【死】自傷行為が持つ意味とは?

『2日続けて暗いテーマ持ってくるなぁ』と思われるかもしれないけれど、ただただ暗いテーマというわけじゃない。

これはしっかりと知っておくべきことだと思ったし、何よりも一週間の中で日曜日の夜が最も自殺が多いんだよ。

だから、そんな時に死について考えてみるのもいいんじゃないかな。

ちなみに日曜日の夜に『死』について買いてみているのは、精神科医の益田裕介
さんのYouTubeのパクリだ。

彼ほど知識もないし大したことはかけないけれど、僕なりに考えてみたことを買いてみたいと思っている。

今日ね、エレベーターに乗ったら後ろから夜職っぽい女性が電話をしながら乗ってきたのね。

タイトでかなりミニなスカートを履いて、何かをかき消したいのかというほどに強い香水の匂いを漂わせていたんだ。

そんな彼女の電話をしている手元をふと見ると、横に5本くらい線が入っていた。

僕はすぐに分かった、リストカットをした後だと。

その人が夜職の人かどうかは分からないし、これまでの人も実際どうかは知らないけれど、そういう感じの服装だったり立ち振る舞いの人の多くがリストカットの傷跡を腕に持っている。

その女性の傷を見た時に、僕は3年ほど前に付き合っていた女性のことを思い出した。

彼女は幼馴染の妹で、もちろんその兄貴も母親もよく知っていた。

正直中学に上がってからはそこまで交流もなくて、会えば挨拶はするが保育園の頃のように遊んだりってことはなかったのね。

なんだけど、たまたま夏休みで一時帰国しているタイミングで保育園からの幼馴染が集まるタイミングがあって、そこで再会したんだ。

その子は僕の3つ下だったと思うんだけど、可愛い妹って感じがしてたんだよね。

だけど、久々に会うと綺麗な女性になっていた。

それから何度か遊びにいって付き合うことになるんだけど、その辺りから彼女が自傷行為をしていることを知った。

そこそこに深い傷を腕につけ続けていた。正直僕は驚くことも不快な気持ちになることもなかった。

至って冷静だった記憶がある。

なぜかというと、彼女の家庭の話だったり過去のトラウマの話を聞いていたからだった。

彼女は家の中で居場所がなかったんだ。

常に家の端のように追いやられ、好き放題している母親に多くのことを制限されていた。

それとは対照的に僕と同い年の幼馴染はかなり自由だったようだ。

そんな待遇の違いにも憤りを感じていただろうし、だからと言ってどうすることもできない無力感に襲われていたんだと思う。

僕にできることは、彼女がほんのひと時だけでもホッとすることが許される時間になることだけだった。

会いたいと言えば会った。話したいと言えば話した。そして、彼女の腕から流れる血をティッシュで拭きながら『大丈夫』と声をかけた。

けど、僕も一時帰国だから当然だけど、イギリスに戻らないといけなくなるわけね。

渡英の日が近づくにつれて彼女は『死にたい』というようになった。次僕が日本に帰ってくるまで生きていられる自信がないとも言われた。

そして、彼女のリストカットはどんどん激しくなっていったんだ。

母親が酔って帰ってくる音を聞くと過呼吸を起こすようにもなった。電話越しに過呼吸になる彼女の荒い呼吸をただ聞かなければならないのはなんとも言えない気持ちだった。

『死にたい』という言葉とリストカットが増えていく毎に、僕は彼女が自分自身を破壊しようとしているのではないかと思っていた。

だけど、そうじゃないことが分かったんだ。

自傷行為は決して死にたいから行う行為でもなければ、自分を殺そうとする行為でもないことを後々知った。

強いストレスを感じてどうしようもない時、『死の欲求(タナトス)』が強くなるとフロイトは想定していた。

そして、そのタナトスが外部に向くとき、それは破壊の欲求になる。

戦争やデモなどの原因もそれではないかと考えていたほどだった。

だけど、当時の彼女のように高まったタナトスを外に向けることができない人もいる。

そういう人は自分自身を破壊しようとするんだって。

だけど、どの前に自分自身に少し傷をつけることで逆に救われた気持ちになることもあるそうなんだ。

自分を攻撃しようとしている自分を傷つけて戒めたことで少し気分が和らぐこともあるんだって。

だから、彼女は自分の腕を切ることによって心の調和を保っていたのかもしれない。

その方法は決して良いものとも賢明なものともいえないだろう。だけど、多分、当時の彼女にはそうするしかなかったんだろうね。

リストカットの傷を修復する手術を行なっている形成外科医の先生がいるらしいんだけど、その人が言うにも、やはり自傷行為は『死にたい』と言う死の欲求に対して抗おうとする行為であり、生きるための行為みたいだね。

だから、もちろんよくないんだけど、よくないからやめろっていうのはよくないことなのかもしれない。

余計にその人を苦しめることになるのかもしれない。ダイバーから酸素ボンベを取り上げるかのように。

ちなみにこの前共通の友人に聞いたら、彼女は今は母親との関係も良好で元気にやってるらしい。

とりあえず、生きててよかったよ。

自傷行為が持つ意味とは。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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