絵本の中の風景へ想いを巡らすとき、それを手にした幼い頃の記憶もまた、絵本の思い出の一部になっていく――そんな「絵本を思い出すところ」を編集者とカメラマンが探していきます。

となり町の商店街まで買い物に。
通りはにぎやか。

野菜に魚、お惣菜に日用品。
さて、晩ご飯は何にしよう？

『おばけのてんぷら』のうさこみたいに、
今夜は天ぷらにしようかな！

あっ、天ぷら屋さん！

さつまいも、いか、えび、かぼちゃ……なんて、おいしそう！
　「てんぷらは　あげたてに　かぎるわ。」って、うさこも言ってた。

思わず、いっぱい買っちゃった。
まあ、いいか！

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『おばけのてんぷら』　作・絵／せな　けいこ
せなけいこさんの「めがねうさぎ」シリーズのなかの1冊。
うさこが家で天ぷらをあげていると、おいしそうなにおいにさそわれた山のおばけが、そーっとしのびこんできました。うさこに見つからないようにつまみぐいするおばけですが、油ですべってころもの中にぽちゃーん！　
貼り絵の手法で作られた、紙のやわらかな手ざわりが伝わるような絵と、主人公うさこの楽天家っぷりが楽しいロングセラー絵本です。読めば、きっとあなたも天ぷらが食べたくなるはず！
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/3090029.html

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（文・編集／齋藤侑太　写真／白井晴幸　撮影協力／砂町銀座商店街　天ぷら天兵）

ポプラ社　齋藤侑太
1985年、茨城県生まれ。2012年、ポプラ社入社。営業職、社内デザイナー、幼児向け書籍の編集を経て、2020年から絵本の編集を中心に担当。

白井晴幸
東京都生まれ。2010年、多摩美術大学卒。作家として活動する傍らカメラマンとして本の装丁や風景、建築などを撮影している。≪Website≫