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エッセイ | 古いものとの共存を!




(1) モノは廃れても言葉は残る


#青写真


 「青写真」とは、上の記事(↑)の記事によれば、鉄塩の化学反応によって光が当たった部分が青色に感光されて、光の明暗が青色の濃淡として写るものだそうだ。現在ではあまり使われない技術だが、「青写真を描く」という言葉は今でもよく聞く言葉だ。


#ブラウン管



 テレビのことを「ブラウン管」と言うことは今でもある。


#レコード
#カセット
#CD


 私がまだ小さかった頃は、家にもステレオがあってレコードも聞いていた記憶がある。しかし、CDにとって代わられて、今ではダウンロードして音楽を聞くようになっている。
 けれども、「レコード大賞」は今もレコード大賞であり、モノは廃れてきても、言葉は残っている。

 録音するときに昔よく使われていたカセット。アナログが楽しいためか、一部の人の間ではブームが再来しているらしい。


(2) SL大樹



 日光・鬼怒川地域を走る蒸気機関車のSL大樹
 ご存知の通りSLでは、燃料として石炭が使われていたが、二酸化炭素を削減するために、燃料の一部をバイオ燃料(植物を原料した燃料)に換える実証実験を始めた。国内初の試みだという。

 DL大樹にもバイオ燃料を使えば、合わせて年間150トン以上の二酸化炭素削減を見込めるらしい。

 普通の電車のほうがエコなのだが、機関車のすごいメカっぽいところを残しつ、環境への影響を少なくしようという試みには魅力を感じる。


(3) お菓子


 新しいお菓子は次々と出てくるが、ロングセラーのモノってなんかいいですよね。新しいものも多いですが、昔からある商品を見るとホッとするというか。


むすび


 若い頃は、古い商品と新しい商品とが並んでいたら、新しいほうを選んだりしていたんですけど、この年になると「現状維持バイアス」が強くなったせいか、なんか今まであったもののほうがいいなぁ、なんて思うようになった。

 経済発展というと、技術革新がつづいて、より効率の良い新たな商品を作りつづけることを良しとする風潮があった。その方が、買い換え需要も期待できるしね。もちろん、それを全否定する気持ちはないけれども、高齢化が進む中で、まったく新しいモノに適応しつづけることをしんどく感じる人も増えていくだろうし。

 なんかね、全く新しい形ばかり追い求めるのではなく、今までにあった形を生かしながら改良を加えるという考え方もあっていいかな、と思う。
 
 世の中に新しいモノが登場するときってね、今までにあったものが全部消え失せてしまうということはなくて、効率の悪いものだって併存しながら変わっていくもの。変化が急速すぎると疲れちゃう。

 長く愛されてきたものが、なぜ愛されてきたのかって改めて考えてみると、そこに新たなモノをうみ出すヒントが隠されているようにも思う。全く新しい発想が必ずしも良いとも限らないし。


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