅力的なものとなる。
(ゴーゴリ作 [ 横田瑞穂(訳) ] , 「ネフスキイ大通り」、『狂人日記』[ 岩波文庫 ] 所収)
積ん読状態になっていた本をパラパラとめくって、開いたページを読んでみた。
「なるほど」と説得されそうな言葉。
しかし、それは女だけに限ったことだろうか?
ゴーゴリと同じロシア文学のドストエフスキーの「白痴」。
美しい人間を描きたいという、ドストエフスキーの悲願を結晶化させるために執筆された作品だが、主人公ムイシュキン公爵は、精神的欠陥をもつ人物だった。
性別に関わらず、美しい人間を描くためには、精神的な欠陥というものが必要なのだろうか?
たしかに、鋼のメンタルをもつ人物を描いても「美しい!」とは思えないかもしれない。
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