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”スタートアップだからこそ”つくり出せる新しい寄付のかたち。国内最大級のNPOからPoliPoliに転身した理由

2023年8月に入社した會澤さん。3年前まで、国内最大級の認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンで、活動のための寄付を集める「ファンドレイザー」として活躍していました。
修士・博士課程で寄付のマーケティング研究を続けながら、「不利な立場にある人に寄り添い、エンパワーメントできる仕事をしたい」と話し、PoliPoliでは新規事業「Policy Fund(ポリシーファンド)」を引っ張っています。
Policy Fund、PoliPoliでの働き方について話を聞きました。

會澤 裕貴(あいざわ ゆたか)Policy Fund ディレクター
新潟大学大学院 建築学コース 修士課程を修了後、まちづくりコンサル、NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンでファンドレイザーなどを経て、2023年PoliPoli入社。
2024年3月東京都立大学大学院 経営学研究科 経営学プログラム(MBA)修了。2024年4月からは、同大学院 博士後期課程にて、寄付のマーケティング研究を継続予定。認定ファンドレイザー。


不利な立場にある人にエンパワーメントを

──8月にPoliPoliに入社した會澤さん。現在の仕事内容を教えてください。

現在、PoliPoliの「Policy Fund(ポリシーファンド)」という政策提言のための寄付基金事業を担当しています。

Policy Fundとは、2023年9月に立ち上げた新しい事業です。まず、起業家などからの大口の「寄付」で「基金」を設立し、貧困問題や若者の孤独・孤立問題など、基金ごとに取り組みたい社会課題のテーマを設定します。

次に、社会課題解決のための活動をする非営利組織(NPO等)などの中でも、政策によって社会全体の仕組みを変えたい団体に対して、寄付と政策提言のサポートをします。

Policy Fundの仕組み

仕事内容は主に3つです:

(1)寄付を「集める」:IPOした起業家の方、資産を持っている方から寄付をいただく
(2)寄付を「する」:どこに寄付するか決定権は寄付者様にあるので、基金ごとに設定したテーマで非営利組織などを募集、推薦し、寄付者とマッチング
(3)「政策提言」伴走支援:寄付をした非営利組織などが政策提言をする際に、PoliPoliやパートナー団体様のナレッジをもとに、政策提言が成功するように支援をする

──入社から約7カ月、立ち上げたばかりの事業での日々は正直いかがですか?
もう7カ月!
そうですね、入社してすぐにPolicy Fundのリリースがあり、目まぐるしく毎日が過ぎている、という感じでしょうか。

群馬県とPolicy Fundの共同プロジェクトのマネージャーになり、2023年11月には山本一太知事とPoliPoliが共同会見をしたりと一気に走り出しました。

スタートアップらしく、PoliPoliのスピード感はさすがだと思います。いい意味で以前働いていた災害支援NPOでの”現場でガツガツ”した働き方を思い出し、懐かしくなりました。

──以前働いていたNPOも含めて、これまでの経歴について教えてください。
大学院(修士課程)まで建築分野のまちづくりの研究をしていました。修了後、まちづくりコンサルや市民活動支援を行うNPOでの勤務を経て、30歳で日本初のNGOで国内最大級の認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンに入りました。その後、民間企業で働きながらMBAで寄付のマーケティング研究をしている途中で、PoliPoliに入社しました。

──キャリアのスタートは「まちづくり」だったんですね。
これには自分の原体験があります。全校生徒が100人いないような小さな小学校を卒業したのですが、自分の卒業と同時に廃校が決まっていて。卒業式の前に、先生と一緒に使わなくなる音楽室のオルガンを焼却炉で燃やして処分したんです。焼却炉から立ち上がる白い煙を見ていたら、とても悔しい気持ちになってきて。「なんで自分の好きな場所、地域が消えなければならないんだろう」と‥。そこから、不利な条件にある人々が、どうやったら立ち上がっていけるのか、深く考えるようになりました。

まちづくりのコンサルで働いた後に、市民活動支援を行うNPOで働き始めた訳ですが、そのNPOでは「コミュニティ・オーガナイジング」という、アメリカ発祥の市民の力で自分たちの社会を変えていくための方法を広める活動をしていました。

コミュニティ・オーガナイジングは、ハーバード大学ケネディスクール(公共政策大学院)でも教えられている手法の一つで、たとえばオバマ元米大統領も、大学卒業後にシカゴの黒人貧民街でコミュニティ・オーガナイザーをしていたことで注目されました。

私は当時、全国を飛び回り、コミュニティ・オーガナイジングの研修を行ったり、市民活動の伴走支援を行っていたのですが、日本各地で社会課題に向き合う人々がたくさんいることに、日々勇気をもらっていました。

そのあとに入った、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンでは、主に被災地にいち早く駆けつけ救助活動や避難所の支援などを行う災害医療チームのメンバーとして、実際に被災地での支援活動を行いながら、企業や個人の方から寄付を集めるファンドレイザーをしていました。

台風被害を受けた地域の病院にて、企業からの物資支援の調整を行う様子(2019年)

実際に被災地の避難所を回って支援をしたり、コロナ禍ではクラスターが発生した病院に入って支援を行っていたので、その経験をもとに自信を持って寄付の募集を行うことができ、とてもやりがいのある仕事でした。

コロナ禍にクラスターが発生した病院で支援を行う様子(写真中央)(2020年)

こうして振り返ると一貫して「不利な立場にある人に寄り添い、エンパワーメントできる仕事がしたい」という思いに応えられる場所を探していた結果、これまでの経歴になったという感じです。

NPOから”スタートアップ”のPoliPoliへ

──そんな中で、PoliPoliへの転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?
不思議な縁が重なりました。
元々、PoliPoliの「有識者制度」の地方創生関連で声かけがあり、登録していたのでPoliPoliという会社は知っていました。

そのあと、たまたま登録していた転職サイト経由で、PoliPoliのそれぞれ別の人事担当者から、2回重ねて連絡があったので、一度話を聞いてみようという流れになりました。実際に聞いたらPolicy Fund立ち上げの話が出てきて「おもしろいじゃん!」と。

──Policy Fundの何が會澤さんにそんなに刺さったのでしょうか?
「新しいフィランソロピー(企業や個人による社会貢献)の形をつくる」ことにビビッときました。新しい寄付の市場拡大、流れをつくれることに魅力を感じました。スタートアップだからこそできる可能性があると。

──スタートアップで働くのは初めてでしたが、不安はありませんでしたか?
NPOでの働き方も、いい意味で普通ではなかったので(笑)、そんなに不安はなかったですね。
いざ入社してみると「若いメンバーが多いのに、組織運営体制がしっかりしているな」という印象を受けました。例えば、シリーズAフェーズの組織の中では人事制度がしっかりしている方だと思いますし、これから大きくなるための組織のベースになるカルチャー作りに熱心に取り組んでいると思います。

──會澤さんにとっていい変化はありますか?
そうですね、PoliPoli、中でも特にPolicy Fundという事業は立ち上がったばかりでオペレーションを自分で作る段階なので、それまでの仕事のように、ある程度整理された業務プロセスの中でオペレーションを効率的に行うのとは違う筋肉を使っているな、と良い刺激があります。「いい筋肉ついてるな〜」と日々感じますね(笑)。

オフィスの共同スペースでコーヒーを入れながら話す會澤さん

寄付のマーケティング研究を続けながら働く

──會澤さんはこの3月に東京都立大学大学院のMBAを修了し(しかも成績優秀者!)、4月から博士課程に進むとのことで、おめでとうございます。
ありがとうございます。MBAでは寄付のマーケティングを研究していて、博士でも継続します。ミクロな視点で、寄付をする人がどういう意思決定をしているのか、そしてどんな心理的な要因があるか分析しています。

──寄付を極めている感じがします。
いえいえ、まだまだこれからです!

──研究しながらフルタイムで働くということはなかなか厳しい環境だと思いますが、どう両立していますか?
大体、朝9時から18時まで仕事、帰宅、夜ご飯を食べた後に2、3時間研究。土日は予定がなければまるまる研究に、一週間で最低30時間は研究に費やしています。
PoliPoliのオフィスに出社することが多いですが、家や大学などでリモート対応もできるので、柔軟に働けるのはありがたいですね。

───研究しながら働くメリットとは?
まずは、IPOした起業家などの寄付者様や寄付を受ける非営利組織の方々と繋がりがつくれることが大きいです。

寄付者様に対しては「どういう寄付が有効なのか?」を説得力を持って話すことができますし、伴走支援する組織に対しては、研究での知見をダイレクトに提供できる場面も多いですね。自分だからこそ、周りに還元できるものを体感できます。

──會澤さんの働き方に社内の理解はありますか?
他にも同じく修士・博士課程で研究を続けながら仕事をしているメンバーもいて、こうした働き方は受け入れられているしリスペクトもあります。

一方で、プロとしての仕事の結果は厳しく求められるので、「研究があるから」という言い訳は通用しません。そういった意味では、仕事もライフプランも妥協したくない人には良い環境だと思います。

何かあれば、PoliPoliの「ワンチーム」というバリューもあるように、自然と部署関係なくメンバーが手を差し伸べてくれます。

3ヶ月に一度メンバー一同で集まり議論する「Office Day」(2023年11月)

PoliPoliで実現したいこと

──會澤さんがPoliPoliで実現したいことは何ですか?
Policy Fundをしっかり社会の中に根付かせたいです。2023年に立ち上げて、まだタネをまいた状態ですので。

貧困家庭の支援、10代の孤独・孤立対策、持続可能な救急搬送体制の構築など、様々な社会課題に向きあう団体に寄付がどんどん決まり、その分新たにご寄付いただける方もどんどん増えています。伴走支援をしっかり行い、政策提言を通じた社会課題解決が進むことで、本当に支援を必要としている人に届けたいです。

夢は、寄付のマーケティングの研究者になることです。NPOなどの非営利組織の活動をファンドレイジングの観点から後押しして、社会課題解決が進む社会を作りたい。PoliPoliはそのための大きな一歩であることを実感しながら働いています。

──Policy Fundでは今メンバーを募集中です。どんな方と一緒に働きたいですか?
社会課題の最前線で活動を行う方にリスペクトを持つ方と一緒に働きたいです。
Policy Fundは、ある意味で中間支援的な立ち位置なので、伴走支援を通じて、政策提言を通じた社会課題解決のパートナーになる必要があります。
つまり、最前線で活動を行う団体様の存在があってこそ、私たちの存在意義があるということを忘れないことが大事だと思っています。

また、政策提言を通じた社会課題解決について学び続ける意欲がある方と一緒に働きたいです。

私もそうですが、実際に政策提言をした経験なんて、ほとんどの方が持っていないはずです。なので、政策提言の経験がないことは全然問題ではなくて、どんどん学べばいいと思っています。PoliPoliには政策に関する豊富な知見を持った仲間がたくさんいるので、政策について学ぶ最高の環境の一つだと思いますよ!

PoliPoliでは一緒に挑戦する仲間を募集中です!

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