高田 征児

中央大学文学部哲学科卒

高田 征児

中央大学文学部哲学科卒

最近の記事

スクワットと読書、そして易占い

#我慢に代わる私の選択肢  人生とは、自分の思い通りにならなくて辛いもの。努力や我慢こそが、人を成長させ、他人との共生を可能にする方法。。。そんな風に思い込んでいた時期もありました。  しかし、ある時期から考え方を変えたのです。  考え方を変えることで、自在を得ることはできませんでしたが、自由を手に入れることは可能になりました。我慢の50%OFFと言ったところでしょうか。  自由自在という言葉があります。自由と自在には少しだけニュアンスの違いがあるんです。「自由」は「他から

    • 私はなぜ路線バスの運転手になったのか

       『論語』の子罕篇に、以下のような文章があります。  [白文]達巷党人曰、大哉孔子、博学而無所成名、子聞之、謂門弟子曰、吾何執、執御乎、執射乎、吾執御乎。  [書き下し文]達巷党(たっこうとう)の人曰く、大(だい)なるかな孔子、博く学びて名を成す所なしと。子、これを聞き、門弟子に謂いて曰く、吾何をか執らん(とらん)、御(ぎょ)を執らんか、射(しゃ)を執らんか、吾は御を執らん。  [口語訳]達巷(たっこう)村の人が言った。『偉大な御方だな、孔子様は。幅広く学問をされているのに、

      • エセー(全7巻) 白水社 読了

        白水社版のエセーを全7巻購入したのは、去年のコロナ特別給付金の使い道としてだった。 すでにエセー 6冊セット (岩波文庫)は持っていて、こちらの方は職場に持参して、合間にちょこちょこ読んでいる。 エセーはエッセイ(随筆)の語源になった書物だ。 現代風に言えば数十年継続したブログ。 取り扱うテーマも雑多で多岐にわたる。 それでも、一貫した精神というか道筋のようなものが存在していて、そこに古今東西の多くの人々を魅了してきた秘密があるのではないだろうか。 私がエセーの著者、モンテー

        • 村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」読了

          昨日の深夜、新潮文庫版の下巻を一気に読み終えました。 作品に出てくる、カセットテープという言葉が妙に懐かしかったです。 出版年が1985年だそうだから、執筆されていたのは、ロスアンゼルスオリンピックが開催された、1984年ころでしょうか?そうだとすれば、僕は小学校6年生だったということになりますね。12歳の年男だった僕がいた頃の物語を、48歳の年男になった僕が読んだわけですが、「ハードボイルドワンダーランド」の中で描かれている描写には、音楽媒体としてのカセットテープ以外に

        スクワットと読書、そして易占い

          「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にドハマりした

          今年もノーベル文学賞を授与されませんでした。 村上春樹さん。 村上さんの存在を知ったのは、高校1年生の時でした。 クラスの子が「TVピープル」だとか「パン屋再襲撃」だとか、短編ものを読んでたのを見て、「何それ?」って聞いたのがきっかけ。 1988年の春ころだったような。 その後、「ノルウェイの森」が一部の級友に絶賛されているのを、風の噂で耳にしたのが翌年の高2の頃でしたね。 今では某銀行の支店長に納まっているそのテニスボーイは、部活の顧問だった数学教師が絶賛してい

          「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にドハマりした

          私は、どのようにして危機を乗り越えたのか?

          昨年の今頃でしたか。。。 私は、職場内でかなりの窮地に立たされておりました。 自分で蒔いた種を刈り取る羽目に。 年貢の納め時? 潮時? 社内では私が、依願退職をするだろうとの噂がまことしやかに流されていたとも聞きました。後々のことではありましたが。 現実の世界は、ドラマ「半沢直樹」のようではありません。あれは、社会的集団妄想です。あのドラマが、多くの人々に喝采をもって迎えられたことは、日本の国が病んでいる証拠だとも言えるのではないでしょうか? 実際は雇用されてい

          私は、どのようにして危機を乗り越えたのか?

          村上春樹と荘子を読みながら、自死を避ける道を択ぶ。もしくは探る。

          10月も半ばですね。 今年はコロナ禍で多くの人が"死"を想ったことでしょう。 "死"を想うことで、私には意外な副産物といいますか、精神的な収穫がありました。 それは、青年時代から宿題のように残っていた、積読状態の書籍に向き合うことができたのと、それを読破することができたことでした。 カミュ「ペスト」・ドストエフスキー「悪霊」・フランクル「夜と霧」という、いわゆる実存主義の巨人たちです。 世間でも「ペスト」の増刷は話題になりましたね。 私も死ぬまでに読んでおいて良か

          村上春樹と荘子を読みながら、自死を避ける道を択ぶ。もしくは探る。

          暑ぅぅぅぅ。100分de名著「荘子」を視聴しますた。

          毎日、毎日暑いですね。 今日はお休みでしたが、休みで家でいても2階の部屋なんて38℃。 もう、地獄ですね。 逃げ場がありません。 クーラーを発明してくれた人にノーベル賞をあげたい。 感謝! 「荘子」は私が最も好きな哲学者です。哲学科に進学するきっかけになった人であり、本です。 まさに自由であり自遊の哲学。私自身を体現していますね。 キーワードは「遊」。 「游」の字もいいですね。こちらも遊ぶの意味だけど、泳ぐの意味も込められています。若いころはよく川泳ぎをした

          暑ぅぅぅぅ。100分de名著「荘子」を視聴しますた。

          100分de名著「アラン 幸福論」視聴しました。 若いときは、ピンとこなかったけど、今読むと刺さります。 「人は幸福になる義務がある。」 ああ、もっと早くにアランのすばらしさに気付けていれば。

          100分de名著「アラン 幸福論」視聴しました。 若いときは、ピンとこなかったけど、今読むと刺さります。 「人は幸福になる義務がある。」 ああ、もっと早くにアランのすばらしさに気付けていれば。

          100分de名著をアーカイブで休日に見た話。

          昨日、アマゾンプライムビデオから、NHKオンデマンドの登録をした。 NHKのアーカイブは充実しているね。 大河ドラマも全話視聴できる。 とりあえず、「龍馬伝」「なつぞら」はも一回観ようかな。 あと、100分 de 名著ですわ。 これが、本好きの私にはたまらんです。 とりあえず、今日は、ニーチェの「ツァラトゥストラ」とパスカルの「パンセ」の回を視聴した。 ニーチェの回は、司会が堀尾 正明さん。早稲田大学第一文学部哲学科の卒業だとか。僕が行きたかった一文出身の有名人

          100分de名著をアーカイブで休日に見た話。

          三浦春馬さんの死を悼む

          先日の訃報には衝撃を受けました。 しかし、私には思い当たるフシがあります。 恵まれし者の自死。 これは、古来から続く、人間存在の不可思議なる現象なのです。 人は日常生活に倦怠する生き物です。 今日も明日も明後日も。。。 同じような毎日が続く恐怖。 人間は時として、平穏な日常に倦怠を抱く存在なのです。 ドストエフスキーは「悪霊」という小説の中で、恵まれし者の倦怠と自死を描きました。 日々、生きるために懸命に働く人々には、共感できない境地。 なぜ、なぜ、なぜ、

          三浦春馬さんの死を悼む

          コロナガラパゴスの徳島で3人が感染確認:今こそ寛容と中庸の精神を

          死ぬまでに読み込みたいと思って、モンテーニュの「エセー」を読み続けています。 仕事場には岩波文庫版を携帯して、休み時間や合間にちょこちょこ。 自宅では特別給付金で購入した、白水社版をまったりと。 読んでて思うのは、モンテーニュの寛容さと中庸の精神がすごいってことなんだ。それが、随想録の形式だから徒然なるままに綴られているので、終始一貫して優しさをたもってた人なんだなって、感心させられています。 今日は休みの日なんで、整骨院で整体してもらってたら、従業員の人が「いや~!

          コロナガラパゴスの徳島で3人が感染確認:今こそ寛容と中庸の精神を

          モンテーニュ、ユゴー、サルトル

          人生は短い。 僕は後、何年生きられるのだろうか? そんなに長くはないような気がする。 気持ちだけが先走ろうとする。 モンテーニュの「エセー」を読み始めてから、困ったことに、「レ・ミゼラブル」と「存在と無」も読みたいと思うようになってしまった。 モラリスト、ロマン主義、実存主義。 フランスの文学と哲学に立てられた金字塔。 人生の全てを描こうとした企て。人間存在の光も影も。 コロナウイルス感染症の影響で、カミュの「ペスト」を読んだことから始まったフランス熱。 ア

          モンテーニュ、ユゴー、サルトル

          モンテーニュ「エセー」と休日

          今日はお休みの日でした。 特別給付金の口座入金を確認。先行消費していた、モンテーニュ本の資金繰りが達成されました(笑)。 寝る前5分のモンテーニュは、早々に読み終え、白水社版1巻をゆっくりと読書中。モンテーニュの中庸の思想は、人生に失敗し終活を生きるおじさんにはちょうどいい。 モンテーニュはおそらくキリスト教を信じてはいなかったのだろう。日本では戦国時代にあたる時代を生きた人だから、大っぴらには公言できないけど、文章の端々にそれが読み取れて、中庸な感じがするんだよね。思

          モンテーニュ「エセー」と休日

          モンテーニュ「エセー」白水社版&寝る前5分のモンテーニュを購入しました。

          今日、Amazonから届きました。 特別給付金での大人買い。合計20,000円ちょい。 残りの80,000円は、生活費補填に使わせていただきます。 明日で48歳になる私。 世間では終活が流行しております。 私の終活は、モンテーニュを座右に生きることです。 岩波版とともに、何度も何度も繰り返し読みたい。 そんなに長生きできるかどうか、それは分かりませんが。 クセジュの精神で、謙虚かつ真摯な生活態度を貫きます。 死ぬその時まで。

          モンテーニュ「エセー」白水社版&寝る前5分のモンテーニュを購入しました。

          モンテーニュ「エセー」なお年頃

          最近になって、「哲学って何ですか?」ってよく聞かれる。 哲学≠宗教、哲学≠心理学。。。 哲学とは〇〇ではないとは言えるけど、こういうものだとは答えにくい。 大学の時、哲学の教授が「哲学とは何か」という問いそのものが、哲学のテーマであるとかなんとか言ってたっけ。。。 要するに答えのない不思議な学問。 それが哲学。 でも、私個人の考えでは、ズバリ、自分が死ぬ存在であることを意識することだと思っている。 「なぜ生まれてきたのか?」「死ねばどうなるのか?」 究極の問い

          モンテーニュ「エセー」なお年頃