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芸術祭のない時期にこそ 直島でアートを満喫する!

 今年は 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018や、水と土の芸術祭2018なども開催されていますが、そんな中、今年の夏は瀬戸内へ…

 今年は 瀬戸内国際芸術祭の開催年ではありませんが(次回は2019)、いつでも楽しめるパブリックアートや美術館が数多くある直島は、混雑する芸術祭シーズンを避けたほうがむしろ楽しめるのでは…?というのが、過去に3回、芸術祭期間中と期間外に直島に行って思ったこと。(芸術祭期間に行った際、島に着いた時点で地中美術館の整理券が終了していたという苦い経験も…)

 直島へは、岡山の宇野港と香川の高松港からアクセスできますが、今回は、岡山から水玉のフェリー「なおしま」に乗って直島の宮浦港へ。

(宮浦港のフェリーターミナルはSANAA設計「海の駅 なおしま」)

 港の目の前にはレンタサイクルが数件あり、自転車をレンタルして巡りました。(アップダウンが激しいので、電動がオススメです。web予約もできます。)

(草間彌生さんのかぼちゃ柄のバスも出ているので、こちらに乗るのも楽しそうですね。赤かぼちゃのバスもありました。)

 作品があるのは大まかに下記の3つのエリア。こちら以外にもパブリックアートが点在しているので、移動中も楽しめます。(家プロジェクトを含め、建物内の写真は基本的にNGなので 今回は外観写真を中心に。)

① 宮ノ浦エリア

 まず、宮浦港で出迎えてくれるのは、印象的な赤かぼちゃ

(「赤かぼちゃ」 / 草間彌生)

 建築家・藤本壮介さんによる幾何学オブジェ「直島パヴィリオン」も この近くにあります。

(「直島パヴィリオン」 / 藤本壮介)

 大竹伸朗さんによる、直島銭湯「I♥湯」もこのエリアに。実際に入浴もでき、浴槽の中にもコラージュのようにたくさんの作品が散りばめられていました。

(「I♥湯」 / 大竹伸朗)

② ベネッセハウス周辺

 このエリアにはベネッセの展開する美術館が多数。どれも安藤忠雄さんによる建築で、建築を見て回るのも楽しい地区です。

 「自然と人間を考える場所」として、建物がすべて地中に埋められた「地中美術館」

(地中美術館 入り口)

 クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が、その作品のために設計された展示室に恒久展示されているこちらの美術館。

 3作家の作品だけで入場料は2,060円と聞くと少々高価にも感じますが、作品のためにつくられた贅沢な展示を見ると、十分にその価値が感じられます。特に、最晩年のモネが手掛けた「睡蓮」5点を自然光だけで鑑賞する展示室は、圧巻です…

 2018年8月1日からはオンラインチケットによる予約制となっているようなのでご注意ください。

(隣接する モネの睡蓮の庭をイメージした ”地中の庭” も素敵です)

 李禹煥と安藤忠雄建築がコラボレーションした「李禹煥美術館」

(李禹煥美術館 入り口)

 1992年に開館し、柳幸典や杉本博司、サイ・トゥオンブリーら、国内外の現代アートが楽しめるの「ベネッセハウスミュージアム」

(ベネッセハウスミュージアム 入り口)

 ミュージアムのほか、屋外でも、ウォルター・デ・マリア、大竹伸朗、蔡國強、小沢剛らの作品を楽しむことができます。

(「見えて/見えず 知って/知れず」 / ウォルター・デ・マリア)

(「シップヤード・ワークス 船尾と穴」 / 大竹伸朗)

(草間彌生さんの黄色い「南瓜」も このちかくに)

③ 本村エリア

 本村港付近では、改修した空き家などに1軒に1作家ずつインスタレーション作品を展示する「家プロジェクト」が展開されています。

 ジェームズ・タレルと安藤忠雄がコラボレーションした「南寺」は、家プロジェクトの中でも一番人気なのだそうです。15分入れ替え制で、時間によっては整理券制になるため早めの時間帯がおすすめですよ、とのことでした。

(「Backside of the Moon」/ ジェームズ・タレル (南寺)
 ”体験”しないとわからない 光の作品です)

 豊島美術館の展示などを手がけ、今年 (2018年夏) は水戸芸術館で大規模個展も開催中の内藤礼さんの作品「このことを」が設置された「きんざ」。1人15分間、作品と向かい合う体験をする事前予約制の展示です。

(「このことを」 / 内藤礼 @きんざ)

 「きんざ」には今回はじめて入りましたが、明るく開放的な豊島美術館の対になるような、でも、静かな空間でほのかな光や風を感じる展示でした。

 本物と見紛う繊細な木彫の植物を製作する彫刻家・須田悦弘さんが建物から手がけた「碁会所」では、庭の椿と対比する作品が。あまりにリアルで、わたしはスタッフの方とお話するまで、作品とは気づかなかった作品もありました。

 また、千住博さんの大きな作品が設置された「石橋」では、作品とこの土地の地形との繋がりや、この一帯が昔は大きな塩田だったことなど、興味深いお話を伺うこともできました。

 築約100年の木造民家の中に、安藤忠雄さんの打ち放しコンクリートの建築が入れ子のように組み合わされたANDO MUSEUMは、建物の面白さに加え、安藤氏によるスケッチや模型も多数あり、建築に詳しくなくても楽しめる美術館でした。

(Ando Museum 入り口)

 島の端から端まで移動しても、自転車で15-20分程度の小さな島ですが、これでも全ての展示を書き切れないほど、多数の作品が常設されています。

(まちかどの散策も楽しい本村エリア)

 作品だけでなく、瀬戸内の穏やかな海を眺めているだけでも幸せな気分になれます。

 芸術祭のない時期にこそ、ゆったりと楽しんでみてはいかがでしょうか?


※ このnoteに書いた作品の場所をgoogleマップにまとめました。


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