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2023/1/5(金)

3連休1日目。
それでも仕事の時間より早く目が覚める。きっと、昨日取引先から怒鳴られた衝撃と先輩からのカミングアウトが影響しているんだと思う。
浴室乾燥させている洗濯物を取り込んで畳み、帰省の為の荷造りをしていると、ようやく外が明るくなりはじめた。
母が出来る限り早く帰ってきなさいと言うものだから、7時には家を出ることにした。早いねぇ、と言った張本人が驚き、急いで支度するね、とメッセージを送ってきた。毒親持ちの皆さんは私の気苦労をお判りくださることだろう。
今住んでいる賃貸マンションは駅まで近く、一本で新幹線に乗れる好立地にある。スイスイと駅に着き、お土産コーナーでウロチョロして最適な物を選出する。

私がレジで支払っていると、私のすぐ右横に、大きなキャリーケースが置いてあった。私は動転して、「店員さん大変です、前の方がキャリーケースを忘れてしまっているかも」と言うと、おじさんがスッと現れて、「これ、僕のです」と言われて我に帰った。
お会計を済ませ、そのおじさんに「すみませんでした」と謝りレジを出ようとすると、店員さんに呼び止められた。私は購入した品を置き去りにしていた。もうだめだ、と思った。日常的な動作でさえ、私はボロ雑巾のように衰えている。これで健常者と言えるのであろうか。

新幹線に乗るのはいつぶりだろうか。今の会社に入ってから、帰省できた事がなかった。ずっと会社の業務を第一に考え優先し、その結果給料で生活レベルは上がったが、1番大切だった彼を失った。

帰省から戻った頃、蛭ちゃんが届く事になっている。私は、新しく1番大切な個体を手に入れるんだ。共存しようね、と、まだ対面していない蛭ちゃんに心の中で語りかける。

新幹線を降りると、母が待ち構えていた。車で神社へ向かい、そこに売られていた玄関に置く用のアメジストを物色する。
さすが田舎の老舗で、店員さんが真向かいの建物に居るから用があれば声掛けてくださいとの張り紙があるのみで、ゆっくり選びじっくり考える事ができた。

店員さんが全く現れないので真向かいの店に行くと、なんと店員さんは10代後半と思われる茶髪でピアスを開けた上半身を鍛えているであろう低身長美男子だった。一瞬、幽☆遊☆白書の飛影が連想されて、ドキっとする。

その飛影くんが高値なアメジストドームを大まけにまけてくれたことも購入の決め手だが、よく観察するとその店の親父、親玉の存在がいることに気がついた。梱包する最中にもあれこれと茶々を入れており、飛影くんがうっす。と実直に従っている様子をみると、実の家系なのか関係性は不明だが、年始からしっかりと上の者の店を手伝って働いて、私のアメジストドームちゃんを丁寧に扱い梱包してくれる熱心な飛影くんにお金を使いたくなってしまった。私はきっと、ホストにハマりやすい体質なんだと思う。気をつけなければ。
もし私が出世して、もっと大きなアメジストドームを購入出来る生活レベルになったら、あの飛影くんのお店でお迎えする事にしよう。そんな未来があって、その未来で飛影くんがまだ店で働いていてくれたらいいのだが。

そこから1年ぶりに実家へ帰った。
1年ぶりに帰ると所々が数えきれないくらい変わっており、浦島太郎状態だった。
前職でうつ病になり退職、ニート状態だった兄は、職業訓練校でやりたい仕事を見つけ、今も働きながら勉強をしているという。
凄いなぁと思う。兄は昔からいつでもなんでも出来た。常に、男の子グループの親玉になっていて、でも決して不良にはならず、今では地味に子供部屋おじさんとなっているが、芯は私と違ってしっかりとしている。
兄と幽☆遊☆白書の話になった時、私が蔵馬さま推しだと告げると、兄は意外そうな顔をした。兄の推しはなんと桑原だという。いちばんダサいと私は認知していたのに、兄は1番かっこいいと思うのだそうだ。やはり私と兄は真反対だ。

しかしこうして地元へ戻ってくると、あんなボロ雑巾になっていたのが嘘の様に思える。いっそのことこのまま、私も子供部屋おばさんになってしまおうか。と思ってしまう。それくらいに、感慨深い思いが詰まっている土地だ。

あと2日間の滞在しかないのは短く感じるが、ただ、それ以上長く居ても鬱陶しくなるだろう。丁度いい潮時に引くが1番。今の会社も、潮時に引こう。

明日は早朝から参拝、厄払いだ。
早起きは得意だがそろそろ眠るとするか

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