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恋におちて(1984)

若かりし演技派俳優たちが魅せる不倫の恋
映画ならではのロマンチックなラブストーリー

ハリウッドきっての演技派俳優の2人、ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープが共演したラブストーリーの名作です。

舞台はニューヨーク。クリスマス・イブの夜に、ひょんなことから言葉を交わした男女が通勤電車で再会し、他愛もない話に花を咲かせるうちに、次第に恋に落ちていきます。

共に既婚の2人の恋は、俗にいうW不倫で、今の世の中では炎上必至なのですが、映画にするとなんてロマンチックなのでしょう。

新しい恋への止まらぬ思いと、許されぬ恋に落ちていく戸惑い。喜びと悲しみに満ちた、究極の恋の行方を、演技巧者ならではの自然な演技で見せてくれます。

【ストーリー】
ニューヨーク・マンハッタンのクリスマス・イブは、クリスマスのプレゼントを買う人々で、どの店も華やいでいます。
ニューヨーク郊外に住む建築技師のフランク(ロバート・デ・ニーロ)と、主婦のモリー(メリル・ストリープ)もそれぞれ列車に乗って、マンハッタンへ向かい、たくさんのプレゼントを買い込んでいました。
リゾーリ書店で家族へのプレゼントを買った2人は店の出口でぶつかってしまいます。たくさんのプレゼントを抱えていた2人は誤って、互いのプレゼントを持ち帰ってしまいました。
3ヵ月後、マンハッタンへ向かう通勤列車の中で、モリーを見かけたフランクは、思い切って声をかけます。間違って手にしたプレゼントのことを笑い合った2人は、その後も列車で顔を合わせ、ひと時を過ごすうちに、会いたい気持ちが募るようになります。

初めに積極的だったのはフランクの方。美人で感じのよいモリーと話すのは純粋に楽しかったのでしょうけれど、モリーに会うのを心待ちにしている姿を見ると、「まったく男って……」と苦笑してしまいます。

一方のモリーは、最初はお愛想的に話していたものの、朗らかで包容力のあるフランクに、私的な過去を打ち明けるまでに心を開いていきます。

ニューヨークのグランド・セントラル駅から郊外へと向かう列車の中で静かに育まれる愛。共に愛する家族と穏やかに暮らしながらも、家庭という日常から少しだけ離れた時間が2人を解放的にしたのでしょうか。ただただ惹かれるままに、2人は恋に落ちていきます。

イタリア系で甘いマスクのデ・ニーロ。凛とした美しさのあるストリープ。公開時、デ・ニーロは41歳、ストリープは35歳という、若々しい2人の姿に見とれてしまいます。

この2人の共演が、本作を見応えのある映画にしています。本当に息ぴったりでお似合いのカップルなので、いけない恋とは分かっていても、「結ばれてほしい」と思わず感情移入してしまうのです。

1980年代初頭、今よりずっと保守的な世の中で、不倫の恋を描いた大胆な試みは多くの女性の心を捉えました。日本では、大ヒットTVドラマ『金曜日の妻たちへ3 恋に落ちて』(’85年)で、平凡な日常を送っていた主婦に大きな影響を与える映画として紹介され、映画の印象的なシーンがドラマの中にたびたび登場します。

理性では制御できない“恋”という感情。決して不倫などしなさそうな、聡明な2人が落ちてしまった恋は生々しさがなく、ひたすら切ない……

不倫の代償を負った2人のドラマチックな別れ、ラストシーンで、クリスマスが起こした恋の奇跡など、現実では“決してしてはいけない”映画的な恋の世界に魅了されます。**************************************************************
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