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Web3とESG(SX)の潮流

現在のビジネスは個々のWell-beingに向かっている

ここ最近はもっぱら、社内への発信が中心となっており、かなりの期間空いてのnote投稿となりました。

今回は、昨今のビジネス潮流について考えていきたいと思います。

昨今のビジネス潮流として、2方向に大きく伸びている様に思えます。
それが、Web3とESG。

しかし、この流れの先には、個々の「Well-being」という考えに行き着くと捉えております。


ESG(SX)の潮流


一つは、社会や環境、世界について向き合う事が求められているESG経営。
経済産業省が、SX(Sustainability transformation)を掲げてますが、企業は持続的に成長し続ける為に、そもそも「社会にとって良い行動・活動」をしなければ、社会も環境も壊れてしまう。

つまり、その活動を通して利益を出して、未来に向けて投資をする事で、永続的に成長する事が出来る、という考え方です。

このSXは、DX(Digital transformation)とは相性が良い。なぜなら、デジタルを活用する事で、今まで社会や環境、及び人にとって害になっていた事、不便であった事などを解消出来る。その方向性をよりESGと絡めて考えれば、「SX」という考えになるからです。

経済産業省の述べる「SX」と「DX」の流れ


SXについての説明は経済産業省のページより


Web3の潮流


またもう一つの潮流がWeb3。

この考え方もまた、人と人とが社会においてデジタルを用いながらどの様に発展していくべきか。その潮流に沿った中で生まれた概念だと考えます。

なぜなら、誰かが中央集権的に搾取をする世界から、皆が調和と共通思想をもって、組織をなそうという考え方、その根底としてデジタルテクノロジーを用いる事で仕組みを成り立たせる、というものだからです。

Web3の世界を表すキーワードは4つ。

  1. 巨大企業ではなくユーザー自身がデータを保持して(分散化)

  2. ネットワーク上のデータの正しさがシステムによって検証され(透明性 / 検証可能性)

  3. ネットワークやデータの一部を所有することで(所有権)

  4. 収益化することもできる(経済的インセンティブ)

ブロックチェーンの上で成り立つこの技術は、4つのキーワードを軸として“非中央集権的な自律分散型”の世界を成り立たせます。
それは究極には、個々人の権利の尊重なのかもしれない。勿論前提として、倫理観や利他的精神が無いと成り立たないが。

Web3を説明する要素

Web3は、多重方向、分散伝播型のモデルであり、ブロックチェーン上で成り立つもの。

もしかしたら、私が働くデジタルエージェンシーにおいての「広告」という形も、プラットフォーマーありきでなく、”誰から情報を聞いたのか”というインフルエンサー的な要素のほうが、これからの時代にマッチしてくるかもしれない。

Web1.0 、2.0、3.0の世界での広告の在り方


私が所属する「デジタルエージェンシー」は広告(プロモーション)に閉じず、世の中の最新、最先端の情報を得て、その知識を顧客に提供し、実行する事で価値を為し得てきた。

改めて強みの源泉は、時流を捉え、最新・最先端の理解をし、実行の知恵を持って、世の中の顧客に提供する事である。
つまり世の中が進化する限り、そしてそこについていく限り、我々は強みを磨き続けられる。

そう考えると、「Web3」と「ESG(SX)」の潮流は、絶対に外せないし、知恵をして築いていく事が重要であると認識してます。



「Web3」と「ESG(SX)」の潮流はなぜ起きている?

この流れはなぜ起きているのか?
ビジネスの流れをまず考えたい。

ビジネスモデルにも3つの潮流があります。

①Decentralize(分散化)


サービスは分散化されてきております。
それは、今まで包括的に提供されてきた”丸っと”サービスが、
意味付けを再解釈(理解)され、分解され、
「再構築」か「専門特化」になっているからです。

全く新しいサービスだと思うものも、いくつかのサービスをかけ合わせたものだったり。
または、SaaSの様に一つの機能に特化して、産業バーティカルに、リカーリングモデルで売り出されるものであったり。

提供価値(機能)は元々は複合的に一つであったものから、徐々にダウンサイズエコノミー化。結果としてDecentralizeと言われるように、切り分けられて、価値が際立つ様になってきたと感じます。

だからこそ、SaaSの様に一つの機能を特化させたもの、または価値×価値で新しい価値を生み出すもの(例えば、クラフト×日本酒みたいな)が出てくると考えられます。

②Gathering(結集化)


一方で、モノや人。それ単体では力が弱いものは、
分類が仕分けされ、ニーズ別に一つにまとまる事で、
大きな価値を生み出してます。
*説明上、人についても敢えて”価値”と言ってます。

CtoCの代表であるメルカリをはじめ、ランサーズやビザスク、またはBASEなどのECなどマーケットプレイス系はその最たるものだと考えられます。

③Share・Matching


この①Decentralizeと②Gatheringの価値を相乗的に生み出すものが、Share・Matchingです。

この分散化された機能・価値と、収集された人やモノ。これらをつなげあわせたり、シェアさせる様なサービスとして、マッチング・シェアリングも栄えている様に思えます。

サービスは、より分散化され、特定の機能特化や、新しい意味付けが加えられた”現代に求められるサービス”に。

一方でモノや人は、結集化することで大きな価値に。

この二つの流れに併せて、必要なモノを必要な人に必要な分だけ提供する、し合うというのが今求められているビジネスニーズなのだと考えられます。

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①Decentralize(分散化)、②Gathering(結集化)、③Share・Matching、これらの考えを纏めたイメージが以下の図となります。

ビジネスの3つの潮流

ビジネスの抑えどころを見極め、掛け合わせて考える

3つのビジネス潮流。
ここに併せて、以下要素も考えてみる。

サービスが「Must have」になる要素


必須で求められるサービスがなるには、5つのリプレイス概念が必要と言われます。それが以下。

1.時間のリプレイス
-ある業務を行う際の単位時間が減る
(例:データ分析に10時間かけていたのが1時間でできるようになる)
2.人のリプレイス
-属人的な業務のクラウド化で人件費を削減
(例:今まで3名で担当していた業務が1名で可能になる)
3.価格のリプレイス
-既存のオンプレミス型のソフトウェア、SaaSよりも安価
(例:既存サービスが30万円/月に対し、同じ機能を10万円/月で提供)
4.習慣のリプレイス
-日々の業務フローのインフラとして機能
(例:毎日の稟議・承認フローや勤怠記録等、毎日アクセスする状態)
5.蓄積のリプレイス
-活用し続けることでデータが蓄積される
(例:ユーザーとのコミュニケーションがプロダクト上に蓄積され続ける)

普段の行動において、”置き換わる要素”を考える事が大事という事ですね。

サービス立ち位置の定め方

ビジネスの3つの潮流や「Must have」の要素を抑えたとして、どこにサービスを成り立たせることが重要なのか。

それは、あくまでビジネスという観点でいえば、以下要素の順に考える事が大事だと捉えます。

  1. 市場_顧客のペイン:TAM(市場規模)はより広くホリゾンタルを狙う

  2. 業界_自分たちは何屋か:SAM(市場の中でターゲットとなる最大範囲)はよりバーティカルに特化型サービスとして入る

  3. 競合:業界が決まれば、競合が決まる。競合をよく分析してファクトを集める

  4. 差別化ポイント_マネタイズモデル:競合を先に見る事で、SOM(自社サービスが狙える範囲)が見えてくる。自ずとマネタイズ方法も決まってくる。


以上の様な掛け合わせで捉えていく事で、どこにビジネスチャンスがあるか、客観的に把握していく事が出来ると考えます。

フレームとしては以下図です。

「ビジネス潮流フレームワーク」

ビジネス潮流を抑えた企業分析フレームワーク

ちなみに、先程の「ビジネス潮流フレームワーク」を企業分析に落とし込んだフレームが以下となります。

「企業分析フレームワーク」

このフレームワークに合わせて、ビジネスの最先端をいくラクスルさんを例に落とし込んでみたのが以下です。

ラクスルの分析例

あくまで表に出ている情報で落とし込んでおりますが、急成長企業であったりスタートアップ企業のポイントを見ていくには、わかりやすく落とし込む事が出来ます。

パーパスは絶対


なお、先程の潮流はあくまで”抑えどころ”。
この前提には、必ず企業としてなぜ存在するか?どんな姿を目指したいか?
を表した「Purpose/Vision」が無いと方向が定まりません。

木が何を目指して成長し続けるか?それは太陽の光です。
Purposeは「太陽」。一生かけて成長し続ける先であり指針です。
そしてVisionは木がどんな風に成長したいか、その「あるべき姿」です。

パーパスが創るエコシステムのイメージ

最終的には、このエコシステムが自社として成り立っているか。よく考えてみる必要があると思います。
木の成長の様に、エコシステムが綺麗に周り、“酸素を生み出す”様に、自分たちの提供価値(サービス)が世のため、人のため、社会の為になっていれば、それこそがサスティナブル経営だと言えるのだと思います。


さいごに_Web3とESG(SX)の目指す先

先にも述べた様に、Web3は、個々人の倫理観や利他的精神を前提においた上での、究極の個人の権利社会を創るものだと考えます。

それは、DAO(Decentralized Autonomous Organization)という分散型自立組織の在り方そのものを指す。

中央集権から、非中央集権になる事で、ヒエラルキーに沿って作られていた階層化による差別化もなくなるかもしれない。

もちろん、組織というものを効率的に動かす為には、中央集権であり階層化社会の考えは重要である。
一方で、個人の生き方でいえば、ユニークさが尊重され、多様性に富んだ社会が育まれる事で、対話の中にイノベーションが生まれる。
どちらも成り立つ社会になって良いのかもしれない。

そして、ESG経営。その先にはSDGsの考えがあり、SGDsの考えの先には、個々人の定常的な幸せ、つまり「Well-being」がある。

だからこそ、企業はESGに取り組む、というよりもサスティナブルそのものに、事業を変えていく必要がある。
それがサスティナビリティ・トランスフォーメーション「SX」である。

昨今にデジタルトランスフォーメーション「DX」が広がっているが、これはなんのためにやるのか。

企業の存在意義は、“より良い社会を創る為”にある。その中で、それぞれが想いを持ち、得意分野の領域でそれを目指そうとする。そこに各社の目指すべき方向性「Purpose」や在りたい理想像「Vision」にユニークさが出てくる。
しかし、全て帰結するところは、社会をより良くする為、である。

その活動を通して、社会から承認され、感謝され、その対価として利益を得る。その利益をキャッシュとして蓄え、未来に向けて投資する。
そのサイクルの先に、社会が良くなるという目的があるので、企業も成長し続ける。
これが「サスティナブル経営」である。

では、このPurpose実現に向けて、足りない技術、実業と在りたい姿への不整合に対して、「DX」によって変化を及ぼしていく。ここにデジタル活用の意義が出てくる。

この変化の先に、サスティナブルになるのだから、
「DX」→「SX」である。

「SX」→ESGに対しての取り組み→SDGs→Well-being になっていく。

つまり、「Web3」における個々の権利尊重と、「SX」におけるサスティナブルへの向き合い方。

いずれも、結果は個々人のWell-beingに繋がる考えである。

もっといえば、人は誰しも根源的には「幸せになりたい」という考えを持っている。そしてそれは、自分だけ良ければ良い、ではなく、他人に対してもそうであってほしいと願う、利他的精神を持ち合わせている筈である。元来は。

人が目指すもの

仕事においても同じであり、Well-beingであれば、結果にも繋がる。

経営にとっても、働く人の幸福度は大きく影響する

ともすれば、個々人のWell-beingが育まれる社会を創る為には、
「Web3」と「ESG(SX)」のビジネス潮流は、絶対に抑えるべきものである、といえる。

デジタルエージェンシーで働く身としては、
この2つの潮流を抑え、自社として向き合う事。
そして世の企業皆様に対しての浸透の担い手になっていく事も大事だと捉えてます。

社会のWell-beingを創ること。
もっといえば、
「ボーダー無く1人でも多くの人が、ワクワク、ユニーク、ウェルビーイングに生きる社会を創る。」

これが、web3とESG(SX)の先にある未来なのだと考えます。



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