107.【紹介】あなたの”粋”をその手の内に!煙管の世界【キセル】
バカと煙はなんとやら。庭のさくらんぼの木に登る私をおばあちゃんはよくちゃちゃ入れられました。あとは「バカはぼっこを振り回す」もよく言われました。学校の自由研究で木刀を削り出した私、まさにぴったりです。全く否定できません。
そんな私が若気の至りの末、ぼっこで煙をふかした経験の記事です。(今はふかしてないので現役感はないかも?)
煙管という嗜好品
そもそもキセルとは漢字の通り煙の管。ようするにタバコです。
刻みタバコを吸う物で、紙が出回る前はキセルが一般的でした。
ちなみに「雁首揃えて~~」の語源もキセルです。うなだれる頭の様子をなぞらえてそう言ったのでしょうか。語源調べるのも楽しいですよね。
キセルの楽しさはこれだけではありません。「キセル」と聞いて思い浮かべるのはなんでしょうか?
私は丁半賭場にいる博打打ち、丸メガネ嵌めた和服の旦那、冬に火鉢で手を炙る舞妓さんなんかもいいですね。どれをとっても時代劇に入ったような昔ながらの光景を思い浮かべます。そしてどれも個性的であり様々なシチュエーションです。
キセルは江戸時代頃に日本に広まり、煙をくゆらす女性が浮世絵にも描かれています。古くから庶民に馴染みあるものだったのでしょう。
キセルはただのタバコではなく、その人の好みや趣向を表現するものでもありました。雁首はもちろん羅宇にも装飾が施されそれはもうきらびやかです。
さらに羅宇は素材によっても味が変わります。金属なら煙がダイレクトに来るのでキリっとした味わいに。竹製なら少しマイルド、木製ならその木の香りが乗る事もあります。
羅宇の長さによっても味わいが変わりました。なんでも煙の温度が変わるのだとか。
これだけでもキセル選びに頭を抱えるところですが、こだわりは煙草入れにもおよびます…。装飾や素材、利便性etc…本当にその人にとって唯一無二のタバコを楽しんでいた時代がありました。
My ギア
私の愛用していたキセルは非常にスタンダード。高校時代の恩師から譲り受けたもので年季が入っています。ただし火皿が小さく、ほんの数吸いでタバコが終わってしまいます。
味わいは比較的まろやか。
こちらは延べキセル。(見た目はほぼ羅宇キエルですが!)全体が金属でできています。こちらの方が煙がキリッと立った味わい。火皿が上より大きいのですが、煙が立つ分そもそもマメに吸いがち。思ったよりも長く吸える気がします。
さて、珍しい方の趣味ではあると思います。ましてタバコは健康被害の観点から敬遠されます。
ただキセルは文化や伝統工芸品としての側面もあり調べるとなかなか面白く、魅力ある作品も多いです。
敬遠されるものにも背景や歴史が必ずあります。私もまずは間口をひろげ何事も学びに変えていきたいですね。
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