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【SF映画紹介】終末世界を描いたSF映画 ポストアポカリプス編|①

こんばんは ぷらねったです
核戦争や環境問題など さまざまな理由による文明崩壊後に残された社会
今回は「終末世界を描いたSF映画 ポストアポカリプス編」というテーマで そんなSF映画を紹介していきます


1.デリカテッセン (1991年)

監督は ジャン=ピエール・ジュネ, マルク・キャロ
近未来の精肉屋とアパートを舞台にした 奇妙なフランス映画です

舞台は 核戦争から15年後の 荒廃したパリ
精肉屋のデリカテッセンは 孤独にそびえ立っていました
この世界では食料が不足しており 穀物が通貨として使用されています
そんなある日 デリカテッセンの上に建つアパートに 青年ルイゾンが引っ越してきました
そしてそのアパートには 不気味な店主と 奇妙な住人たちが住んでいた...というストーリーです


製作費は380万ドル
「ロスト・チルドレン」, 「アメリ」,「エイリアン4」などでも知られているジャン=ピエール・ジュネと 共作で知られるマルク・キャロが監督をつとめた ブラックユーモアや風刺に溢れた作品です
ジュネ監督の映画では皆勤賞の常連俳優といえる ドミニク・ピノンが主演しています
本作品では"核戦争後の世界"という設定が あくまで一つの設定背景として使われていますが そこに『近未来の精肉屋』にまつわるディストピア映画的な脚本を思い付くのは やはり素晴らしいセンスです
さらに"地底人"と呼ばれる隠された存在も匂わせる 謎を秘めた物語はとても魅力的です


ジュネ監督にとって この「デリカテッセン」が長編映画監督デビュー作ですが すでにセットや小道具のデザインセンスは完成していると言っていいほどで 後の監督作品に通じる不思議な世界観が描かれています
チェロやミュージカルソーなど 美しい楽器の演奏シーンもとても印象的です
ちなみにジュネ監督は近頃 彼の風変わりな映画に製作費を提供してくれる場所を見つけることに苦労しているそうで 2022年の最新作「ビッグバグ」は "仕方なく"Netflixからの公開になったといいます


それはさておき 怪しい近未来の肉屋 デリカテッセンで売られている肉の秘密 そして地底人の正体とは...
ポストアポカリプスの世界が舞台装置的に使用された 本作品
個性あふれるデザインセンスが光る 傑作映画となっています


2.タンク・ガール (1995年)

監督は レイチェル・タラレイ
荒廃した世界を描く 愉快な雰囲気のSF映画です

舞台は近未来 巨大な彗星が衝突し 文明がほろんだ2033年
テレビもなく 水も枯渇しかけている 荒廃した地球
砂漠で仲間と共に暮らしていたレベッカは 世界を牛耳る"水・電力公社"が派遣してきた兵士による襲撃を受け 隷属させられてしまうことになりました
そんな時 彼女はジェットガールと知り合い あるきっかけにより大きな戦車を手に入れ 2人は脱走する...というストーリーです


製作費は 2500万ドル
イギリスのコミックを原作として「ヴァイラス」でも知られる レイチェル・タラレイによって映画化されました
本作品では 水が大きな価値をもち それを管理する"水・電力公社"と呼ばれる組織が牛耳る社会が描かれます
人体に含まれる水を回収するために人が殺されたり 動物を飼うのも禁止された上に 見渡す限り荒廃した大地という とんでもないディストピア社会となっています
また"リッパー"と呼ばれる 人間とカンガルーのDNAが合わさって作られた 血に飢えたミュータントが存在するという独自設定もあり とてもおもしろいのですが 興行的には失敗に終わったようです


アメコミ的なカットや ナレーションを交えながらの斬新な演出が終始光っており それに加えて 90年代らしいオルタナティブロック音楽や キャラクター達のパンクなファッションが 本作品のオリジナリティーを際立たせています
『弱い立場の人間が支配構造を破壊する物語』という見方もできる脚本も素晴らしいです
個人的に 本作品からは相当なセンスを感じるのですが レイチェル・タラレイ監督は映画をあまり撮っておらず「デッドゾーン」や「ドクター・フー」など ドラマ製作中心の仕事に関わったりしていったようです


悪役のマルコム・マクダウェルや 若かりし頃のナオミ・ワッツの姿も観れる 本作品
独特の映画センスが爆発している 大傑作のSF映画となっています


3.近未来戦争 オメガ帝国の崩壊 (1985年)

監督は デヴィッド・ワース
「マッドマックス」を感じさせる内容が描かれる アメリカのSFアクション映画です

舞台は 核戦争後の荒廃した世界
主人公のライダーは 人工知能コンピューターであるアインシュタインを搭載した 近未来のバイクを乗りこなします
彼は 独裁者のプロッサーが統治する"オメガ"という軍団に追われている最中に バイクごと壁に激突してしまいました
その壁は"幻想の壁"と呼ばれる特別な壁であり そこで霊的な力をもつ長老たちによって ライダーは生還させられます
実は長老たちは プロッサーの独裁国家との戦いを率いる者として ライダーを選んだのであった...というストーリーです


製作費は 50万ドル
ポストアポカリプスと言えばアナーキーなイメージですが 本作品では独裁者による管理社会が敷かれているのがポイントです
まるで「2300年未来への旅」のように 綺麗に管理された市民は同じ服を着て 効率よく労働することを強制されているのです
国家のイメージカラーは赤と黒であり ナチスへの明らかな意識がうかがえます
独裁者の下っ端軍団であるオメガは なぜか異常に弱く まさに雑魚キャラといった存在なのがおもしろいです


美術面も見どころ十分で 赤と黒を基調とした制服やロゴのデザインをはじめ 近未来のパトカーや 銃を搭載した近未来のバイクなどが特に印象的です
意外にカメラワークも凝っているところがあり 撮影センスを感じます
バイク,軽自動車,トラック...色々な乗り物を道に並べれば マッドマックス感が出ることを この映画は教えてくれます
バイクに搭載された人工知能のアインシュタインは癒しキャラであり 意思表示もとても可愛らしく 映画の空気感を決定づけています


「マッドマックス」の影響下にある作品の中でも 特に個性を感じ 異彩を放つ本作品
単なるパクリでは終わらないという意志を感じる 傑作カルトSF映画となっています

4.最後の戦い (1983年)

監督は リュック・ベッソン
セリフがほとんど登場しない モノクロで描かれるSF映画です

舞台は近未来
核戦争や気候変動によって 文明が荒廃した世界
数少ない生存者のほとんどは男性であり 女性はほとんど姿を消していました
多くの男たちは 人を見つければ奴隷として従えるか 殺して物資を奪うかという どちらかの行動を取ります
そんな廃れた街の中で生き残ろうとする1人の男は 老医師の住む家に逃げ込みますが 敵意をもった野蛮人に襲撃される...というストーリーです


製作費は およそ300万ドル
リュック・ベッソン自身の初監督作品でもある短編映画「最後から二番目の男」を元に制作されました
SFとしては少々意外な ジャン・レノも野蛮人の役で出演しています
作中にセリフがほぼ登場しないのは『環境汚染によって人類の声帯が発語の機能を失い 話せなくなってしまった』という設定に基づいたものです
製作前には映画配給にまつわる詐欺にもあっており 資金繰りに相当な苦労があったといいます
しかし低予算ながらも見ごたえのある独特な映像になっており 例えば空から魚が降ってくるシーンなど ユニークに描かれています


脚本にもクレジットされている 主演のピエール・ジョリヴェは 映画,演劇に加え 音楽活動もしていた人物です
当時の彼はレコードの売れ行きに悩んでいたそうで リュック・ベッソンがミュージックビデオの製作を提案し これはベッソン自身初となる公になった作品となり これをきっかけに本作品の脚本と出演に至りました
この映像製作の際に出会ったミュージシャンのエリックセラは 本作品で音楽を担当し 素晴らしい仕事をしています


ちなみに 原作の短編映画はリュック・ベッソンが20歳の時, 本作品は23歳の時に公開されています
この頃 若くしてすでに 強い野心と想像力があったのだと驚かされる内容の 本作品
モノクロで描かれる静かな終末世界を ぜひ観てみてください

5.少年と犬 (1975年)

監督,脚本は L・Q・ジョーンズ
「マッドマックス」シリーズや「北斗の拳」の原点と言われる 脱力感のあるポストアポカリプス映画です

舞台は2024年
核戦争によって世界は荒廃し 放射能による遺伝子異変が発生した世界
地上には 女性がほとんどいなくなり 文明社会の名残も残らないほどになっていました
荒廃した世界で生きる少年ヴィックの毎日は テレパシーの能力をもった飼い犬のブラッドと共に 食料と異性を探して放浪する日々
そんなある日 クィラという少女に出会ったヴィックは 暴徒による銃撃戦に遭遇
そしてクィラから 独自文明を築いた地下社会が存在し そこには多くの女性も暮らしていることを知らされる...というストーリーです


製作費は40万ドル
ハーラン・エリスンの原作小説を元に映画化され 俳優でもあるL・Q・ジョーンズにとっては 初の映画監督作品です
この 映画としてはわずかといえる製作費は L・Q・ジョーンズ監督の家族や 仕事関係の仲間を通じて集められました
テレパシーで会話する犬の声を担当したのは 作中のほとんどの音楽も担当した ティム・マッキンタイアです
作中では 1人の男と1匹の犬による テレパシーを通した他愛もない会話が繰り広げられます
このあたりは低予算映画ならではのアイデアだったのかと思いますが 結果的に この映画のゆるい世界観を決定づけています


独特の脱力感は「不思議惑星キン・ザ・ザ」にも通じる雰囲気もあり ブラッド役の犬による素晴らしい演技も光っています
噂によると「少女と犬」を意味するタイトルで 何度か続編も構想されたようですが 今作でブラッドを演じた犬の死去や製作費の問題などによって 頓挫しています


個人的に大好きなゲーム「フォールアウト」シリーズにも大きな影響を与えたとされ 賛否両論間違いない おそろしいラストシーンが描かれる 本作品
SF好きの方であれば一度は観てほしい ポストアポカリプス映画の重要作品となっています


6.ポストマン (1997年)

監督,主演はケビン・コスナー
167分の長尺で描かれる ポストアポカリプスの郵便屋を描く映画です

舞台は 戦争で荒廃した2013年の世界
人々は小さなコミュニティーとして各地へ集落を作り それぞれのルールで暮らしていました
ある名もなき旅の男は テロリストから逃れた際 たまたま郵便配達の車を見つけ 生き延びるためにポストマンになることを決意する...というストーリーです


製作費は 8000万ドル
デイヴィッド・ブリンの原作小説を元に 主演のケビン・コスナー自身が監督をつとめ 映画化されました
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」以来 7年ぶりの監督作品でしたが 残念ながら興行的には大失敗に終わっています


本作品は 同じくケビン・コスナーが主演した「ウォーター・ワールド」や ポストアポカリプスの代表的な映画「マッドマックス」のようなアナーキーな世界観ではなく 小さなコミュニティが希望に向かうような世界観を目指したと言います
その製作方針や 荒廃した世界という舞台設定によって 派手なシーンが少ない地味な仕上がりとなっています
そのうえ主人公は 生き延びるために平然と嘘をつきまくるので 感情移入も難しいところがあります
感動を演出するシーンでさえ ほとんどが嘘に基づいているため シュールなコメディのように見えてしまうのです
終盤で描かれる平和のメッセージもどこか希薄で あまり伝わってきませんでした


そんな内容もあって サターン賞には3部門ノミネートされましたが ゴールデンラズベリー賞でも最低作品賞を含む5部門にノミネートされてしまっています
ただ 集落が点々としている世界という設定はおもしろく この映画の魅力の一つかと思います
原作者のデイヴィッド・ブリンは ケビン・コスナーが主演すべきという 自身の妻からの提案があったと明かしており ケビンコスナーが主演した「フィールド・オブ・ドリームス」を観た上で 作品によって引き起こされる感情が小説の持つメッセージに近いものがあったとしています


ちなみに ポストアポカリプスにおける郵便配達人というと 小島秀夫監督によるゲーム「デス・ストランディング」でも同じ設定が使われています
小島監督はSF好きで知られていますし もしかして本作品を参考にしたのでしょうか...気になるところです
長尺映画が問題ないという ポストアポカリプス映画好きの方は よければ観てみてください


7.ターボキッド (2015年)

監督は アヌーク・ウィッセル, フランソワ・シマール, ヨアン=カール・ウィッセル
自転車版「マッドマックス」の呼び声もある カナダのSF映画です

舞台は 酸性雨が大地を枯らし 核戦争により文明が崩れ去った1997年
お気に入りのコミック「ターボライダー」を胸に 荒野を単独で生き延びる少年の名前はキッド
キッドは 殺伐とした日々の中で出会った少女に心を奪われますが 水を牛耳る極悪首領ゼウスに彼女が拉致されてしまいます
彼女を取り戻すため キッドはターボライダースーツを装着し 愛車のBMXを駆って敵のアジトへ向かう...というストーリーです


本作品は 2015年の映画ながら 架空の1997年の世界が舞台です
自転車がメインの乗り物として扱われており 移動手段だけでなく 発電にも使われています
廃品回収などで食いつなぐ中で少年が見つけた 憧れのコミック『ターボライダー』に登場する装備をめぐる スーパーヒーロー的な物語が描かれます
想像していたよりも惨い 目をそむけたくなるようなスプラッター要素を多数交えながら コメディとも言い切れない どこか気の抜けたような内容になっています


中盤に判明するある事実によって 違った展開を見せる 本作品
グロテスクな映像が問題ない方は 機会があれば観てみてください


8.北斗の拳 (1995年)

監督は トニー・ランデル
あの人気漫画を 日米合作によって実写映画化した作品です
珍作枠での紹介とさせていただきます

舞台は 暴力が支配する 世界最終戦争後の世界
北斗神拳の伝承者であるケンシロウは 南斗聖拳の達人であるシンに 最愛の女性ユリアをさらわれてしまいます
ユリアの行方を追って荒野を放浪したケンシロウは シンの支配する無法の町サザンクロスにようやく辿りつくと 単身で彼に立ち向かっていく...というストーリーです


製作費は 500万ドル
ロジャー・コーマンの設立した ニューワールド・ピクチャーズで編集技師として働き ポストプロダクション部門の責任者であったトニー・ランデルが監督をつとめ 映画化されました
ケンシロウを演じたのは 元キックボクサーのゲイリー・ダニエルズ
ケンシロウを名乗るにしては 体格が足りない印象があります
映画としては 残念ながら お世辞にも完成度は低いと言わざるを得ない内容であり アクションシーンは 平均的なアクション映画に比べても迫力がありません
「ユリア!」,「ケンシロウ!」という悲痛な叫びも あまり気持ちが伝わってきませんし 雑魚キャラ達の「ヒャッハー!」な雰囲気があまり感じられないのは 残念なところです


そんな内容にも関わらず リュウケン役で マルコム・マクダウェルが出演しています
また ユリア役の鷲尾いさ子の存在感は 本作品の大きな見どころでしょう
個人的には もはや純粋に楽しむよりも アニメ版との違いを見比べて どれだけショボくなってしまっているのかを愛でるのが良いと思っています
「お前はもう 死んでいる」の名シーンも ペチペチと鳴るパンチが悲しい空気感を醸しだし どこか弱々しく見えるケンシロウは 情けない叫び声をあげる...そんな映画です


ちなみに実写版の「北斗の拳」は 無許可で製作された韓国版も存在しています
興味のある方は そちらも含めて観てみてはいかがでしょうか


9.アイ・アム・マザー (2019年)

監督は グラント・スピュートリ
ロボットが母親の代わりに人類を育てる Netflixで配信されている斬新なSFスリラー映画です

舞台は 人類のほとんどが死滅した後の世界
そこでは 人類を復活させるための全自動システムが起動していました
そのシステムが設置されている地下施設では マザーという名前のロボットが多数の胚を保存,管理し そのうちの一つから人間を育てていました
数年後 成長した子供から「何故一つの胚しか育てていないのか」と尋ねられたマザーは「良い親になるための練習期間が必要だから」と答えます
それから38年経ち 地下施設の外の世界に対する娘の関心は 高まる一方だった...というストーリーです


本作品はオーストラリア,アメリカ合作の映画であり 製作費については比較的低予算であることしか明かされていません
『人類絶滅後に起動する 人類復活のためのシステム』というポストアポカリプス設定は かなり斬新で秀逸です
母親代わりのロボットから『外界が危険である』ということを教え込まれ それに疑問を感じながらも 施設内で管理されて生きる少女
閉鎖的環境で起こるアクシデントや 外界の謎が判明していく物語が描かれます


スムーズに動くマザーと呼ばれるロボットが印象的ですが これはロボットの形をしたスーツの中に俳優が入って演じています
施設やコスチュームのデザインもクオリティーが高く 宇宙船内のような雰囲気です
音楽も主張し過ぎず 静かに世界観に馴染んでいるのが好印象です


新たなポストアポカリプス像を描いた 野心的な内容の本作品
独特の緊張感を持っているおもしろい映画なので ぜひご覧になってください

10.クワイエット・アース (1985年)

監督は ジョフ・マーフィ
以前 マイナー映画として紹介させていただいた ニュージーランド製作の めずらしいSF映画です

朝焼けの美しい日 海辺のモーテルで 全裸の姿で目覚めた 主人公のザック・ホブソン
時計はAM6:12を指し ラジオに流れるのは なぜかノイズのみ
車を走らせて町へ向かいますが そこには 放置された無人の車があるだけでした
重要な計画"プロジェクト・フラッシュライト"に関わる科学者でもあるザックは 状況がつかめないまま 勤め先の研究所に向かい 自分の置かれた状況が なぜ起きたのかを理解する...というストーリーです


日本ではビデオのみ発売されており 劇場未公開という作品です
本作品は クレイグ・ハリソンによる 原作小説を基に制作されました
リチャード・マシスンの小説「アイ・アム・レジェンド」の影響を 強く感じる設定で 誰もいない街の様子などが とても魅力的です
そんなひとりぼっちの世界で すこし羨ましくなるほどにやりたい放題の 主人公ザックの行動が見どころです
狂気じみたシーンの中に 喜怒哀楽が入り乱れています


主演のブルーノ・ローレンスによる ひとり芝居も多く セリフよりも 映像重視の演出がされており 日本語字幕がなくてもあまり気になりません
印象的な 夕焼けではじまるオープニングなどの映像は 長すぎる邦題で知られる「マイドク/いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか」にも関わった ジェームズ・バートルによって 撮影されました
特撮シーンは最小限ではありますが それぞれが独特で 味わい深い仕上がりとなっています


いろいろな映画を観ているかのような さまざまな場面転換と 人間らしい喜怒哀楽を交えた 美しいラストを迎えるストーリー
知名度の低さと 作品の完成度の高さが まったくつり合っていないと思っています
孤独な世界をユニークな視点で描いた カルトな傑作SF映画となっていますので まだ観ていない方は ぜひご覧になってください


11.マッドマックス (1979年)

監督は ジョージ・ミラー
今でも続く ポストアポカリプスの代表的なSF映画です

舞台は 今から数年後 近未来の荒廃したオーストラリア
暴走族による凶悪事件の多発する世界で ナイトライダーと呼ばれる警官殺しをおこなう者も現れていました
彼らは特殊警察MFPから 改造パトカーの「V8インターセプター」を奪って逃走
敏腕警官のマックス・ロカタンスキーによって追い詰められたナイトライダーは 運転を誤って事故死します
トーカッター率いる暴走族は 友人であるナイトライダーに対する弔い そして復讐として MFPに対する報復がはじまる...というストーリーです


ジョージ・ミラー監督と メル・ギブソンの出世作でもあり 現在でもつづくシリーズの初作品です
どちらかといえば「マッドマックス2」のほうがポストアポカリプス感を押し出していますが あえてこちらを紹介させていただきます
タイトル通り 怒りに震えるマックスが主役ですが やはり まずはタイトルが素晴らしいと思います


荒廃した世界の描写は「少年と犬」から派生した作品といえますが「北斗の拳」をはじめ さまざまな作品に影響を与えていったのは このシリーズの功績が大きいのではないでしょうか
警察も暴走族も倫理観が崩壊し 復讐の連鎖が起きる悲しい物語の中で いびつな勧善懲悪が描かれます


今年2024年には シリーズ最新作である「マッドマックス:フュリオサ」も公開予定です
現在も続くシリーズの 1作目となる本作品
まだ観ていない方は ぜひ観てみてください


あとがき

今回は「終末世界を描いたSF映画 ポストアポカリプス編」というテーマでの SF映画紹介でした
映画の中には 終わってしまった世界がまだまだありますが 現実世界がこのようになってしまわないように 願っています
この手の映画で他にもおすすめがあれば ぜひコメントで教えていただければ幸いです
最後までご覧いただき ありがとうございました

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