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頑固な私が妊娠中に退職した話。

私は妊娠中に退職した。

前職は派遣で、大手の会社に勤めていた。
別につわりがひどかったわけではないし、
妊娠中に異常があったわけではないので、
できれば産休まで続けたいという気持ちはあった。

でも、一緒にチームで働いていた人から勝手に嫌われており、
その人がまた人として幼稚なため、
「いのぷーの何が嫌なのかわからないけど嫌」
「こんな態度を取ってはいけないことはわかってるけど取ってしまう」
「自分がどうしていいかわからない」
というとてもワガママを発揮された。

私はその人への要求は
「社会人として必要最低限の態度を取っていただきたい」
だった。
もう30過ぎて、いろんな人から人間関係で気を使われたくなかった。
だから、周りにそういう関係がバレないように、
社会人として「おはようございます」「お先に失礼します」と
たったそれだけでも会話できればそれでよかった。

しかし、その人はそれすらも拒否してきた。
その人のことはAさんとしよう。

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私は新卒で入った会社はアパレルで販売員だった。
百貨店に入っている40代女性をターゲットにしているようなブランドだったので
一緒に働くスタッフも先輩が多く、
何より新宿の大きいお店で働いていたのに
5年も一番下で修業させられる羽目になったのはなかなか稀有な存在だったと思う。

販売員時代はいろんな人とたくさん働いてきているので、
自分の中では経験値が高いと思っている。
チーム競技のように、協調性を求められる。
チームで年間予算という目標に向かって、ひたすら走っていた。

だから、ショップメンバーはどんなに嫌いあっていても、
どんなに悪口を陰で言ってたとしても、
「おはようございます」「お先に失礼します」
くらいは言ってたし、
もちろんお客様の前では仲良しそうにするし、
作業の指示もちゃんとする。

私は6年目から後輩を指導する立場になった。
5人ショップで3番手だった。
私の中では、あのメンバーで3番手できるのは私しかいない!
と自負している。
ちょっと問題がある人もいたし、新入社員もいた。

あのときから私は、
自分は中間管理職みたいに一緒に働くチームの中でバランスをとるのが得意なんだ
と、そう思っている。

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だから私はAさんとも、何となくうまくやれると思っていた。

入社してすぐ、
なんだかライバル視してるのか、私を見下してるのか・・・
とにかく性格に難がある人だなってことはすぐわかった。

私ももう30過ぎている。
どんなにめんどくさい人だったとしても
その人の悪口は言ってはいけない、
その人に負けてはいけない、
その人のせいで仕事を辞めたくない・・・

だから、どんな嫌なことをされても
いつも同じ態度で接するよう努めてきた。
私は派遣社員だし、派遣先の上司に迷惑をかけたくなかった。

しかし、結果的に私のこの態度が仇となってしまった。

私が妊娠してから、派遣先の上司は体調を大変気遣ってくれた。
だから、Aさんの態度で私がストレスをためることは、
おなかの子によくないから・・・
そう言って、最終的に座席まで変えてくれた。
席替えの際はたいていみんなにメールされるのに
私たちの席替えはこっそりだった。

あいさつも一切なしでOK、業務連絡も上司を挟んでOK、
さらに席替えまでして一切顔を合わせないようにしてくれる・・・
至れり尽くせりが私には心苦しかった。

派遣なのにこんなにしてもらって・・・
もう30過ぎているのにこんなに迷惑をかけてしまっている・・・
私はチームのバランスを取って働くのが得意だと思っていたのに・・・

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妊娠がわかって少し経ち、秋になったころ、
私は年内で退職する決意をした。

産休に入れるのは3月。
その前に有給を消化しても2/10くらいまでは働かなきゃいけない。
これ以上、派遣先の上司に気を使われるくらいなら、
早く辞めて、最後の一人の時間を楽しみたい。
そう思ったからだ。

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その後、仲良くしてくださっていた派遣先の社員さんには
「向こうが顔合わせたくないっていうんだから徹底的にそうすればいいんだよ」
「日本語が通じない人なんだから、それでいいのに」
「いのぷーのほうが年上なんだから、年下のAさんにあえて合わせてるって感じにすればいいのに。そのほうが余裕あるように見えるよ」

私には目から鱗の考え方だった。
自分がどれだけ頑固で視野が狭い考え方を持っていたのか、
自分が得意だと思っていたことができなかったときに
柔軟な対応ができなかった。

それがわかったとき、とても悔しかった。
もし私がそういう対応を取っていてもAさんの対応が変わるとは思わないけど、
もしかしたら私の気持ちは違ったかもしれない。
もっと図々しく、産休まで働かせてもらおうって思えたかもしれない。

今後、仕事するときには
大人としてもっと幅広い対応力ができるようになりたい。
今後の教訓になった1年半だった。


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