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胸に大きな裂け目があって
何度か繕ってはみたものの
いつかはほころびが出来て
血潮に染まった糸が垂れる
針の通る様は痛々しいのに
どこかでそれを望んでいて
裁縫道具は優しい色のまま
指ぬきには鈴蘭が彫られて
真っ白な絹糸は束ねた姿で
まだ何も知らない夜のなか

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