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バックファイア効果を理解して、自分自身の「意思」や「意見」と客観的に向き合う

久しぶりに本を読もうかというモチベーションになったので、気になっていた本を読んでみました。堀田秀吾氏によって書かれた『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』という本です。私は何かしら壁に当たった時に色々と悩みすぎる傾向があります。そんな時にシンプルな答えをスパッと出せる人を見るとなんとも羨ましく思ったりします。少しでもそんな考え方に近づけたらと思って手にとってみました。

本の内容は私が期待したようなものではありませんでした。どちらかというと精神状態を如何に前向きに保っておくかという手法が列挙されています。マインドフルネスも含めてこの分野は割と積極的に情報を仕入れているので新鮮さはあまりありませんでしたが、私の考えを強化するという意味では役に立ちました。

当初の目的とは異なったものの、その中で気に留めておこうと思った単語がありました。それは「バックファイア効果」です。本書内では『前向きに考えようとするとドツボにはまる』という見出しの章で出てきました。

バックファイア効果というのは自分の意思と相対する意思に直面した時、その相対した意思を否定することで、自分の意思を強力なものと認識してしまう現象を言うそうです。書籍内では『ある情報を修正しようとすることで、かえってもとの情報のネがディブさを強めてしまうというものです。』と紹介されていました。後ろ向きな気持ちになっている人が無理に前向きになろうとすると、かえって後ろ向きな気持ちが強まってしまうそうです。うつ状態の人に「頑張れ」と声掛けしてはいけないのと同じだと理解しました。対策方法としては自身の状態を客観的に把握することと、行動だけでも前向きに振る舞ってみることが挙げられていました。

関連して調べてみると、バックファイア効果はあらゆる場面で表れるそうです。先程は「意思」という単語を用いいましたが、これを「意見」に差し替えることもできるようです。自分と反対の意見を否定することで、自分の意見をより確信的なものとするのです。これで思い出したのが陰謀論でした。陰謀論に邁進する方々はどの時代にもいます。客観的に見たら明らかに否定可能なものであっても、それを信じる人達は一定数は存在します。なぜそんな非科学的なものを信じるのか不思議に思うことが多々ありますが、彼らがバックファイア効果の罠に陥っていると理解すれば納得感が増します。

自分自身がバックファイア効果の罠に陥らないようにするには、客観的に見る癖をつけるのが必要そうです。自分自身の意思や意見が何なのか、その根拠は何なのかを常に客観的に評価できるようにしておきます。そのためには書き出してみるのが良いそうです。そうすることで自分(I)を他人(He)として置き換えて見れるように、つまり客観的に見ることができます。

私自身は後ろ向きな気持ちになった場合にマインドマップで気持ちや状況を書き出してみるというのを実践しています。書き出すことで気持ちが後ろ向きになっている原因を分析して、行動に移します。経験則から実践していた行動でしたが、バックファイア効果を回避するための手段としても有効であったと理解しました。

加えて、こうしてnoteに意見をまとめて書いてみているのも、ある意味でバックファイア効果を回避する手段になっているのではないかと思っています。noteに意見を書く際は必ず根拠を示すように心がけています。その根拠は客観的な事実であったり、主観的な経験則だったりと様々ですが、自分の意見を客観的に見返せるようにすることで、怪しげな情報に飛びつかないよう制御できている気がします。

バックファイア効果はメンタルケアに限らずに起きる現象です。ひとつの「思考の癖(認識バイアス)」であると理解して、あらゆる意思や意見について客観的な評価ができているかを気にするよう心がけるとよさそうです。

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