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『シン・ウルトラマン』のなかで、長澤まさみの演じる役が「今日はお風呂に入れると思ったのに…!」と言うシーンがあって、自分はお風呂に入れないほど忙しいというわけではないな、本気度が足りないんだろうか……と本筋とはまったく関係のないところで突っかかりを覚えていた。

5月28日にぺぺぺの会で「山手線一周さんぽ」というものをやりました。それは、ぺぺぺの会のメンバーはもちろん、誰でも参加することのできるオープン・イベントだったのですが、そのときにある参加者の方から、「宮澤さんは、今はなにをしているのですか?」という問い掛けをされました。

「今は戯曲を書きつつ、事務的なことをぽちぽちとやっています」とまず答えた。とにもかくにも戯曲。『斗起夫』(トキオ)というタイトルの作品なのですが、あれを書くのはひじょうに楽しくて(iPhoneのアラームに)止められなければ、食事も筋トレも、お風呂にも入らないで、ずっと作業をし続けることができると思う。

しかし没入し過ぎると逆に作業効率が落ちるので、意図的に作業を中断させるために、休憩(食事・筋トレ・ストレッチなど)をスケジューリングするようにした。

半年くらい前までは作業自体をスケジューリングしていた——これがふつうのやり方だと思います——けれど、僕は作業は黙ってでもやる、むしろ黙っていてもらったほうがじょうずにコツコツとやっていくのでこういうスケジューリング術になったわけです。

自分はその気になっていないけど、割り当てられた時間だから「それ」をやる。やらないといけないことをやる。指示されたことを指示された通りにやることに、ものすごいプレッシャーを感じてしまうんです。

授業や講義への苦手意識から、自分がなぜ今この道を歩んでいるのか、をもういち度振り返ってみた(2022年5月21日)

ぺぺぺの会のメンバーや、『斗起夫』の上演(12月を予定しています)に関わってくださる出演者やスタッフにはこの作品を、わたしたちの代表作にすることを約束しました。

時間と試行錯誤、さまざまな経験と対話を積み重ねて、本当に良いものができあがりつつある、と思っています。もう少しだけお時間をください。ワークインプログレス(中間発表的な上演のことです。こちらは8月に実施予定)の稽古開始まであと1か月。執筆も佳境に入ります。これさえできあがれば。この戯曲さえできあがれば。僕だって。僕は。着実に「ウィズコロナ」の病から抜け出していける。

まったく、長くて暗くてじめじめとしたトンネルだった。しかも自分では「トンネルのなかにいるのだ」という自覚が当時なかったのが、なによりもこわい。今やっと目の前に明かりが見えてきて、振り返ると自分はこんなにぬかるんだ地面の上を歩いていたのかと思うと、ぞっとする。

ワークインプログレスのご観覧を希望されます方は、「ぺぺぺの応援会員」へのお申し込みをお願いいたします。

会員費は1万円です。各イベントへのご招待のほか、『斗起夫』の完成稿から草稿までをすべてプレゼントします。これらすべてを手にすれば、この作品がどんなふうにして、できあがっていったのかを知ることができると思います。

応援会員の詳細はぺぺぺの会のホームページからご確認ください。

お申し込みは、下のGoogleフォームからお願いします。


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