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『人の流れとたんぽぽと』

電柱の袂にたんぽぽ一輪

寄り添うように

風を受けないように

低く地面に張り付いて

周りにはまとわりつく

草たちが繁々と

街灯の光に照らされ

白く咲く花も

名も知らない花

覚える気がないのか

知らないだけなのか

人の流れは

雨水を得た川の如く

勢い良く流れて

忘れ去られるように

咲くたんぽぽ一輪

傍には草たちが白い花が

身内や恋人のように佇んで

風の教えを今日も問い

時に唸りを上げ吹き

時には止み

答えらしきものは見つからず

街灯の明かりに照らされて

流れを避けて縫うように

時折輝く星を眺め

ひた歩く

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