見出し画像

あの忌まわしい東日本大震災から12年!

震災が齎したことと私達の現在

あの忌まわしい未曾有の自然災害から
早いもので明日12年を迎えます。

震災後、子供だった人ももう成人になり
復興に向けて前向きな様々な方面で
多種多様な取組みをしている姿は
少子高齢化社会を担う若者(人)として
私達の若い頃には考えもつかない、
とても素晴らしく逞しく見えます。

震災時から十数年も経てば、記憶も薄れ
気持ちも様変わりしてしまっているのは
被災地から離れて生活している私達が
人間である【証】と言えると思います。

しかし、被災地の皆さんはどうでしょうか❓
この答えは被災者ではない故に書けません。

震災の直後、
私達国民の多くの気持ちの中に生まれた
「当たり前の有り難さ」
「節電の意識と実際の取組み」
「自分のためより誰かのために」
「自衛隊・ボランティアの素晴らしさ」
「被災者への様々な想い」
などと言う意識(=気持ち)は、
一体何処に行ってしまったのでしょう。

以上を一言で表すならば足りるを知る、
即ち【知足】の心であると思います。

知足

知足について、元ウルグアイ大統領が
2度の来日で以下のように話しています。
日本人へ向けて語った“大切な言葉”2015

産業発展に忙殺され、
日本人が忘れてしまっている
「足るを知る」=知足、という言葉
を思い出させてくれた世界一貧しい
と言われたウルグアイ前ムヒカ大統領。

(以下2015年10月11日のフジテレビ、
 Mrサンデーのまとめから転載)

ムヒカ氏は、
かつての日本人は多くのものを
持たず「足るを知る」を美徳とした。

日本は産業社会に振り回されている。
 すごい進歩を遂げたけれど
 本当に日本人が幸せなのかは疑問。
 西洋の悪いところをマネして
 日本の性質を忘れてしまった。
 物は幸せにしてくれない。

と日本人へ向けての真心の
メッセージを伝えていました。

番組のコメンテーターの武田圭吾氏が、
「子どもたちに立派な人がいると示す
 以前に、大人たちはどうするのか?
 ということをムヒカ氏のインタビュー
 の最後でも言っていた」
とコメントしていたのが印象的でした。

ウルグアイのムヒカ大統領のメッセージ
ウルグアイのムヒカ大統領のメッセージ

私は40数年程前、仙台に住んでいました。

一見、排他的と思っていた東北人が、
実はとても心が温かで親しみ易く、
素朴・実直で本当に「優しい」💑
と言うことを体感しました。

それは、
東北人の持つその人の独自の行動や
活動を見てから信用・信頼をする、
感情を表に出さず話すと親しみ易く、
忍耐強く決して愚痴を言わない、
辛抱強く粘り強く遠慮がちで口が重く、
会話上で心を開くには時間がかかる、
知らない人に積極的な行動をしない、
と言うようなことです。

その時(1979)の初夏の夕国に起きた
「宮城沖地震」の体験と復旧の様子を
仕事と生活の場で実際に経験しました。

そして、ライフラインの復旧までの10日余
被災された方々の様々な苦難や苦痛、
苦しみを目のあたりにして来ました。

その時に比べ、12年前の震災と原発事故の
被害は比べ物にならない大きさと考えます。

被災地の環境の復旧、復興と伴う様々な活動、
特に人心の回復は、12年経った現在でも
まだまだこれからが大切であると思います。

以下は、
あくまで実際に被災地での生活を
していないので私的な想像ですが、
実際に目に見えるガレキや壊れた物など
は取り除かれましたが、人々の先々への
目に見えない不安や様々な苦しみは
解消・解決されていないのではないか?
と推し計れる様々な心の課題が在ると
被災地に関する情報から分かります。

震災後から地震津波による直接的な
被害でなくその後の避難生活での
精神的な心の病、先々の生活の不安感、
体調悪化や過労など間接的な原因に
より自殺や孤独死などで死亡する
震災関連死」に該当する思われる方が、
実際は5千人近くにも及んでいるそうです。

幸せ

人間は、自分が実際に体験しないと、
本当の辛さは判らないものです。

東日本大震災とそれに伴う原発事故が
周辺に暮らす人々に齎したものは、
実際に被災していない私達が想像も
つかないとてつもない辛さと心身の
苦しみが伴うことと思われます。

人は、それぞれの心に「思い」※1と
「想い」※2の心を持ち合わせています。

思うと想う

※1「思う」は、
 一般的に広くおもう場合に使われ、
 思考・思案・思索・思慮・意思など漢語。
※2「想う」は、
 ある対象を心に浮かべる気持ちが強く、
 想起・回想・追想・感想・予想・夢想
 空想・発想などの漢語を構成します。

以下の[ ]内はあくまで私見ですが、
[自分自身の先々を心に浮かべる=「想い」が、
自らの現在の気持ち=「思い」を越えた時、
被災者の皆さんのような体験をされ、
依然と異なる環境で生活していると、
人はネガティブな意識になり易く
将来への不安などで気持ちが頭一杯になり、
最悪の場合は、引籠り自殺と言った
選択してしまうのではないでしょうか。]

人間は誰でも、自分の心と向き合いながら、
他人を認め、人を思いやる心を持っています。

その思い遣る心は、
「利他心・愛他の心」と言われています。

その精神を生かすためには、
私達は被災された方々のことを
心の何処かに置き、日々出会い
触れ合う人を認め、大切にしつつ、
思い遣る心身の活動を怠らないよう
努めなくてはならないと思います。

どんな人間の心の中に存在する
思いやり(思い遣り)は目に見えません。

人は生きる上で一番大事なのは、
目に見えないもの、即ち心💖です。

人の心は、リアルに目に見えないし、
当然神も仏も実際に目に映りません。

そのバーチャルで目に見えないものが、
人間の人生を左右させているのです。

それは知識ではなく、人に優しく振る舞い、
困っている人達を助けようとする智恵です。

喩えあらゆる物が消えてしまっても、
その人のも「心」は必ず残ります。

私達は、
その心と他者を思いやる利他心を
大事にしていかなければなりません。

その「心」さえ失わなければ、
人は何とか生き抜いて行けます。

そして、自分の為ばかりでなく
誰かの為に見返りを求めず
祈り動く心を大切にしなければなりません。

自分のためより“誰かのために

自分以外の他者への想い≒思い遣り、
優しさは形を変えて報われる時が
必ず来ると体感して来ました。

この思い遣りは、
自らの思いを届けることであり、
祈りは利他心、愛他の精神と解します。

被災された皆さんが持つ独自の口に
出さない他人への優しさ、思い遣りの
気持ちは今後の日本にとても必要で
それは日本人の調和の心で大切な心です。

因みに、「優しい」の文字は、
「人」の「憂い」(苦しみ・辛さ・悩みなど)
に傍で寄り添うと書きます。

思いやり・優しさ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?