人生を彩るアルバイト 第一話『サロン・デュ・ショコラ』
-あなたにとってアルバイトとはどういうものですか?-
これは同時期に最大8つのアルバイトをかけもちしていた貧困学生が綴る人生観のお話。
高級チョコレートサロン販売員
高級チョコを買ったことがありますか?
一粒700円、4個で3000円
そう、ばか高いです。
98円の板チョコ2、3枚あればお友達に配れるくらいの数のチョコレートが作れるのでこれがいかに高価かは明らかです。
私もこのバイトを始めた頃はこんなにチョコにお金をかけるなんて正直ばかばかしいと思ってました。
でもチョコの祭典『サロン・デュ・ショコラ』を販売員として経験したことでその考えはガラリと変わりました。
バイトを始めたきっかけ
本題に入る前になぜこのバイトを始めたのかと言うと
ズバリお金です(笑)
当時卒業旅行のための資金がどうしても必要だったので卒論をかいている最中でしたがそのお金ほしさと一回くらいデパートで働きたいというミーハー心で始めました。
サロンでの販売だったのでデパ地下で働くより給料は良かったです。
ただ、サロンという事で求められる接客スキルは今までやってきたアルバイトの中で最も厳しいものでした。
ちょうどクリスマス、バレンタイン、ホワイトデーという超繁忙期だったので商品の入れ替わりも激しく、その都度フレーバー、見た目、コンセプト、価格、梱包の仕方を頭に叩き込んでいました。特にフレーバーは普通のチョコと違って何層にも重なって複雑な味わいを出していたのでかなり手強かったです。
もはや根性で乗り越えたという感じでした(笑)
サロン・デュ・ショコラ
では本題に戻りますと
私の高級チョコに対する考えが変わったのはこの『サロン・デュ・ショコラ』です。
これを簡単に説明するとチョコレートのお祭りです。ショコラティエによるデモンストレーションや講演、チョコを知るための展示、世界中の色んなチョコレートやさんが集まってチョコレートを販売する、そういうイベントです。
通常の販売と違って世界的に有名なショコラティエと会えるのでショコラティエ目的の方も多くいらっしゃいます。
そのようなチョコレートの祭典であるサロン・デュ・ショコラに販売員として参加した時に
目を輝かせながら一生懸命誰かのためあるいは自分のご褒美としてチョコレートを選ばれるお客様の姿や
一粒一粒妥協せずに丁寧に作り上げていくショコラティエの姿を見て
チョコレートで人を幸せにできるんだ
とハッとさせられました。
そこに価値を見出すだけのものがあるんだと気づいたのです。
価値を見出だす、共有する
それまで人によって価値は異なるものだからそこからどうこうしようとは考えもしませんでしたが
モノやコトに対していかに価値を見出すことができるか
そしていかにその価値を共有させることができるか
に気づくことができました。
最後に
このアルバイトでは、リボン結びのバリエーションと梱包の美しさを保つスキルを獲得できたことは私の人生で大きな出来事でしたが、それ以上に、人に寄り添って提案する力と価値創造について考える力を鍛えることができたのは貴重な経験だったと思います。
それに今ではすっかり高級チョコの虜です(笑)
(おわり)
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