最近になって気づいたことがあります。

それは、どんな物事に対しても、基本的に「素直」に向き合って生きたほうが楽だということです。

いきなりライフスタイル的な話を持ち出し始めてどうしたんだ？ぷらーなにそういう生き方アドバイス路線のnoteは似合わねえぞ。いつもみたいに30代半ば以上にしかわからんサブカル話をしろよと自分でも思いますが、まあ聞いてくれ。

自分には、K氏という付き合いの長い友人がいます。彼がどのような人物なのかを簡潔に表するならば、スバリ「変人」、そして「実直な人」。

はっきりいって、彼よりも個性的な人に今まで出会ったことがなく、彼よりも自分の好きなものに対して純真な人も見たことがない。

プレイステーション5を入手するために200を超える抽選に応募、セガ推しが高じて全色のドリームキャストをいたるところから集めて所有、『アイドルマスター』を連続30時間プレイした後に25時間も寝てバイトを無断欠勤してしまったなどのゲーマーエピソードも凄まじく、それだけでテキスト1本ぶん書けますが、さらに目を見張るのは、好きな食べ物に対する執念です。

お気に入りのお菓子は早くいっぱい食べたいという気持ちから、じゃがりこは1本ずつではなく3〜5本くらい一気に口に放り込んでバリバリ食う。

かつてはもっと多くの本数だったそうですが、喉に詰まらせかけてやめたそうです。その話を聞いた自分は喉が詰まりそうになるくらい爆笑しましたが、まあ真似しないほうがいいですね。

ちなみにポッキーやプリッツも同じ食べ方をするらしい。もっとじっくり味わうべきでは？とも思いますが、まあ個人の自由でしょう。

この間はかなり久しぶりにマクドナルドのふつうのハンバーガーを食べたらしく、今までチキンナゲットやてりやきバーガーばかり食べていたが、マクドのふつうのハンバーガーがこんなにも美味くリーズナブルなものだったとは……といたく感動し、それ以降は毎日のようにマクドに通い、ふつうのハンバーガーを5個くらい注文しているとのこと。

ハンバーガーはポテトとドリンクがセットだろという自分の固定観念をぶっ壊してくれるとともに、その実直すぎるほどに実直な姿勢は見習いたい。

自分だったら、仮に毎日マクドに行くとして、連続でふつうのハンバーガーばかり注文するということはできない。なんというか無意識の気負いのようなものが邪魔をする。

さすがに毎日ふつうのハンバーガーだけはおかしいだろとか、店員に「ふつうのハンバーガーしか頼まないチー牛顔」と思われているかもしれないとか、ふつうのハンバーガーしか胃が受け付けなくなったらどうしようとか、余計なことを考えて立ち止まってしまう。

しかし、本来はそんなことは考えなくて良いはずです。ふつうのハンバーガーばかり食べ続けたら3年以下の懲役を罰するなんていう法律は、少なくとも日本には存在しません。

堂々とふつうのハンバーガーばかり食べることになんの罪もないはずなのに、臆病な自尊心と尊大な羞恥心に精神が侵されているのです。

彼の脳内には、そのような「穢れ」は微塵もない。ただ好きだからただ食べるだけ。イッツベリーシンプル。

仏教に於いては、執着とはひとつのことに心が囚われてしまうことを指します。この執着こそが人が悩み苦しむ原因であり、お釈迦様という愛称で知られるゴータマ・シッダールタ様は、この執着を捨てなさいという教えを説かれました。

西暦が2023年となった現代に、そのような紀元前の教えを実践している彼は仏陀なのでしょうか。本人にそう問うてみましたが、彼は無宗教らしいし、執着とか何いってんのかわかんねえ、俺は今日もハンバーガーを食うと言われました。うーん、ロックだ。

つまり完全に天然であり、30代にして3歳児ばりのピュアさを持ち合わせているというこです。30代にして14歳の内面を持ち合わせていると自負している私も、彼にはちょっと敵いそうにない。

もっと自分の好きなものに実直であらねばならない。今の自分は何がしたいのか、何を求めているか。明日は休日である。酒を呑みたい。おつまみが欲しい。ならば答えはひとつ。

というわけで、お気に入りのおつまみであるファミリーマートの鮭とばを買いに走りました。

鮭とばは大手コンビニ3社がそれぞれ自社ブランドで販売していますが、ファミマのやつがいちばん好きなのです。鮭の皮が付いているのがポイント高い。

外に出て5分。寒い。早く帰りたい。ていうかそういえばファミマよりローソンのほうが近い。確かauPAYにローソンで使える100円引きクーポンがあったはず。あ、目の前に見慣れた牛乳の看板が……。

30秒後、ローソンで鮭とばを買いました。ちくしょう、ちょっと日和ってしまった。でもローソンの鮭とばも美味い。美味ければファミマのでもローソンのでもどうでもいいな。執着を捨てよ。