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<初めて「扱う」「食べる」野菜・果物のレポート企画>はじめましてThe Plant ~はじめまして、クワイ編~ 【植物チャレンジ】

こんにちは、ぷらんといめじです。

今回の投稿記事は、今まで食べたことのない植物、基本的には野菜や果物を調理して食べてみたレポート記事の企画になります。
わたしは、植物のイラストを描いて、フリー素材としてHP上に投稿しています。その際にイラストのネタ探しとして、まだ食したことのない野菜、品種も含め様々あり、たくさん出会います。また、いろんな野菜をはじめとした植物を育ててみようと思い、その作付けを検討した際や、ふと行った買い物や異国の地などでも、同様にたくさん出会います。
そんな中のひとつに焦点を当て、様々な調理・食べ方をチャレンジしてみます。そしてその感想をレポートとして挙げていきます。

さて今回フォーカスした植物は、【クワイ】です。
クワイは水田のような水場で生育する水生植物で、「芽が出る」という出世の意で縁起のよい食材としておせち料理で出会いやすい野菜となる植物です。

今回の食してみるクワイは、国内で最も流通している【青クワイ】となにわ伝統野菜として大阪府吹田市の名産【吹田クワイ】です。なんとなく、青クワイがメロンのような香りを漂わせています。
元からこういう香りなのでしょうか?、傷んでるわけでなければよいのですが…。
食べ比べもしながら、初チャレンジしていきます。


0.調理方法の検討とした処理

<調理方法の検討>

今回、何よりも自身の中心軸は、未だ食したことのない植物素材を食べて感じてみること。そのため基本的に素材以上の味をもたらしたくないというか、ギリギリまで素材を感じてみたいので、調理といえど、きわめて単純な方法を試していくことにしました。
その単純な調理方法は、
(1)生の薄切りスライス
(2)ゆで
(3)ゆでた後水さらし
(4)素焼き
(5)素揚げ
の5つのパターンを2種類のクワイでそれぞれ行うこととしました。なお、これら調理の前に、すべて同様の下処理(あく抜き)を施した上での調理としました。

<下処理>

クワイはかなりアクが強いということで、調理の前に事前にあく抜き処理をしました。初めて扱う素材ということで、アク抜きの方法を調べてみると、
・水にさらす
・2~3度ゆでこぼす
・米のとぎ汁や小麦粉を入れたお湯でゆでる
など何種類かありました。
また、調べてみるとクワイのアクの成分は、シュウ酸とポリフェノールでした。
いずれもゆでて水で流す経路でアクとして抜き、味を和らげます。
今回は、どの程度あくが強い素材なのかも体感したいと思ったので、最もシンプルな方法、「水にさらす」でアク抜きをすることとしました。
調べたアクの抜きの方法として30分から1時間「水にさらす」ことで基本的なアク抜きが十分できることを目にしたのでシンプルなこの方法で行いました。ただしどの程度のアクかはわからないこともあるので、たださらしておくだけなので1時間水にさらすことにしました。

これでどの程度アクが抜けるのか、はたまた抜けないのか、それを込みでこの方法も試すこととしました。
アク抜きで、水に晒す前に、芽を2cm程度にきり皮を剥きました。
基本「目を出す」の意味で、芽を残す処理をするそうでずが、青クワイの方は失敗して芽が折れてしまいました、残念…。

それでは、以下それぞれのレポート突入です。

お試し調理されたクワイ(上:青クワイ、下:吹田クワイ)

1.生のスライス

<方法>

生のスライスは言葉の通りにそのままです。水さらしのアク抜き処理をしたものを、薄く(厚さ2mmほど)スライスした。

<味の感想/青クワイ>

スライスしている段階で、包丁にべったりと白膜がつきました。デンプン量が多いのも想像できましたが、その白膜の付き具合から、かなりアクも強いんだろうなというのが伝わってきました。
ちなみに序盤に述べたメロン臭は、わずかに弱まっているように感じました。
いざ食してみると…、「え゛っ……」となり、えぐみの衝撃に撃ち抜かれました。でんぷん質かつアク成分が絡み合っているのが、噛むと包丁についたような膜が口内、特に歯にまとわりつき、キシキシとしました。
噛むと苦みがひたすら襲ってきます。
ちなみに食感は、黄色系リンゴ(シナノゴールドだったかな?語弊の無いよう明言は避けます。)のシャキシャキした食感とは異なる、シャクシャクとした食感。緻密なのか少しメラミンスポンジ?ではないけれど凝縮感のある食感、伝わりますかね…。よく出回る赤系の「ふじ」とかの食感とは異なる食感のやつです…。そのリンゴを悪く言ってるのではなく、そのシャクシャクとした触感をより濃密にして、空隙に灰とデンプンを混ぜた液をしみこませたような食感です…。
味は、味といううか風味なのでしょうか、それも黄色系のリンゴの感じを受けたのでびっくりしました。
青クワイはどこかしらフルーティーさを感じます。
とにもかくにも言えることは、まったくアクが抜けてない…もしくはものすごい残ってるという事のみです。

<味の感想/吹田クワイ>

根本的な状態は青クワイと同様です。ただし、メロン臭、食べたときの黄色系リンゴ風味もありません。青クワイに比べ癖がなく、淡白でした。ただし、同様にアクが残っており、とてもエグく、苦かったです。それでも、あえて比較すると、青クワイよりエグみ、苦みは弱く感じました。あくまで比べると、ですが…。

 <結果と反省>

とにかくアク。アクとの戦いでした。青クワイに関しては、どこぞ課のフルーティーさが、そのアクと共によくない方向へ導いていくので、今回の処理は失敗です。
次回試すとすれば、水にさらす下処理の前にスライスし、スライスの厚みもより薄く、また念のため一晩近くさらしてみたいと思います。
とにもかくにもこの結果から見いだせるのは、「生は適さない」です。

2.ゆで

<方法>

クワイの煮込み料理のゆで(煮込み)時間を参考に、水にさらしたものを20分ほどゆでました。沸騰した段階でゆでを開始しています。ゆでる水には何もいれていません。

<味の感想/青クワイ>

口に入れて噛み、食べてみると栗の様な甘みとホクホク感の同一線上であろう風味でした。ただし、おいしい栗ではなく、山栗といううわけでもありません。あくまで同一線上らしき風味ではあるものの、そうとうワイルドというかエグみ引き立ったうえでの、その風味です。もちろん生の時よりは、…と言いたいところでしたが、咀嚼と平行して甘いメロンの芳香、風味も広がってきて、それらが混じりこみ、すいません。何とも言えぬ不快感を感じました。アクがまたも多大にハードルとなっています。そしてこのメロン臭は一体…。

<味の感想/吹田クワイ>

こちら吹田クワイは、青クワイと違い栗のような風味は感じられませんでした。ただし、青クワイのメロン臭のような障害はないので、アク以外の不快感は感じませんでした。淡白故かつ、青クワイでいうところのホクホク感とデンプンなのか多少の甘みの雰囲気を漂わせるからか、吹田クワイに関してはごくわずかにバナナのような、特に日本で出回るバナナではなく、煮込み料理などに使うような調理用バナナの路線の風味を感じました。こちらもエグみは残っており、どうしてもそのエグさと苦みは無視できない状態です。しかし、青クワイに比べ、調理として称せるゴールが目に入ってきた具合ではあるかと思いました。

 <結果と反省>

いずれにしろ、まずはやはりあく抜きが足りていないのが圧倒的障壁となっていました。両社ともエグみと苦み、アク成分で結果としては失敗を招いています。ただし吹田クワイでは、少し成功への道筋が見えたことから、下処理は最低でもゆでこぼしで行うのがベターかと認識しました。また、根菜として水からゆでるべきだったなとも。結論としては、ゆでた方がアク成分の減少は感じます。ただし、青クワイのメロン芳香はいかんせんどうにも…。

3.ゆでた後、水にさらす

<方法>

2の方法でゆでたもの(同時にゆでました。)を、水に15分ほどさらしてみました。それをキッチンペーパーで表面の水分を拭きとりました。

<味の感想/青クワイ>

大まかに2の茹でただけのものと大差ありませんでした。特にアクのエグみ、苦みは変わらないなと感じました。ただし、気持ち程度ではありましたが、ほんの少しメロン芳香が抑えられたかのようには感じました。

<味の感想/吹田クワイ>

2のものと違いは感じませんでした。

 <結果と反省>

結果として水にさらしてもほぼ変化がないように感じました。もっと水にさらす時間を長くとればよいのかとも思いますが、それよりならしっかりとゆでて下処理した方が、確実にアク抜きができると感じました。単純に水さらしだとあまり期待できない気がします。ただし、メロン芳香は水さらしで弱まっている気はします。この芳香如何にするかで、水さらしの選択制が悩まれます。

4.素焼き

<方法>

フライパンで各面を素焼きしていきました。焼き目が各面につくように焼きました。焼く際に、油はもちろん、塩をはじめとする調味料も使用しません。

<味の感想/青クワイ>

まず第一にメロン芳香が減ったのか、全体的な風味がまろやかになり、ゆでの時のように栗風味がありました。メロン芳香が抑えられている分、栗っぽさが多少勝り、ゆでよりは…といった感じです。ただしメロン芳香がゼロではないので、ご理解ください。アクに関しては、序盤はだいぶイケるかなと臭わせてくれましたが、後味として長く引きずるようになってしまいました。特にじわじわと苦みが残りました。

<味の感想/吹田クワイ>

気になる風味はなくなり、全体として淡白な味の邪魔をするのが抑えられ丸みが出て、青クワイ同様まろやかになりました。ただし、同様に後味としてのエグみ、苦みが強く続きました。

 <結果と反省>

香りや味の面ではだいぶ向上したかに思われましたが、水分が飛んだことで濃縮されたのか、濃縮されたものがアクなのか、エグみ苦みが後味としてかなりきつめに残りました。ここから考えられるに、加熱はもちろんですが、そこに水ありきでアク抜きが進むのだろうと推察できそうです。事前に下処理、特にアク抜きが十分にできている個体であれば、いい味わいになるのではないかと期待を膨らませました。

5.素揚げ

<方法>

水にさらしたものの表面の水分をキッチンペーパーでふき取り、サラダ油で素揚げしました。素揚げの通り、下味もなければ、衣類もない状態で揚げています。

<味の感想/青クワイ>

栗のようなホクホク感…とメロンの芳香…。メロンの芳香が思ったよりも多く残っており、リアクションしづらい味わいになってしまいました。
エグみはありましたが、素焼きのように後を引き続けるほどではありませんでした。あくまでも素焼きよりは弱い程度の後引き感ですが…。

<味の感想/吹田クワイ>

初めてのおいしいと思えるニュアンスでした。後味に多少のエグみ、苦みは感じますが、アク抜き不足が原因だなと感じる程度。甘みもしっかりと感じるレベルで現れています。甘みは結構強いので、さつまいもと言いたくもなるのですが、甘みの路線はジャガイモの路線の上です。ジャガイモでいううところの「インカのめざめ」でしょうか?しっとりとした甘みと言えばよいでしょうか、とにかくジャガイモの路線上の甘みでハイスペックでした。あえて盛った誉め言葉として言うならば、”ポテトフライの上位互換”とでも評せるのではないでしょうか。かなり期待値が高まりました。アク抜きが十分でなかったことが非常に残念。

 <結果と反省>

結果としては、調理の方向性として一番クワイの輝ける手段ではないかと思いました。ただ、メロンの芳香だけが気になります…。

まとめ

今回は、初めての食用植物クワイでした。残念なことに初歩の初歩、下処理の甘さがすべての尾を引いてしまいました。それにより、考えさせられるのはクワイという素材を扱うには、第一に下処理アク抜きをきちんと行うことです。
吹田クワイの素揚げで感じたものは、かなり期待値の高いものなので改めて再挑戦をしてみたく思います。
青クワイに関しては、しっかりとしたアク抜きの上、どこまで持っていけるかがまだ見えていないので、基本作業から捉えていかなくてはなりません。それにしてもメロンの芳香は何なのでしょうか…。あまり得意な方向ではないのですが…、もしかして傷んでるのでしょうか…。それとも青クワイの風味がメロンの芳香と似ていて、そういうものなのでしょうか…。摩訶不思議…。
全体としてみると調理としてはクワイを扱いきれなかったので、”調理失敗”といったところでしょうか。
それでもいろいろ調理法を試し、試食してみて、知らなかったクワイの様々な面を体感できました。
それだけである意味、この投稿記事の企画としては大成功ではありますが、企画の走りの一番最初の素材で失敗とは…。

こんな感じで、今後も初めて触れ合う食材植物を紹介しながら、調理を試し、食べて試すようなレポート記事を投稿していこうと思います。
今回の通り、平気で失敗記事にもなります。


お読みいただきありがとうございました。
ご意見、ご感想等あればぜひコメントしていただけると嬉しいです。
それではまたお会いしましょう。


今回フォーカスした植物のイラスト


植物イラストのフリー素材集「ぷらんといめじ

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