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中途半端なことならばやらない方が良い。それはスイーツだけではない。

今朝、noteでも記事を拝見しているヤマシタさんのツイートを見かける。

これ、私もそう思います。

ちょっとヤマシタさんの目線とは違うけど

うちの会社は喫茶を併設している。
コーヒー豆を焙煎する会社なので、基本はコーヒー豆販売なのだが
どうせなら豆を選ぶとき迷ったら飲めるようにして、なおかつお客さんがちょっと寛げたらいいよね。
焙煎しているんだから、自分たちでコーヒーを淹れてコーヒー豆を手渡したい。

そんな想いで店を作った。

喫茶ならばスイーツも必要だろう、とメニューの内容は
仕入れたもの3種類、自家製3種類(変動アリで今は2種類)。

なぜ仕入れたものを使っているかというと、うちのコーヒーを原料に作っているスイーツだということと、コーヒーと相性が抜群に合うスイーツだからだ。

そもそも、我々の業務はコーヒーの焙煎、卸業務があるため
スイーツだランチだをしっかり仕込む時間がない。
そして、なにより我々2人ともパティシエでも料理人でもない(仕事未経験)。

そんな人間が中途半端にスイーツを作るくらいなら、周りには素晴らしいパティシエや料理人がいるのだから
下手なもの出すよりその人たちが作ったものを出した方が良くね?
下手なもの出すくらいならやらない方が良くね?

そう考える。
拘ったコーヒーには、拘った本物のスイーツを。
コーヒーのペアリングフードを提案するのは我々の仕事だけど、何もそれを自分たちで作る必要はない

確かに原価率や利幅を考えると自家製の方がいい。
ちなみに自家製の3品のうち1つは、仕入れているパティシエにレシピを教えてもらったスコーンだ。
こればかりは相方が作ってくれていて、実は一番評判が良かったりもする。
あとはコーヒーソフトクリームと、コーヒーゼリー。
どちらにせよ、仕込むにそこまで手間も時間もかからないものだ。

作り込むスイーツは、専門に任せればいい。

そしてクオリティの高いものを揃えることで、「コーヒー専門店」としてあれるのだ。

コーヒーとケーキを召し上がったお客様が、コーヒー豆を買い、そのケーキ屋さんでケーキを買う。
そうすると店で食べたものが家庭でも再現できる。

そういうちょっとした贅沢を提供、提案する。

それをすることで、うちのお客様はそのケーキ屋さんに行き、
今度はケーキ屋さんがお客様にうちのコーヒーを紹介してくれる。良い循環、そんな関係性が成り立つのだ。

下手に何かを作り中途半端に出すことは、それを専門としている方々の領域に土足で踏み込むような気がするし、失礼だと思う。

だから、お客様に「ランチはないの?」「ランチやったら?」と言われるけれど、やらないを貫き6年目。
水曜日だけ例外で、めちゃうまいタイ料理の料理人がランチをやってくれるのだが
なによりもうちはコーヒー屋なのだ。

食後のスイーツと同じくらい重要なものがある。食後のコーヒーだ。

ランチだとセットドリンクとしてついていることが多い。
これが、ごめんなさいだけど「あちゃー」というものが多いような気が、、、する。

セットドリンクとなると、そのコーヒーの仕入れ値が安価になるのは致し方ないのかもしれないが
せっかく至福だったランチが最悪な終焉を迎えるなんてこともある。

なら、出さなきゃいいのに。

と思ってしまう。ごめんなさい。

弊社でコーヒーを依頼された場合、そこのお店に出向きお料理をいただくか、オーナーやシェフと打ち合わせをし、どのようなコーヒーの味がいいか話し合う。

イタリアンならエスプレッソが多いし、和食や西洋懐石料理、ステーキ屋、レストラン、バー、カフェや喫茶店のランチメニューなどなど。
それぞれ料理のジャンルによって提案するコーヒーは変わる。

かつて銀座のステーキ屋さんとは、何種類もサンプルを作っては送り
納得がいくまで意見のすり合わせをした。

忙しいランチタイムなどに手を煩わせず美味しいコーヒーを提供するための器具や機械、コーヒーの挽き目や包装の仕様までしっかりとシミュレーションし考える。

こだわりの味を、コーヒーが台無しにしてはならない。
そのお店のお客様の満足度を上げるために、そのお店の料理を最高なものとして締めくくるためのお手伝いをするために我々はいるのだ。

お客様が満足な表情で帰っていく。それを見送るスタッフの方々の顔。
その光景を想像し、ブレンドやコーヒーを作り出すことは我々の喜びだ。

もし「あちゃー」に出会ってしまったら
こっそり教えてください(笑)

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